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【PRIDE セミナーレポート】Allyship とは? ~ 今日からできる小さなアクション ~

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シスコでは毎年、「インクルージョン と コラボレーション啓発月間( I&C Month )」として、全社員を対象に I&C の大切さを集中的に発信する取り組みを行っています。

私達 Cisco PRIDE Japan Inclusive Community においては、2026年 3月 17日に「 Allyship とは?〜 今日から始められる小さなアクション 〜 」セミナーを開催。現地では 30 名、Webex では 84 名の方々にご参加いただきました。

私たちは自ら設定した ” No Allyship ,  No Team ” のテーマの元、アライ / Ally からチームを変え、会社を変えていこうと行動しています。

本セミナーでは、まずは Ally をはじめ基本的な用語を理解していただくこと、そして Allyship に基づく行動とは何かを一緒に考え、明日から実践できるヒントをひとつ持ち帰っていただくことを目指しました。

 

 

 

前半:Optum 様 ご講演

講演では、Optum の日本における業務を担うパートナー企業・オプタムジャパンにてカウンセラーとして活動されている、公認心理師の田伏みどり様にご登壇いただき、「 Allyship とは?~今日からできる小さなアクション~」をテーマに、下記 5 つのポイントを教えていただきました。

 

 

 

1. LGBTQIA+ 用語について

まず、「 LGBTQIA+ 」の用語について学びました。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった一般的な用語だけでなく

  • クィア( Queer ):既存の性の枠組みに当てはまらない多様なあり方を表す言葉。
  • クエスチョニング( Questioning ):自分の性自認や性的指向が定まっていない、または模索している状態。特定の枠に決めたくない方も含む。
  • インターセックス( Intersex ):身体的な性の特徴が、一般的とされる男女の定義に完全には当てはまらない状態で生まれた方を指す言葉。
  • アセクシュアル( Asexual ):他者に対して性的な惹かれを抱かない、またはほとんど抱かない方。

など、非常に幅広い概念があることを学びました。

 

2.性的指向、性自認、ジェンダー表現の違い

次に、性的指向、性自認、ジェンダー表現の違いについて、教えていただきました。

  • 性的指向:誰に対して恋愛感情や性的魅力を抱くか
  • 性自認:自分自身がどの性別であると認識しているか
  • ジェンダー表現:服装や話し方など、外見を通してどのように自身の性別を表現するか

これらがグラデーションのように多様であるため、「外見だけで決めつけないこと」が重要だとおっしゃっていました。私たちは無意識のうちに、相手を「男性」「女性」という枠組みに当てはめてしまいがちですが、その前提を一度手放すことが大事だということでした。

 

3. 適切な代名詞の使い方

続いて、適切な代名詞の使い方について学びました。海外の会議などで、名前の横に代名詞( He / She / They など)を添えるのを見かけることがあります。これは「自分をどう呼んでほしいか」という意思表示なのだそうです。日本語では代名詞を使う機会は少ないですが、大切なのは「相手が望む呼び方を尊重する」という姿勢とのことです。

もし相手の呼び方に迷ったら、素直に聞いてみるのもひとつの手で、自分から「私はこう呼んでほしい」と伝えることで、相手も話しやすい雰囲気になるとのことでした。

 

4. 尊重し合える職場づくり

現在、世界で 80 カ国以上の国が、性的指向を理由とする雇用差別を法律で禁止しています。しかし調査によると、職場で差別的な経験をした方や、自分らしくいられないと感じて離職・転職を余儀なくされた方は、全体の 30 % から 40 % にのぼるというデータもあるそうです。

このセクションでは法律という枠組みを超えて、私たちが真にインクルーシブな環境を作るために必要なのは、一人ひとりの「一言」だということを教えていただきました。

職場で誰かが不適切な発言や冗談を口にしたとき、多くの人は悪気があって言っているわけではありません。しかし、その場が何もなかったかのように流れてしまうと、傷つく人がいるという現実は残ります。

差別やマイクロアグレッション(無意識の偏見による攻撃)の多くは、この「沈黙」から生まれるのだということでした。私たちが目指すべきは、この「気遣いの沈黙」を「気遣いの発言」へとシフトさせること。「いろんな人がいるよね」 「そういった見方もあるかもしれないね」 そんな、さりげない一言を添えるだけで、その場の空気を変えることが大事だとおっしゃっていました。

 

日本の現状と企業の役割

日本においても、パワーハラスメント防止法の中で「アウティング(本人の同意なく性的指向などを暴露すること)」がパワハラの対象となり得るなど、少しずつ前進しています。また、自治体レベルでのパートナーシップ制度も広がっています。

しかし、法律の整備を待つだけではなく、企業が率先して文化を創り出し、その取り組みを社会へと広げていくことが重要とのことです。田伏様からはシスコのように、社内制度を整備し、社員主導でコミュニティ活動を行うことは、その大きな一歩となるとおっしゃっていただきました。

 

