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東日本大震災より 5 年、昨夏の「子供x防災x遠隔交流授業」を振り返る


2016年3月11日


今日は東日本大震災からちょうど 5 年。地震災害大国とも言われる我が国では、東日本大震災のみならず、1996 年の阪神・淡路大震災や、その他の地域での震災を数多く経験してきました。今後も南海トラフ周辺での大規模震災も予測されるなか、日頃から個人がどのように防災対策を考えるか、また企業や組織においては BCP(事業継続計画)をどう策定し、改善していくか、といったことがますます重要になってきています。

5 年が経過した今、復興が進んだ場所、いまだ課題に直面している地域、さまざまであると認識していますが、大事なことはあの経験を風化させず、今後の防災に役立てていくことだと考えます。

昨年夏(2015 年 7 月 9 日)、文部科学省が主体となり「子供x防災x遠隔交流授業」という ICT を活用した防災・遠隔教育の新たな取り組みが実施され、シスコも技術面で支援させていただきました。当日収録された授業の様子や、学校関係者、文部科学省関係者の方々のインタビューをまとめたビデオをご紹介します。非常に興味深い取り組みですので、是非ともご覧ください。

この遠隔交流授業は、松本 洋平 内閣府大臣政務官、小泉 進次郎 復興大臣政務官、および赤池 誠章 文部科学大臣政務官(それぞれ当時)の発案によるものです。宮城県気仙沼の中学生が、東日本大震災での経験や、そこで得られた教訓を、南海トラフ地震が想定される地域である高知県高知市の中学生にビデオ会議システムを介して直接伝えるという目的で実施され、当日は気仙沼市立階上(はしかみ)中学校、高知市立城西(じょうせい)中学校、シスコ東京オフィスの 3 拠点を接続し、リアルタイムでお互いの学校が準備したプレゼンテーションを行い質問する、という内容で進められました。

階上中学校から城西中学校hへエールが送られる

階上中学校から城西中学校へエールが送られる

階上中学校のプレゼンテーションでは、実際の津波の映像が共有され、当時まだ小学生だった生徒たちの被災経験が伝えられました。一方で、城西中学校は坂本 龍馬の生誕地に ほど近い土地柄もあり、龍馬の「船中八策」をモデルに学校で策定した「地震八策」などを発表。それぞれのプレゼンテーションに対して熱心な質問がテレビ越しに飛び交い、大変臨場感溢れる遠隔交流授業となりました。

授業の最後には階上中学校から城西中学校にエールを送るシーンもあり、胸が熱くなりました。また、この授業から約一ヶ月後には城西中学校の生徒代表数名が実際に気仙沼を訪問し、実際に階上中学校の生徒と顔を合わせ、被災地見学をするなどの交流があったそうです。

階上中学校の校庭に並ぶ仮設住宅

階上中学校の校庭に並ぶ仮設住宅

地域を越えて、次世代の中心となっていく子供たちに経験や教訓を伝えたり、共有しあう取り組みは本当に素晴らしいと改めて実感します。シスコは今後もこうした活動に、システムやノウハウといった面からお手伝いすることができれば、と考えています。

階上中学校の校庭には 5 年が経過した今もなお仮設住宅が並び、気仙沼市教育委員会の建物の周りにはまだ更地が多く、この建物も今後嵩上げの工事が入る、との張り紙がありました。

被災されたみなさまに改めてお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

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