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2019 年のマルウェアを振り返る


2019年12月24日


ランサムウェア攻撃から DNS ハイジャックまで、2019 年のマルウェアも例年どおり活発でした。

今年は、最近のケースではひときわ注目を集めた DNS 攻撃「Sea Turtle」が確認されるなど、突出したマルウェアが多数登場しました。別の注目ニュースは、発見当初に大きく騒がれた RDP の脆弱性「BlueKeep」です。ただし大規模なエクスプロイトはまだ起きていないため、研究者たちは目を光らせています。

多忙な一年を振り返るため、今年に Talos がお伝えした注目すべきマルウェアやセキュリティニュースなどを一覧にまとめました。一覧では関連記事へのリンクも貼られています。

 

 

    2 月

    3 月

  •  POS 端末を狙ったマルウェア「GlitchPOS」を Talos が発見。このマルウェアはオンラインで販売され、誰でもクレジットカード スキミング ボットネットを設定できるほど簡単に利用できる状態でした。

    4 月

  • さまざまな不正行為に及ぶ Facebook グループのリストを Talos が公開。これらのグループはシンプルな名前のもと、クレジットカードデータやマルウェアサービスの販売などに使われていました。
  • 「Sea Turtle」として知られる DNS ハイジャック攻撃が拡大。正当な DNS アドレスをスプーフィングすることで、中東および北アフリカを中心に公的機関と民間組織を標的にしていました。標的の中には国家の情報機関も含まれています。
  • 別の DNS ハイジャック攻撃「Karkoff」が検出。「DNSpionage」の攻撃者による新たなマルウェアで、検出を逃れて感染率を高めるため強化されています。

    5 月

  • バンキング型トロイの木馬「Qakbot」、検出を回避して永続性を維持するための新種が登場。
  •  Talos が「BlackWater」を発見。これはトロイの木馬で、MuddyWater APT に関連性があると考えられています。
  • 「ワーマブル」な脆弱性「BlueKeep」が Microsoft 社の製品で発見。これはリモート デスクトップ プロトコル(RDP)に起因するバグで、WannaCry と同様の攻撃につながる可能性が指摘されています。Talos では、「BlueKeep」から保護するための新しい Snort ルールをリリースしたほか、 Cisco Firepowerにより保護する方法についても概説しています。

    6 月

    7 月

    9 月

  •  夏季は沈静化していた Emotet returns、IOC の異なる新種が登場。ただし従来の Snort ルールが有効です。
  • Tortoiseshell APT、米国の退役軍人をマルウェアのダウンローダに感染させる偽の採用支援サイトを作成。
  • 攻撃者による ODT(OpenDocument テキスト)ファイルの使用が加速。攻撃で ODT ファイルを使うことで、従来の検出方法を回避できる可能性があります。

    10 月

  • 「checkra1n」と呼ばれる、iOS では珍しい脱獄(ジェイルブレイク)が発見。これに乗じてユーザを騙し、偽の脱獄ツール(マルウェアの感染源)をインストールさせる手口が確認されました。
  • 法的・倫理的にグレーな複数のスパイウェアを Talos が発見。ただしこれらのスパイウェアは攻撃者によって不正利用されています。

    11 月

 

本稿は 2019年12月18日に Talos Grouppopup_icon のブログに投稿された「2019: The year in malwarepopup_icon」の抄訳です。

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