私たちが今日からできる配慮

職場における具体的な配慮として、以下のポイントを意識することが大切だと教えていただきました。

  • トイレや服装のルール: 個人の尊厳を尊重し、その場にふさわしい服装であれば、過度な制限を設けない。
  • プライバシーと守秘義務: 本人の同意なく情報を広めない。
  • 言葉遣いへの意識: 知らず知らずのうちに誰かを傷つけていないか、常に自省する姿勢。もし不適切な発言があった場合、その場を流すのではなく、さりげなく指摘し合える文化を醸成する。

5. アライとして行動すること

アライとは、LGBTQ+ の方々を尊重し、支援する姿勢を持つ人のことですが、決して「制度を大きく変える!」といった大掛かりなことではなく、下記のちょっとした姿勢がアライとしての行動なのだということを教えていただきました。

  • 支援の姿勢を「さりげなく」示す
    大げさにする必要はなく、温かい雰囲気で、LGBTQ+ の方々を尊重している姿勢をオープンに示す。
  • 安心して対話できる場をつくる
    相手の話を否定せず、まずは「聞く」ことから始める。
  • 思い込みを避ける
    外見や雰囲気だけで、その人の性のあり方を決めつけないようにする。
  • 個々の希望を尊重する
    代名詞や呼び方など、相手がどう呼ばれたいかをさりげなく確認し、その希望を尊重する。
  • ラベルを貼らず、その人自身を見る
    その人自身を尊重し、ありのままを受け止める姿勢を持つ。
  • 自ら学び、誠実に向き合う
    もし間違えてしまったら、素直に「ごめんなさい」と謝り、教えてくれたことに感謝する。そして、そこから学び、次に活かす。

田伏様のご講演後は、活発な質疑応答がかわされ、聴講のみなさまの学ぶ姿勢をうかがうことができました。

 

 

後半:LGBTQ+ に関するアンケート結果

セミナー後半では、シスコ大崎よりシスコ社内で実施されたLGBTQ+に関するアンケート結果を共有しました。

このアンケートは誰もが自分らしく働ける環境づくりを目指し、毎年実施しています。今年は、全従業員のおよそ10 %にあたる、158 名の方に回答いただきました。

 

主な結果は以下の通りです。

  • 知識と理解について :  LGBTQ+ の概念や定義について「ある程度知っている・よく知っている」と回答した方は全体の 86% でした。
  • フレンドリーな職場への評価について : 「シスコジャパンは LGBTQ+ にとってフレンドリーな職場である」と回答した方は 90% にのぼりました。以前の調査(82%)と比較して、意識が着実に向上しています。
  • 職場の心理的安全性について : 同僚がカミングアウトした際、「同じチーム内で安心して働き続けられる」と回答した方も 90% でした。

 

一方で、フリーコメントを通じて「知識不足による無意識の差別(マイクロアグレッション)」や、それに対する不安の声が寄せられました。だからこそ、シスコではこうしたセミナーを通じて、まずは「 LGBTQ+ に関する正しい知識」を身につけることを非常に重視しているとのことでした。

また、シスコでは、誰もが自分らしく働ける環境を支えるため、法的な婚姻関係を前提とした制度設計を、時代に合わせて大きくアップデートしてきました。現在、シスコの福利厚生制度の多くは、性自認や法的な婚姻の有無に関わらず、すべての社員が等しく活用できるようになっています。

このアンケートのように、これからもシスコは社内の声に耳をかたむけ、誰もが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを推進していきます。

 

まとめ

今回の PRIDE セミナーを通じて、インクルージョンは、特別な誰かだけが取り組むものではなく、全員の日常の積み重ねであることを再認識しました。

もし不適切な発言がなされた場合は沈黙しない。その場を流すのではなく「いろんな人がいるよね」と伝えるだけで、場の空気は変わっていく。この小さな声こそが、当事者の心理的安全性を守ることになるというお話は、非常に印象的でした。

セミナーに参加して、私は 3 つのヒントをいただきました。

  1. 決めつけない : 外見や性別、ステレオタイプで相手を判断せず、まずは相手を尊重する
  2. 沈黙しない : 不適切な発言があった場合「それ、ちょっと違うかもね」と、その場の空気を変えるような一言を添える
  3. 学び続ける : 「間違えてはいけない」と萎縮せず、間違えたときに誠実に対応し、学び続ける

ご講演いただいた田伏様に、あらためて感謝申し上げます。

 

 


 

2026 年の I&C Month では、その他のコミュニティでも様々なイベントを行いました。ぜひ、以下のブログもご覧ください。

 

■ Cisco Citizen Network( CCN )

【社員ボランティアレポート】発展途上国の子どもたちに「学び」と「希望」を

 

■Connected Disability and Neurodiversity ( CDAN )

「ちがいを知る、強みを活かす ― ニューロダイバーシティ入門」 CDAN セッション開催レポート

 

■ Emerging Talent @ Cisco( ETC )

ETC 主催:若手社員のキャリアを照らすイベント

 

■ We are Cisco( WoC )

Women of Impact 2026 開催: Google Cloud と Cisco のリーダーと考える「誰もが力を発揮できる職場」とは?

Authors

Makiko Yamashita

APJC Field Marketing JP

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