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Segment Routing:SDN(Software-Defined Network)への影響


2013年6月3日


この記事は Stephen Liu によるブログ「Segment Routing: Impact on Software Defined Networkspopup_icon(2013/3/27)を翻訳したものです。

Segment Routing(SR)は、IETF における標準化popup_iconのプロセスが進められている概念です。現実の実行環境へのリリースに向け、開発はついに最終段階に入りました。 SR は、ネットワークの状態に関して認識すべき情報を最小限に抑えつつ、拡張されたパケット転送処理を可能にするネットワーク技術で、 SDN(Software-Defined Network)でアプリケーション対応ルーティングを行うための必須要件(ネットワークのパフォーマンスを保証する厳しい基準、ネットワーク リソースの効率的な使用、アプリケーション ベースのトランザクションに対する高い拡張性など)を満たしています。 動作に必要となる拡張機能はごく少数(IS-IS と OSPF)であり、MPLS や IPv6 データ プレーンとの連動が可能であることに加え、L3VPN、VPWS、VPLS、E-VPN などといった MPLS の豊富なマルチサービス機能とも統合できます。

また、SR はいかなるトポロジーでも自動的にトラフィック保護を実施します。 新たなシグナリングを必要としないシンプルな導入で、リンクやノードの障害に対するトラフィックの保護が実現できます。 SR の Explicit Routing(ER)機能と既存の IP Fast Reroute(IP-FRR)技術の組み合わせにより、50 ミリ秒以内での完全な障害復旧が保証されます。 トラフィック保護のために新たなシグナリングが追加されることはありません。

現在の大きな関心事は、SDN 技術に対応する強力なイノベーションを SR がどのようにして Cisco ONE(Open Network Environment)フレームワーク内で実現するのかという点でしょう。 SR は、ネットワークのパフォーマンスを保証する厳しい基準、ネットワーク リソースの効率的な使用、アプリケーション ベースのトランザクションに対する高い拡張性などを実現し、しかも、これらの要件を満たすのに最低限のステート情報しか必要としません。

シスコの上級エンジニアであるクラレンス・フィスフィルスは、最近開催された MPLS/Ethernet World Congress において、SR の実現においてシスコが果たしている主導的な役割について語っています(このプレゼンテーションで使用されたスライドは slideshare.netpopup_icon で公開しています)。クラレンスのチームではすでに、SR の評価を希望している顧客向けに、初期の試用版ソフトウェアを用意しています。このトピックに関してクラレンスが語っているビデオをこちらでご覧いただけます。

注:フィスフィルスのプレゼンテーションをすべて収めたビデオは、会議の主催者から 1 週間程度で提供されますので、入手次第そのリンクもここに掲載します。

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