競争の激しい今日の市場において俊敏なデジタル サービス プロバイダーとなるには何が必要でしょうか。Level 3 の場合、肝心なのは、スピード、シンプルさ、柔軟性でした。
オーケストレーションとソフトウェア定義型ネットワーキング(SDN)を使用してカスタマイズされたサービスを提供し、他社とは一線を画す存在となった同社のストーリーを、Level 3 のグローバル製品マーケティング担当ディレクター、Claudio Scola(写真左)氏がシスコに語りました。
カスタマー エクスペリエンスを変革する
Level 3 では、成功は、顧客の声に始まり顧客の満足に終わります。言葉だとシンプルに聞こえますが、通信サービス プロバイダー(CSP)にとって、それは一筋縄ではいかない転換となります。顧客は長年にわたって、ネットワーク サービスを配管工事のようなものと考えていました。したがって、多くの CSP は主に価格面で競争を行い、その結果、ビジネスがコモディティ化していると感じるようになりました。
「すべての人に同じ基準を提供すると、それで良いという人もいれば不足と感じる人もいる、ということになります」と Scola 氏は言います。「スケール メリットを優先してどれも同じに見えるウィジェットを大量に作る古いやり方では、時代遅れのユーザ エクスペリエンスしか生み出せません。今やそれでは通用しないのです」
Level 3 が行うそれと違ったアプローチは、シンプルな前提から出発しています。つまり、同じ企業は 2 つとないのだから、そのネットワーク ソリューションも同じであって良いはずがない、ということです。同社は、カスタマイズされたネットワーク サービスをオンデマンドで提供する基盤を構築しました。今では、顧客がニーズに合わせて機能とサービスの個別の組み合わせを選択できるようになっています。顧客はネットワーク パフォーマンスのトリガーやスケジュールされているワークロードに基づいてキャパシティを柔軟に増減できるパッケージを選び、使用するリソースだけに料金を払えば良いのです。また、セルフサービス ポータルから、オーダーメイドの独自のネットワーク ソリューションを設計して発注することができます。
適応型サービス提供の自動化
そのような種類のオーダーメイド サービスの提供ができれば、それに越したことはありません。しかし、ほとんどのサービス プロバイダーが画一的なアプローチを採用してきたのには、理由があります。カスタム サービスをオンデマンドで提供するのは困難なのです。大規模なオペレータであれば、さまざまなベンダー製の膨大な数の異種ネットワーキング デバイスや、異なる市場の異なる管理プロセスおよび運用プロセスを扱うこともあり得ます。スクリプトを使用してその一部を自動化することはできるでしょう。しかし、すべてのサービスをプロビジョニングするあらゆる手順を逐一記述しなければならないとしたら、そのスクリプトは非常に複雑になります。そして、常に変化し続ける大規模なネットワークでスクリプトを管理して最新状態に保つとなると、途方もない労力を強いられることになります。
Level 3 は、よりシンプルで柔軟な長期的アプローチが必要であることをわかっていました。そこで、根本に潜む複雑さをすべて取り除くオーケストレーション層を伴っており、ネットワークのプログラム可能性を備えた SDN を選びました。Tail-F ベースの Cisco Network Services Orchestrator(NSO)を使用することにより、Level 3 のネットワーク エンジニアは、高度なサービスも、基盤となる無数のネットワーキング デバイスも、標準的な YANG モデリング言語で記述して、サービスを一度に設計することができます。システムは、ネットワーク内のすべてのデバイスとリソースに関する単一のリアルタイム データベースを保持します。誰かが変更を要求すると、利用可能なリソースが分析され、それを実行するようネットワークのプログラミングが変更されます。明示的な指示は必要なく、実行中のサービスが中断されることもありません。
今では Level 3(とその顧客)は、「このオフィスに新しい E-Line 回線を作成」あるいは「製品チームと安全に接続された新しい開発環境をパブリック クラウドで始動」などのレベルの高いコマンドを使って始めることができます。たとえば、Cisco NSO が、自動的にネットワークのプログラミングを変更してそれを実現します。どのデバイスとクラウド サービスをアクティブ化してどのように設定すべきなのか、誰も記述する必要はありません。顧客は、Level 3 が新しいハードウェアを手動で導入して設定するまで何週間も待つ必要はありません。ネットワークが、すべてを自動的に、数分で処理します。
将来に向けた俊敏な基盤
これらはすべて、Level 3 とその顧客にとって大きな利益になります。新しいサービスや変更をはるかに速く実行でき、収益を得るのに必要な時間の短縮につながります。複雑な手動設定に伴うエラーやサービス中断は、ほぼ消滅します。Level 3 は、他の CSP が太刀打ちできないカスタム ソリューションを提供することで、市場において突出した存在になっています。そして Level 3 の顧客は、まさに必要なときに必要なものを手に入れています。
「このスピードと供給があれば、もう配管工事との違いをわざわざ説明する必要はありません」と Scola 氏は言います。「今では、サービス レイヤのソフトウェアとカスタマー エクスペリエンスがそれを証明しているからです」
Level 3 のソフトウェア定義型ネットワーキングのサクセス ストーリーを見る
このストーリーにはさらに続きがあります。こちらから、プログラマブル ネットワークを使用した Level 3 のカスタマー エクスペリエンスの変革について続きをお読みください。
関連情報
Cisco Network Services Orchestrator がビジネスに与えるメリットについては、http://www.cisco.com/jp/go/nso をご覧ください。
Level 3 による NSO の活用法の詳細については、こちらからケース スタディを参照してください。
この記事は、コラボレーション担当のマーケティング マネージャーである John Malzahn によるブログ「With Programmable Networks, Level 3 Puts Customers Front and Center」(2016/10/28)の抄訳です。