シスコの Inclusion & Collaboration の取り組みの1つである Women of Cisco では、3 月 8 日の国連国際女性デー *1 のお祝いと重ねて、女性のこれまでの歩みを称え、今後のさらなる活躍を目指す『Women of Impact』というイベントを毎年 3 月に実施しています。
今年の Women of Impact は 3 月 29 日、東京、名古屋オフィス会場とオンラインで全国にいる社員を Webex でつなぐハイブリッド形式で開催されました。
Inspire Your Career Journey
オープニングでは、マーケティング部門のディレクターの水谷さんの経験談から”個人のキャリア形成は 8 割の偶然から”というスタンフォード大学の研究 *2 についてご紹介いただき、セッションがスタートしました。参加者へ、将来への希望や夢を持たせてくれるメッセージを届けたところで、Women of Cisco のメンバーに司会のマイクを繋ぎます。
名古屋営業部門に所属する坂口さんと育児休暇から復帰後も東京オフィス・カスタマーエクスペリエンスに所属し活躍する村松さんが、それぞれの拠点の会場を盛り上げ、ユーモアと親しみのある雰囲気でイベントを進行しました。
今年の Women of Impact のテーマは Inspire Inclusion
社員同士で刺激を与え合うという企画のもと、キャリアの多様性をテーマに、シスコジャパンの様々な部門で活躍しているメンバーに今の役職に至る経緯や、現在の業務、働き方について伺いました。イベントの後半では、Slido アンケートを使って、全国から参加する社員の意見を募り、質疑応答をするなど活発な双方間コミュニケーションを実現しました。
同職種のマネージャーへとキャリア進める”縦のキャリア”、他担当部門が所属を移りながらスキルや経験を積む”横のキャリア”、さらに活躍の場をシスコ以外の組織にも広げていく”他組織でのキャリア”の『縦・横・他組織』といういう 3 つの軸をテーマにキャリア形成のあり方について語り合います。
縦のキャリア
自分の場合は、マネージャーになるだけでなく、シスコジャパンの人事のリーダーというポジションがセットである不安が大きかったと語ってくれた宮川さん、役職が変化しての学びは、ものごとを見る視点・視野が一段高くなり、個の視点からチーム全体を俯瞰する視点を持つという、この違いは大きいと語ってくれました。また、リーダー=偉い、誰よりも優れている存在であるという考えも、マネージャーを経験して改めて認識ががらりと変わったこと、そして、この認識は他のマネージャーの方々からも聞かれると共有くださいました。
実は現在の役職に就く前に、”自分にはできない!”と一度断ってしまったという裏話も飛び出し、参加者にとっては、驚きがありつつも、マネージャー=“特別で完璧な存在ではない”と思い込みを払拭する機会になりました。
一般に求められる理想像、凝り固まった思考や幻想化されたキャリアという概念で、こうでなくてはならないと決めつけてしまい自分や相手を縛り付けてしまっていませんか?柔軟な思考を持つ大切さも感じます。
横のキャリア
続いて、結婚を機に東京から名古屋に移動された小川さんと担当変更を数度体験した胡田(えびすだ)さんの話題に移ります。
小川さん:夫が愛知県の企業で勤務。自分の異動希望が叶うのか不安でしたが、上司に相談したら、自分の想像以上にマネージャーが働きかけてくれて異動が決定しました。異動後も、今までの経験が、無駄になることは一つもないと実感しました。親身になってくれるマネージャーや同僚が多く、皆さんもキャリアや人生の転機で迷ったらまずは信頼できると思う人に相談して欲しいです。
坂口さん:異動してからの苦労したことや、必要な心構えなどアドバイスはいただけますか?
小川さん:どんな場所でも全力で取り組んだことは無駄にならず将来必ず自身を助けてくれる力になるはずです。
“人生には様々な転機やライフスタイルの変化があり、それに合わせて働き方も変わっていくと思う。”
胡田さん:最初戸惑いもあったが、”私がそこに適任だと任命された”とポジティブに考えるようにしています。入社時から、どんな部署でもどんな役割でも自分がそれを担うと、Cisco のビジョンを意識しています。合わないなら相談したらいいだけで、まずは、そこで自分には何ができるかを意識して頑張ってみることが大切だと思います。そして、部署異動は新しい人と出会える機会なので、何事もチャンスと捉えることだと思います。
若い世代、また他の分野に挑戦しようと悩むメンバーに、自分と周囲を信じよう、と非常に力強いメッセージを届けてくださいました。
さらに、他組織でのキャリア
シスコのメンバーで、外部の組織で働くことに関心を持っていた人、86%!(Women of Impact 2024 参加者アンケートより)
坂口さん:外部の組織である浜松市のフェローに就任 *3 にされた宮川さん、そのきっかけや業務に活きていることを教えてください。
宮川さん:人事であっても、働き方改革について外部の方にお伝えする機会があり、その後も皆様と継続的にご相談を受けて、今に繋がっています。業務だけでなく、”日本の働く在り方を変える”という自分の人生の目的に共鳴していると感じたので、このお話しをお受けしました。
長く同じ場所にいると自分の組織の中の常識に囚われてしまいます。他の組織の働き方など、それぞれの状況、現場を通じて見ておきたい気持ちがあり、視野を広げ相手の置かれている状況を理解するなど、今の業務にも活きていると感じています。
常に変化が起きる現場を見つづけること、気づかないうちに凝り固まった常識や環境にいて、新しい視点や考えを取り入れなくなってしまうことに気付かされるコメントでした。
シスコジャパンで働くこと
セッションの最後には、シスコジャパンで働く従業員のみなも質問をしてみました。
仕事で意識していることや、忘れずに持っているマインドセットは?
結果は、感謝、好奇心、Funなど、周囲の方への思いやり、自分の意識や行動を前向きにさせる様子がみえる言葉が並びました。
過去にご紹介したブログでは、シスコジャパンの働き方として、人生の転機においてもキャリアを継続できる文化と柔軟な制度についても取り上げていました。今回はさらに、ライフスタイルやライフステージの転機に新しいキャリアへの挑戦したり、ワークスタイルを変更させながらも、自分のスキルを磨いていく実例を紹介しました。
長い人生のキャリアパスについて、より前向きに新しい挑戦へ踏み出す勇気、希望を持ち行動して良いという認識が広がり、人生とキャリアを楽しみつつ、働きがいを感じられる社会であることを祈っています。
実は、普段隣の部署で働いている人の辿ってきた経歴、仕事への思いを知らない、普段気にしていないというのが、正直なところではないでしょうか。皆様も周りの方と、お互いの経験を聞き、人生の大きな決断に至った過程やポイントを知って、刺激をもらい、今後の長いキャリアを見据える機会を持ってみませんか?
(*1)3 月 8 日は国連国際女性デーであり、国連加盟国に対して、女性の平等な社会参加機会の環境整備を促す日です。
(*2)「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」という、米国スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が 20 世紀末に提唱したキャリア理論。 Mitchell, K. E., Al Levin, S., & Krumboltz, J. D. (1999). Planned happenstance: Constructing unexpected career opportunities. Journal of counseling & Development, 77(2), 115-124.
(*3) 浜松市サイト お知らせ(2024 年 1 月報道発表資料)2024 年 1 月 31 日 シスコシステムズ(同)執行役員 人事本部長 宮川 愛氏と(株)HEART CATCH代表取締役 西村 真里子氏を浜松市フェローとして委嘱しました(参照日2024-04-30)