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VMware Horizon View と Cisco UCS とで 3D グラフィックス


2013年8月28日


NVIDIA GRID ソリューションと Citrix XenDesktop を中心とした 3D CAD VDI のエントリがありましたので、こちらでは vExpert らしく、VMware Horizon View と 3D(三次元)グラフィックスについて紹介していきましょう。

まず、最初に vSphere における仮想マシンの描画処理について簡単に触れておきます。一般的に仮想マシンの描画処理には、グラフィックス処理用のハードウェア(グラフィックスチップ・ビデオチップ・GPU)を使用せず、ハイパーバイザをインストールしたサーバに搭載されている CPU を使用しています。どんな高性能なビデオカードを搭載しても、ビデオカードに接続されたディスプレイに ESXi のコンソール画面を出力するためにしか使われず、仮想マシンの描画には使用されないのです。もっとも、仮想化されるのがサーバ OS の場合、それほど描画処理が必要ではないため、これで十分でした。

しかし、サーバ OS ではなく VDI という形でクライアント OS が仮想化されるとなると、話は変わってきます。VDI では仮想マシンでクライアント OS が動作し、仮想マシンで描画された画面がサービスの主体です。その中でアプリケーションとして、いわゆるオフィス アプリケーションだけではなく、画像や動画の再生・編集を行う場合もあります。さらには 3D グラフィックスを扱うアプリケーションを使用する場合もあり、サーバ OS とは比べ物にならないほど高い描画処理を必要とします。従来は描画処理能力を高めたい場合、仮想マシンに割り当てる仮想 CPU・仮想メモリおよび仮想ビデオメモリを増やしていました。しかし 3D グラフィックス、特に 3D CAD などの高度な画像処理を必要とするアプリケーションを動作させるには無理があります。

2 年程前に登場した VMware View 5 では、グラフィックス API である、DirectX 9 と OpenGL 2.1 に対応することで、別途グラフィックス処理用のハードウェアを用意しなくても、仮想マシン上でより多くの 3D グラフィックス アプリケーションを動作させることができるようになりました。実際に、VMware View と Cisco UCS で 3D CAD を動作させている事例もあります。ただ、それでも描画処理をグラフィックス処理用のハードウェアではなく CPU で行っているため、動作させることができる 3D グラフィックス アプリケーションも基本的なものにとどまっており、3D CAD など画像処理を専門とするようなワークステーションを仮想マシンとして動作させるには、まだ限界がありました。

VMware Horizon View 5.2 では描画処理にグラフィックス処理用のハードウェア アクセラレーションがサポートされ、これを活用した VDI の構築が可能となりました。一方、VDI の基盤としても定評のある Cisco UCS でも、UCS C240 M3 ラックサーバで NVIDIA の GPU である NVIDIA GRID K1/K2 をサポートするようになりました。これらを組み合わせることで、3D CAD などの高度な画像処理を行うワークステーションをも仮想化し、 VDI で活用する環境が整ってきたのです!

と、盛り上がってきたところで、ちょっと引っ張りまして今回はここまで。次回以降、NVIDIA GRID K1 / K2 とそれを搭載できる Cisco UCS C240 M3、そしてちょうど今週米国サンフランシスコで開催されている VMworld 2013popup_iconでもホットな話題のひとつであるグラフィックス処理のハードウェア アクセラレーション vSGA と vDGA に迫ります。お楽しみに。

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