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ランサムウェア:過去、現在、そして未来
セキュリティ「過去は序章に過ぎない」 — William Shakespeare『テンペスト』より はじめに この 1 年間におけるランサムウェアの急増は非常に大きな問題です。多くの企業は、身代金を支払うことがデータを取り返す最もコスト効率の良い方法だと考えています。そしてそれが現実かもしれません。私たちが直面している問題は、ファイルを取り返すために身代金を支払っているすべての企業が、次世代のランサムウェアの開発に直接出資しているということです。その結果として、ランサムウェアは驚くべき速度で進化を遂げているのです。 このブログ記事では、これまでに発生した非常に効果的な自己増殖型マルウェアの特徴と、攻撃の水平展開を促進するツールの進化について探ります。この研究が重要なのは、敵対者が今後ランサムウェアでこうした機能を活用し始めることが予想されるためです。このブログ記事では、過去に成功を収めた多数のマルウェア、そして有能なサイバー恐喝者が過去のマルウェアを参考に新たな脅威を築く可能性という 2 つの事柄に焦点を当てます。 今日知られているランサムウェアの考え方は「ばらまき」方式で、攻撃者はできるだけ多くの標的にできるだけ短時間で攻撃を仕掛けます。通常ペイロードは、エクスプロイト キットまたは大規模なフィッシング キャンペーンによって配布されます。最近では、意図的に企業ネットワークを狙った多数のランサムウェア キャンペーンが行われたことが発覚しました。私たちは、この動向は今後起きることの前兆、つまり将来登場するランサムウェアの前触れであると確信しています。 従来マルウェアは、データの破壊やデータのコンテンツへのアクセスを不能にすることにはまったく無関心でした。有名な例外事例はいくつかありますが、データの損失はたいていマルウェア キャンペーンの副次的な影響でした。ほとんどの攻撃者は、目的を達成するために、データやシステムが提供するリソースへの継続的なアクセスを狙っていたのです。しかしランサムウェアによってこの状況に変化が現れ、攻撃者の目的はシステムの弱体化から大胆な脅迫へと変わりました。攻撃者はデータへのアクセスを不能にし、データへのアクセスを回復させるのと引き換えに金銭を要求しています。この文書では、最新のランサムウェアの傾向と、この脅威から企業を防御する方法について解説していきます。 <h3 id="toc"
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税金に関わる詐欺の国際化
セキュリティ米国では確定申告の時期が迫っています。誰もが自分の金銭や個人情報を騙し取ろうとする詐欺に注意しなければなりません。 米国国税庁(IRS)は、今年は電子メールを使った詐欺件数が増加していることについて警告を発しています。しかし、これらの攻撃は、米国に限ったことではありません。今年の初めに、アイルランドをターゲットとした税金に関するフィッシングが発生したことが確認されています。そこで Talos では、昨年度を振り返って、税金に関わる詐欺がどのように拡散したのか確認することにしました。すぐに、税金に関わる詐欺が国際化していること、そして、今日では世界中の多くの国々に影響を与えていることが分かりました。 明らかになった問題の全体像を皆様にお伝えすべく、この投稿では次の観点から税金に関わるフィッシング攻撃について検討していきます。 税金に関連するドメイン 影響を受けた国 攻撃手法 攻撃のタイミング 特徴的な詐欺手法 税金に関連するドメイン 攻撃者がユーザを騙すために使用する手法の 1…
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