前回に続き、シスコの 2020年度の情報通信産業事業戦略を取り上げます。後編ではお客様の支援体制と戦略的パートナーシップ、その具体例についてご紹介させていただきます。
2020年度、通信事業者への支援体制を大幅に拡充
国内大手キャリア様でのマネージドサービス事例
シスコでは今期より、通信事業者様へのビジネス支援体制を大幅に拡充しました。
まず、お客様各社の投資が高まる関連会社を含めた海外事業展開の支援を目的として、グローバル事業部を直轄に組織し、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの 11拠点に営業、エンジニア体制を確立しました。これにより現地でのサポートに加え、本社部門の戦略および方針に沿った、一貫した支援が可能になります。
国内ではサービスプロバイダー様を対象として、シスコ ソリューション活用によるエンタープライズ企業、SMB(中堅中小)市場向けのマネージドサービスの開発から販売までを一気通貫で支援する専門部隊、ビジネス開発事業本部を設立しました。
従来のビジネスインフラを含めた社内システムの構築支援に加え、新たな商材開発によるトップライン(売上)向上の支援体制を整え、シスコは通信事業者様との戦略的パートナーシップをより一層、強化してまいります。
ここで、具体的な事例をご紹介します。
NTT東日本様と協業している Wi-Fi サービス「ギガらく」、NTTコミュニケーションズ様とのクラウド型コミュニケーションサービス「UCaaS」、Smart Data Platformを構成する「SD-WAN、SD-LANソリューション」です。
また、KDDI様とは日本で初めての提供となる「Cisco Webex Calling」が10月末よりサービス開始となりました。本サービスは、中小から大手企業まで柔軟かつ容易に最先端のテレワークを実現できるクラウド型サービスです。すでに大手企業から多数のお引き合いをいただいており、注目の高さを実感しています。
5G、B2B2X 時代に向けた
業種別ユースケース拡充を推進
5G時代の近未来を展望し、5G をベースに新たなエコシステムを共創し、B2B2X のユースケース拡充を推進してまいります。
これまでの4G 以前のビジネスモデルは、あくまで B2C、コンシューマー市場が対象であり、一定の市場拡大が終わると需要が頭打ちとなるゼロサム市場でした。しかしながら 5G時代においては、サービス利用者は企業になります。すなわち、ビジネスモデルは B2C から B2B あるいは B2B2X へと大きくシフトし、5G は企業の DX(デジタル トランスフォーメーション)を実現するプラットフォームとなるのです。
このような背景から、今後通信事業者とエンタープライズ企業、両者のネットワーク融合が加速することが予想されます。シスコはその両方の技術と知見を持ち合わせており、両社間の橋渡し役を担えると自負しています。
現在、シスコによる B2B2X 支援の事例としては THK 様、ドコモ様との三社協業による製造業向け IoT サービス「OMNI Edge」があります。今後、このようなユースケースをさらに拡大すべく、エコシステムパートナー様との共創の場としての 5Gソリューション ショーケースの立ち上げを進めています。今後はさらに、交通、医療、地方創生、建設などの分野においても、さまざまなパートナー様と連携を進め、ユースケースの拡大を図ってまいります。
2020年は 5G元年。いま、すべての通信事業者様が 5G展開への準備を進められています。
シスコは日本におけるサービスプロバイダー様の 5G展開をご支援するための万全の体制を整え、テクノロジーとビジネスの両面で支えるベストパートナーとなり、 「5Gと共に日本のデジタル トランスフォーメーションの実現」に向け、全力を尽くしてまいります。