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クラウド時代の分散仮想データセンターを支える要素技術:投資効果の高い L2 延伸と IP モビリティ化の実現
データセンター/仮想化これからのデータセンターに求められる要件はどんなものでしょうか。第一は、BCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)/DR(Disaster Recovery:災害対策)の実現です。それにはデータセンターの「分散」が欠かせません。距離が離れた複数のデータセンターにシステムを分散することで、災害などによるサービス停止を防止できます。第二は、リソースの最適化・投資効率の向上です。これまで主に採用されていたアクティブ/スタンバイ構成の分散データセンターでは、待機系のリソースがほとんど使われず非効率でした。しかし「データセンターそのものを仮想化」して複数のデータセンターを 1 つのシステムとして運用できる仕組みを作れば、全データセンターを常時稼働させるアクティブ/アクティブ構成を容易に実現でき、負荷や必要に応じてデータセンター資源を適切に配分できるようになります。そのためリソースの無駄がありません。さらに仮想マシンをデータセンター間でシームレスに移動可能にすることは、BCP/DR の実現にも寄与します。 このような特性を持つデータセンターをシスコでは「分散仮想データセンター」と定義し、クラウド サービスのインフラを担うシステムになるものだと位置付けています。ここで言う仮想データセンターとは、サーバ仮想化技術を採用したデータセンターという意味ではなく、前述のようにデータセンターそのものを仮想化して複数のデータセンターを 1 つのシステムとして運用できるようにしたもののことです。ベンダーによってはマルチ仮想データセンターと呼ぶこともあります。シスコが考える分散仮想データセンターの構成は次のようなものです。 ポイントになるのは、データセンター間を L2 接続するための L2 延伸技術「OTV」(Overlay Transport…
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