この記事は、シスコのチーム コラボレーション グループの製品担当ディレクターである Amit Barave によるブログ「Turning Talk into Action: Bringing Voice Intelligence into Webex Meetings」(2020/01/29)の抄訳です。
音声アシスタントで働き方を変える
ビジネスにおいて「会議」はとても大切ですが、いつも私たちの頭を悩ませる存在です。会議を開催すると、メモや議事録をとるなど、生産性を下げるタスクがついて回ります。もしそういった会議に係る共通タスクを自動化することができれば、私たちはディスカッションをしたり最適な意思決定をするなどの重要なタスクに集中できるようになるため、生産性を向上させることが可能です。
会議におけるもう一つの課題は、会議で話し合った内容を無駄にしないことです。そのためには、会議の最中だけでなく、特に会議の終了後に、会議の決定事項やアクションアイテムを実際の行動に移す必要があります。
TechValidate 社の調査によると、Cisco Collaboration ユーザーの92% が、リアルタイムな文字起こしや検索機能が会議の価値を高めると考えています。そして半数以上の方 が既にそういったスマートな働き方を取り入れています。「音声アシスタントが会議に参加し、議事録やアクションアイテムを記録し、会議後のスケジュール作成を支援することは、今後の働き方において重要だ。」という声もあります。
Cisco Webex Meetings の音声アシスタント
シスコは昨年9月にVoicea を買収し、Voicea のもつ強力な自動音声認識エンジンをWebex Meetingsに統合する作業を鋭意進めています。その結果、会議をできるだけスムーズで効率的なものにすることが可能です。
本日は、Cisco Webex Assistant for Webex Meetings をご紹介します。これは、企業向けとしては初となる、会議用の音声アシスタントです。音声コマンドによる操作、自動文字起こし、字幕、議事録作成、および会議後のサポート機能を提供します。これらの機能は、会議における集中力と生産性を高めるだけでなく、聴覚障害のある参加者や英語を母国語としない人が働きやすい環境も実現します。具体的な機能は以下のものがあります。
- 音声コマンド – 会議にWebex Assistantを招待すると、一般的な会議タスク(議事録作成、会議後のフォローアップなど)を音声で依頼することができます。
- リアルタイム文字起こし(Transcript) – Webex Assistantが会議に参加したら、CC(クローズドキャプション)ボタンをオンにしてください。右側のパネルの「キャプション」タブに、会話の内容が記載され、そこから「ハイライト」を行うことができます。
- ハイライトとメモ – 会議のメモやハイライト(いわゆる議事録)を作成します。会議終了後にWebex MeetingsのWebサイトで閲覧が可能となります。会議のメモやハイライトを作成する方法は3つあります。
- 「OK Webex, Highlight that」または「OK Webex, Take a note」と明示的に言う
- 自然に会話している中で、トリガーとなる言葉が入った場合は自動的に実行される: 例 「Today’s Agenda is…」「That’s the right decision,」「That’s an action item for Karen」
- 手動で文字起こしされたテキストを選択してハイライトボタンを押す
- 録画文字起こし (Recording Transcripts) – 赤いボタンを押すことで録画が開始し、その間の継続的な文字起こしが開始されます。
- 話者のラベル付け(Speaker labeling) – 発言者の名前がメモやハイライトに記載されるため、誰の発言だったかを振り返ることができます。
- 会議後のフォローアップ – ハイライトや文字起こしの内容を編集することが可能です。またそれらをチームに送ったり、特定の参加者または全員に対してアクションアイテムリストを送付することができます。
- 複数会議のキーワード検索 – キーワードを使って何が議論されたかを検索することができます。検索対象は特定の会議録画もしくは複数の録画を対象にできます。(レビューされるのは録画された会議の5%未満です)
以下の動画を見れば、Webex Assistant for Webex Meetings についてより理解を深めていただけると思います。
シスコの強み
今回ご紹介した音声アシスタントの機能は、既存製品に対する追加機能として提供されます。市場にある他のソリューションよりもワードエラー率が約20%低く、最高の文字起こし精度を提供いたします。また、機械学習モデルを活用し、さらに高い精度となるよう学習を続けています。この機械学習においてお客様のデータは利用しておらず、すべてシスコのデータに基づきます。さらに、セキュリティに関してCiscoの優位性は業界トップです。企業向けの文字起こしサービスを最初に提供する事業者として、お客様のデータを最初から最後まで安全に保管いたします。Ciscoのクラウド環境から外に漏らすことはありません。これは、会議のデータを第三者に送信して、そこで書き起こしてから再度送り返すという仕組みを採用している他のベンダーとは大きく異なります。第三者とのやり取りがある限り、そこにセキュリティ上のリスクが伴います。すべてのCisco製品と同様に、お客様のデータを最高レベルで保全するために、Cisco Cloudセキュリティデータのガバナンス、コンプライアンス、および電子情報開示のガイドラインに厳密に準拠しています。
Webex Meetingsに音声アシスタントを追加する方法
本日時点で、すでに録画に対する文字起こし機能(英語のみ)はリリースされています。Webex Assistant for Webex Meetings のフル機能については、2020年3月頃にトライアルの開始を予定しています。
本記事の内容は2020年1月29日時点の情報となります。機能の実装状況につきましては、What’s New よりご確認ください。
10 コメント
Webex Assistantの日本語の[[文字起こし]機能については、実装の予定や時期をお教えください。 おおよそでOKですので。
現在のところ、2021年中をめどに提供予定となっております。
恐れ入りますが、日本語の文字起こしや議事録生成、日本語からの他言語への翻訳は、有償オプションとして提供される予定です。
日本語対応のご検討状況はいかがでしょうか。2021年7月頃に導入されますでしょうか。
先日開催された WebexOne にて、英語の音声を他言語(日本語も含む)にリアルタイム翻訳する機能が2020年2月~3月頃にリリース予定であると発表されました。
一方で、Webex Assistantが日本語を理解して文字起こしや議事録をとるという機能については、2020年末時点で実装の予定や時期などは公開されておりません。
英語版だけでなく、議事録を大事にする日本ではニーズが高いと思われます。ぜひ、日本語対応のご検討をお願い致します。
貴重なご意見誠にありがとうございます。
日本のお客様の議事録自動化に対する需要は非常に高く、その点も踏まえて弊社開発部門に強くリクエストしております。
英語版の文字お越しが対応されているのは、バージョンいくつからか確認させていただけますか?
バージョンについては、40.4 から対応することとなりました。
https://help.webex.com/ja-jp/ygksov/Cisco-Webex-Assistant-for-Webex-Meetings
また、恐れ入りますが Webex Assistant for Meetings は有償オプションライセンスとして提供される予定となっており、2020年6月8日現在はまだ販売を開始しておりません。
日本語の対応はされますでしょうか?
またその場合、予定時期を教えてください。
順次英語以外の言語に対応してまいりますが、現時点で日本語対応の時期は決まっておりません。
多くのお客様からリクエストをいただいており、弊社開発部門にもフィードバックをしております。