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Cisco Multiparty ライセンス: 新しい多地点接続の考え方


2016年1月21日


いつでもどこでもどんなデバイスでも「会議」に参加するため、 ビデオ会議の多地点接続装置に柔軟性を与える新しいライセンス 「Cisco Multiparty ライセンス」を紹介します。

ビデオ会議接続装置のライセンスとは

従来のビデオ会議を多地点で接続する場合、同時接続を提供する専用のハードウェアと同時接続台数分のライセンスを購入する必要があります。例えば、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡に会議室があり、各拠点をつないだ定例会議を行いたいといった場合、多地点接続装置(MCU)と呼ばれる装置が必要になり、そこに 5 台分の接続ライセンスを購入して設定することになります。

この定例会議に、仙台、横浜、神戸などと拠点が増えていく場合はどうしたらよいでしょうか?同時接続数が増えるので、さらに 3 台分の接続ライセンスが追加で必要となります。

会議室だけではありません。 Cisco Jabber のようなデスクトップあるいはモバイルのビデオアプリからの参加者は、一人で 1 つのライセンスを消費することになります。そのため、「どこでもどんなデバイスでも会議に参加」を実現するためには、最終的には購入費用との相談ということになってしまいます。

Cisco Multiparty ライセンス

シスコは、もっとビデオ会議を便利に身近に使ってもらうために、新しいライセンスの考え方「Cisco Multiparty ライセンス」を導入しました。それは、同時接続数ではなく、同時会議開催数に対するライセンスへの移行です。

先ほどの 5 拠点の会議室を定例会議のためビデオ会議で接続する例では、1つの「Cisco Multiparty ライセンス」だけで要件を満たすことができます。また、拠点数が増えても、モバイル端末からの参加が増えても、高画質になっても、会議室あたりに必要となるライセンスは 1 つです。接続台数は制限がありません。

MultiParty

同じ時間帯に別の会議が開催されるとき場合には、もう 1 つの「Cisco Multiparty ライセンス」が必要になります。

Cisco Multiparty ライセンスの種類

Cisco Multiparty ライセンスは、会議主催者の特性によって Shared Multiparty と Personal Multiparty の選択肢があります。

Personal Multiparty(PMP)ライセンス

PMP ライセンスは、呼制御装置である Cisco Unified Communications Manager  への接続ライセンス CUWL(Cisco Unified Workspace LicensingPro に含まれているライセンスです。CUWL Pro とは、Cisco Jabber や Cisco DX シリーズなどを利用する際に必要となる端末接続ライセンスのひとつで、このなかに多地点接続装置の利用権利が含まれています。CUWL Pro は端末ごとに必要なライセンスですから、このライセンスを取得している端末であれば、参加者人数の制限なくビデオ会議を主催できるということになります。

Shared Multiparty(SMP)ライセンス

SMP ライセンスは、利用者が不特定多数の会議室に適したエンドポイント向けのライセンスです。Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)環境では常に SMP が必要ですし、Cisco Unified Communications Manager 環境で CUWL Pro 以外のライセンス(UCL [Cisco User Connect Licensing] など)を使用している Cisco Jabber や DX シリーズでの多地点接続にもこのライセンスを使うことができます。

このライセンスは単独購入のほか、Cisco TelePresence SX / MX / IX シリーズとの同時購入が可能です。同時購入の場合は、Cisco Unified Communications Manager への接続ライセンスである TelePresence Room ライセンスが付属します。単独購入の場合、ライセンス管理に必要な Cisco TelePresence Conductor とスケジュール会議に必要な Cisco TelePresence Management Suite のライセンスが付属する「Starter Pack」を選択することもできます。

 

Cisco Multiparty ライセンスを構成するインフラ

Cisco Multiparty ライセンスを利用する論理サーバとしては、

の 3 つが必要になります。

ライセンスの考え方が変わっても、メディアを終端する Cisco TelePresence Server のリソースとしてのサイジングの考え方は変わりません。同時接続数に合わせて筐体を選択をしてください。

TelePresenceServer

Cisco TelePresence Conductor はライセンスを集中管理し、 メディアのリソースとなる Cisco TelePresence Server を効率良く利用するように制御します。1 会議あたりの参加数が多くなり、Cisco TelePresence Server リソースの追加や交換が必要になった場合にも、Cisco Multiparty ライセンスはそのまま引き継がれ、追加購入や再発行の必要はありません。

Conductor

呼制御サーバのプラットフォームは Cisco Unified CM 配下のユーザ数により 1,000 名以下なら Business Edition 6000、1,000名以上ならBusiness Edition 7000 を選択してください。

ここまでの流れをまとめたのが下記の図です。

Infra

まとめ

シスコはオンプレミスの多地点装置に新しいライセンスモデルを簡単にすることで、会議あたりの同時接続数を意識するビデオ会議特有の煩わしさを撤廃しました。さらにクラウドで多地点接続装置を提供する Cisco CMR Cloud の選択肢を提供するなど、通常の会議室での会議するのと同じ感覚でリモート参加が可能な「会議」が実施できるよう、シスコはこの分野に注力しています。

 

なお、今回のブログは Partner Solution Update (PSU) Week 2015 November の11月26日セッション [Col-1] 競合他社を圧倒する新しい多地点接続ライセンスの仕組みを参考にし、資料を流用させていただきました。同セッションのスピーカーの山銅さんに感謝します。

参考リンク

 

 

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