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Cisco Collaboration Meeting Rooms(1) :遠隔地に散らばるメンバーを 1 つの“会議室”に招集


2014年7月17日


各種コラボレーション ツールの進化によってさまざまな場所で個人が働き活躍できる環境が整ってきました。しかしその一方で、どこでも仕事できるということは、従業員が 1 つの部屋に集まって議論する機会が減るという懸念にもつながっています。今回から数回にわたって、全員が同じ会議室にいるかのように議論できる環境「Cisco Collaboration Meeting Rooms」(Cisco CMR ; コラボレーション会議室)を解説します。

リモートで働くことの課題

高速通信の普及、リモートで働くことを可能にするアプリケーションやシステムなど、テレワークや在宅勤務のための環境が整ってきたことを感じる機会が増えています。また、このような環境を用意することは、働き方の柔軟性を提供することになるほか、災害時に業務を止めないためにも、企業にとって必要なものになってきています。

会議室での議論

会議室での議論は大事です

ただし、現状のリモート ワーカーには課題もあります。それは、複数人が集まるような「会議」「打ち合わせ」をどのように実施するか、ということです。時間を決めて集まるような会議であれば手段はありますが、事前の約束もなくちょっと人が集まってする立ち話やタバコ部屋(正式名称喫煙室?)での会話には加わることができません。

例えば、シスコ東京オフィスには、コラボレーション エリアと呼ばれる予約不要のオープンな会議エリアがあり、会議室で行われる以上の熱い議論が繰り広げられ、議論に勝手に飛び入りする参加者もいます。

このように、アイディアを否定することなく積極的に出しあう「ブレインストーミング」の技法や組織の壁を越えて積極的に交流する「ワイガヤ」の体験を、リモートで働く従業員にも提供するための方法はないものでしょうか?

チャットによるアドホック会議

このような課題を解決する方法の 1 つに「チャット」があります。テキストによるチャットは、リモート参加者に失われがちなコミュニケーションを補完します。複数の個人を簡単に、気軽に呼び出して議論に参加してもらうことができます。

Jabber グループチャット

Jabber は文字で多人数の議論ができます

シスコの「ユニファイド コミュニケーション全部入りアプリ」である Cisco Jabber  には、アドホックで多人数を呼び出すことができるグループチャットと、いつでも部署やプロジェクト メンバーが参加して議論できるチャットルームであるパーマネント チャット(常設チャット)の 2 種類の多人数参加チャット機能があります。

最近、グループ チャットを活用した経験をしましたので、ご紹介します。

シスコでは、パートナー様向けに実機を使ったトレーニングを実施することがあります。私はコラボレーション製品の機材環境を構築する担当で、構築は無事に終了し、講師の担当者が順調にトレーニングを進めていました。ところが、ある日の朝、トラブルが発生しました。私は出勤途中でまだ電車に乗っていたのですが、トレーニング講師から Jabber にグループ チャットの呼び出しがありました。私はそれを iPhone で受け取りました。内容は、「システムの一部が動作せず、修復する必要がある」というものでした。

その場(=グループ チャット)に参加したのは、オフィスにいて実機を操作できる SE とトレーニング講師、そして電車に乗っているため声が出せず、実機にアクセスもできない私の 3 名です。チャットで確認と指示をしながらトラブルシューティングをし、無事、トレーニング参加者には影響なく解決することができました。一人や二人では見えない事象も、三人以上集まれば文殊の知恵。議論をしながら解決できます。

ただ、Cisco Jabber の画面だけでは現場の状況が把握できないことも事実です。新しい文字列が Cisco Jabber に表示されるのをイライラしながら待っていましたが、トレーニング講師や作業者の焦りはそれ以上だったでしょう。顔が見えないために、「本当の緊急度」は推測でしかわかりませんでした。

顔を見て話ができるビデオ コミュニケーション

表情が読み取れ、より円滑なコミュニケーションがとるには高品質なビデオがあると便利です。さらに複数拠点を接続する多地点接続装置を使えば、会議室感覚の議論ができます。実際、Cisco WebEx や Cisco TelePresence などの会議ソリューションを利用して、東京と大阪などの国内拠点や、ニューヨーク、ロンドンなどの海外とビデオ会議する機会や環境は増えてきています。ビデオ映像の高品質化やシスコのイマーシブ テレプレゼンスと呼ばれる 1 つの会議室にいるような体感を得られるソリューションは、まさに遠くはなれた拠点をひとつの会議室にし、役員会議や初対面の方との会議で活躍しています。

ただし、これも招集者により事前にスケジュールされている必要があります。多地点による会議は簡単にスケジュールできませんし、気楽に話をするためには使われていません。ビデオ会議端末がない人はそもそも議論に参加ができません。こういった課題を解決するのが  Cisco Collaboration Meeting Rooms です。

Cisco Collaboration Meeting Rooms とは?

Cisco Collaboration Meeting Rooms  (Cisco CMR)  は簡単でシームレスな会議を提供します。Cisco CMR は実績のある Cisco WebEx クラウドや Cisco TelePresence ビデオを基盤としています。今まであった複数拠点での会議の「やり方」を改善した、ともいえます。

会議の始め方には、事前にスケジュールした会議とアドホックに始める会議の 2 種類があります。Outlook や Web からご自身でスケジュールの予約をすることもできますし、都合に応じて集まってもらうこともできます。

会議に参加できるエンドポイントは、専用ビデオ端末である Cisco TelePresence エンドポイントはもちろんのこと、 Windows や Mac といったデスクトップ、iPhone や iPad、Android など各種モバイル端末に対応したCisco Jabber、さらには Microsoft Lync を含む他社製のクライアントからも参加可能です。

 

Cisco CMR の特徴

Cisco CMR の特徴

3 種類の Cisco CMR

Cisco CMR は、グループで議論するための「場」を用意するソリューションの集まりです。パーベイシブ会議と呼ばれるもので、展開モデルに応じて、「Cisco CMR Hybrid」、「Cisco CMR Premises」、「Cisco CMR Cloud」と呼ばれる 3 種類の Cisco CMR があります。このうち Cisco CMR Hybrid と Cisco MCR Premises はすでに提供されています。

Cisco CMR Hybrid

シスコが提供する実績ある Web 会議システム Cisco WebEx Cisco MCUCisco TelePresence Server といったオンプレミスで展開する多地点接続装置を利用します。どのビデオ会議端末からでも、同じ予約方法で、同じ会議室に参加できます。 Cisco WebEx Enabled TelePresence とも呼ばれます。

Cisco CMR Premises

利用者がそれぞれ専用の会議室を保有するソリューションです。利用者には個人用の会議室番号が割り当てられ、いつでも同じ番号で会議を招集することができます。

Cisco TelePresence Management Suite (Cisco TMS) Version 14.4 の新機能になります。

Cisco CMR Cloud

7 月 1 日に発表したクラウドで議論する場を提供するモデルです。ビデオ会議システムがクラウド側の設備と連動し、他社製のコラボレーション ツールと簡単に連動します。

Cisco CMR : 3つの展開オプション

Cisco CMR : 3つの展開オプション

まとめ

柔軟で生産性のある働き方をするには、グループワークの方法がキーになります。「会議室」での会議には、事前にスケジュールされたものから、アドホックに集まるもの、議事進行のあるものやないものなど、さまざまなものがあります。Cisco CMR は、このように様々な会議形態を、離れた拠点やリモートワーカーにも提供するソリューションです。

次回は、個別の Cisco CMR の魅力を紹介していきます。

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