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シスコ派遣記3~京都府とシスコの働き方の違いから見えたこと~


2016年7月28日


前回までのブログでは、シスコでの気づきを概略的に紹介してきましたが、今回は、私が以前まで働いていた京都府(地方自治体)とシスコとの働き方の違いについて一度整理し、どういった気づきや意識の変化があったのかを総括的に振り返ってみたいと思います。

シスコに来て、4 か月になりますが、言葉では表現しきれないほど、多くの気づきがありました。とにかく今までの働き方に無駄が多かったこと、そして働き方、働く環境を変えること(働き方改革)の重要性を強く感じました。上記で紹介したような、今まで何気なく行っていた一つ一つの仕事のやり方に無駄があり、いかに時間コストを意識した働き方ができていないかということに気づかされました。

もちろん、今までの京都府(地方自治体)での働き方や働く環境を否定するわけではありませんが、シスコのワークスタイルに触れて、「京都府ももっとこういった部分は柔軟にできるはず」とか、「こういう働き方は取り入れられるはず」といった意識の変化がありました。

働き方が「変えられない」から「変えられる」へ

今まで働き方を変えられるという意識はありませんでした。目の前の仕事に追われる日々で、今の働いている環境に違和感すら覚えないというのが多くの自治体職員の共通認識ではないでしょうか。また、変えられるとしても、「組織やカルチャーが違うから無理」とか「変えたところで住民のサービス向上にどうつながるかイメージできない」といったマイナス意見が大半でないかと思います。

しかしながら、シスコでは最新の IT やコラボレーションツールを活用した革新的な働き方が実践されており、「働き方が変えられるということ」、そして「働き方が変わることで社員のモチベーションやロイヤリティが高まり、生産性の向上につながっていくということ」を社員自身が証明しています。もちろん、すぐに現在の働き方になったわけでなく、時間をかけてインフラ整備や制度改正等を行い、社員の理解も得ながら働き方改革を進めてきた経緯があります。

cisco-dispatched-03-fig02「働き方を変えること」それ自体の効果は、非常に抽象的で目に見えにくいものですが、今、実際に私自身が環境の変化により、自然とモチベーションが高まっており、今までの資料を印刷する時間や移動時間といった、いわゆる「ムダ時間」を削減したことによって生み出された時間を創造的な時間として有効活用できているという実感があります。

公務員の世界で「生産性の向上」というと非常にイメージしづらいですが、働き方改革によるムダ時間の削減(コスト削減)と作業の効率化は、住民サービスの向上へつながる一助になると感じています。しかしながら、地方自治体と民間企業では、組織やカルチャーの違いがあるため、一概に当てはめられない難しい問題であり、まだまだ議論の余地はあると思っています。このテーマについては、本ブログのどこかで別途考察できればと思います。

いずれにしても私の中で、「働き方が変えられる」、そして「働き方を変える必要がある」という意識が芽生えたことが新たな収穫でした。

テクノロジーが働き方を変える

今までテレビ会議システム、WEB 会議システムやチャット ツールといった IT ツールを活用したコミュニケーションに対して疑問や違和感を持っていました。やはり「直接、顔を見て話さないと気持ちは伝わらない」とか「画面を通してだけでは、本当に言いたい部分や大事なポイントは伝わりにくい」と感じているとともに、IT ツールに頼ると社員同士のコミュニケーションや会話が減り、閉鎖的な働き方になるのではないかと思っていました。いわゆるアナログ人間です。

cisco-dispatched-03-fig03cisco-dispatched-03-fig04しかしながら、シスコで日常的にテレビ会議システム(Cisco TelePresence)やWEB会議システム(Cisco WebEx)を使って働く中で、クリアな映像や音声によるリアルなコミュニケーションを体感し、当初抱いていた疑問が嘘のように、今では全く違和感もなく、仕事をする上でなくてはならない必須ツールになっています。

また、シスコでは社内のやりとりはメール以外にオンライン チャット ツール(Cisco Jabber)やSNS(Cisco Spark)を使っており、いつでもどこでも誰とでも瞬時にコミュニケーションや情報共有ができるので、非常に意思決定が速く、仕事にスピード感があります。

おそらく、チャットや SNS で仕事をするということは、公務員の世界では想像ができないことではないでしょうか。むしろこういったコラボレーション ツールを活用することによって、社員同士のコミュニケーションが活性化され、チームとしての一体感を生み出し、同時に横断的な働き方が実現しています。

 

しかしながら、IT ツールといったテクノロジーだけでは働き方を変えることはできません。明確なビジョンを掲げ(組織風土)、業務のあり方や制度(プロセス)を変え、そして ICT 環境(テクノロジー)を整えて、初めて働き方改革が促進されるというのがシスコの考え方です。詳しくは次回ブログで紹介したいと思います。

京都府とシスコの両方の働き方を経験して、今まで、いかに自分の中で「変えられない」とか「できない」といった決めつけが多かったのかということを痛感しました。まずは、今までの自分の固定概念を刷新し、新しい発想や変化を受け入れることが重要であり、同時にそういった新しい働き方やテクノロジーを体験することが働き方改革を進める上での第一歩であり、近道になるということを実感しました。

cisco-dispatched-03-fig05

もちろん、必ずしもすべて新しい働き方やテクノロジーを許容することがベストだとは思いませんが、公務員に合った働き方改革があるはずと感じているので、そういった可能性をシスコにいる1年間で少しでも見出せたらと思います。

次回のブログでは、なぜシスコではテレワークをはじめとする働き方改革が実現したのかというテーマについて紹介したいと思います。次回のテーマは「シスコ派遣記4~シスコのテレワークの取り組み~」です。

ビデオが完成しました!Youtube「京都府職員が語るシスコのワークスタイル」是非ご覧ください。

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4 コメント

  1. 京都府とは異なる職場環境の中で、日々ご活躍されている様子が伝わってきました。
    人と人とのアナログ回線?でのつながりを大切に考えてきた私にとって、「コミュニケーションの在り方」について、改めて考え直すきっかけをいただきました。
    次回も楽しみにしています。

    • 籾井 隆宏

      浅野様 
      コメントありがとうございます。ブログでも書きましたが、顔を見て直接話ことはもちろん大事なことで、それに変えられるものはないですが、それが画面を通してでもできるというのが発見でした。こういった新しいコミュニケーションの取り方が日常になる時代が来るんだなと思うと感慨深くなります。またシスコへ来社していただき、実際の製品を体験してみてください!

  2. シスコと京都府との働き方の比較、興味深く拝読しました。
    籾井さんが「実感している違い」は、極めて貴重なモノですが、他の人から見たら「他人ごと」にしか感じてもらえないことがほとんどだと思います。
    いかに多くの人に「我が事」として感じてもらえるか、感じさせることができるかが、次のミッションですかね。

    • 籾井 隆宏

      古橋様
      いつもコメントありがとうございます。おっしゃるように、私一人ではどうしようもできないので、いかにして多くの職員の方から共感を得て、同じ思いで進められるかということに尽きるかと思います。ご指摘のところが、一番働き方改革を進める上で難しい部分かと思いますので、是非お知恵を貸していただけたら助かります。