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NVIDIA GRID K1 / K2 と Cisco UCS C240 M3


2013年8月30日


VMware Horizon View と Cisco UCS とで 3D グラフィックス」の続編です。

VMware Horizon View で高度な画像処理を実現するハードウェア アクセラレーション技術である vSGA および vDGA を Cisco UCS で動作させるには、NVIDIA の最新 GPU(Graphics Processing Unit)である、NVIDIA GRID K1 / K2 が必要です。vSGA と vDGA の前に、NVIDIA GRID K1 / K2 についての話をしましょう。

ここで、ひとつ問題です。NVIDIA GRID K1 / K2 は、サーバで使用する GPU を搭載した PCI カードですが、NVIDIA GRID K1 / K2 には、PC やワークステーションで使用する一般的なグラフィックス処理を行う GPU カードには必ずあるはずの何かがありません。それはなんでしょうか。

答えは、VGA や DVI などの映像出力端子です。PC やワークステーションで GPU カードを使う場合、GPU で描画された映像は、映像出力を通じてディスプレイに出力されます。しかし、NVIDIA GRID K1 / K2 には映像出力端子がありません。では、NVIDIA GRID K1 / K2 で描画された映像は、ディスプレイではなくどこに行くのでしょうか。それは、PCoIP などのディスプレイ配信プロトコルを通じて、リモートのクライアントに配信されるのです。まさに NVIDIA GRID K1 / K2 は、仮想デスクトップのための GPU と言うことができます。

では、現在 Cisco UCS で利用できる NVIDIA の GPU である、GRID K1 と GRID K2 のスペックをみてみましょう。

GRID K1 GRID K2
GPU 数 4 x エントリ Kepler GPU 2 x ハイエンドKepler GPU
合計 NVIDIA CUDA コア 768 (1GPU あたり 192) 3072 (1GPU あたり 1536)
合計メモリサイズ 16 GB DDR3 8 GB GDDR5

 

GRID K1 と GRID K2 の違いで重要なのは、搭載されている GPU の数とパフォーマンスです。

  • GRID K1 は、エントリレベルの GPU を 4 つ搭載したモデル

それに対して、

  • GRID K2 は、ハイエンドの GPU を 2 つ搭載したモデル

です。ネットワーク インターフェイス カード(NIC)に例えるなら、K1 は 4Port 1GB NIC、K2 は 2Port 10GB NIC といったところでしょうか。

Cisco UCS C240 M3

この NVIDIA GRID K1 / K2 を取り付けられるのが、Cisco UCS C240 M3 ラック サーバです。C240 M3 は、

  • 2 ソケット Intel Xeon E5-2600 プロセッサ
  • 24 の DIMM スロットで最大 768 GB の RAM
  • 24 基の 内蔵ストレージ スロット
  • 5 つの PCI スロット

を持つ、非常に拡張性の高い 2RU サイズのラックサーバです。この C240 M3 に、

  • NVIDIA GRID K1 x2 枚 または NVIDIA GRID K2 x2 枚

装着することができます。よって、

  • GRID K1 を 2 枚装着した場合、エントリレベルの GPU が 8 つ
  • GRID K2 を 2 枚装着した場合、ハイエンドの GPU が 4 つ

C240 M3 で使用できます。

また、NVIDA GRID GPU を搭載した C240 M3 も Cisco UCS C シリーズ ラック サーバの特長である、Cisco UCS Manager との統合が可能であるため、Cisco UCS Manager で管理すれば、Cisco UCS のサービス プロファイルを利用することもできるようになり、ブレードサーバ同様の運用が可能です。

NVIDIA GRID K1 または NVIDIA GRID K2 を載せた UCS C240 M3 を VMware Horizon View で使う方法が 2通りあり、それが vSGA と vDGA なのですが、これらについては、次回にさせていただくことにしましょう。では。

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