Cisco Japan Blog
Share

セキュアなマルチクラウドアクセスの実現が IT リーダーの優先事項に — 2023 年グローバル ネットワーキング トレンド レポート


2023年7月7日


Derek Mitsumoriこの記事は、シスコのマーケティングマネージャーである Derek Mitsumoriによるブログ「IT Leaders Contend with Secure Multicloud Access – The 2023 Global Networking Trends Report」(2023/5/11)の抄訳です。

 

広範囲に分散化されたワークフォースを、大規模に分散化された一連のアプリケーションにセキュアに接続しようとすると、組織には何が起こるでしょうか?その答えは、究極の複雑化です。このことを踏まえ、シスコが毎年発行している最新の『グローバル ネットワーキング トレンド レポート』では、IT リーダーとネットワーキング プロフェッショナルが、分散化が進む従業員を分散化が進むアプリケーションに接続するという課題にどのように対処しているかに焦点を当てています。そして驚くほどのことではありませんが、13 ヵ国の 2,500 名の IT リーダーおよび IT プロフェッショナルを対象に実施した調査で、この課題の解決が 2023 年のネットワーキングの最優先事項であることが証明されました。

このレポートには、調査結果から判明した主なトレンドに加え、「分散化されたワークフォースがどこにあっても、マルチクラウド環境のアプリケーションへのセキュアな接続を常に提供するための最善の方法」という 1 つの最終的な成果に焦点を当てた、6 つの領域における重要なガイダンスが含まれています。また、組織がこれらの重要なガイダンスをどのように実践すべきかについてのシスコのエキスパートによる見解も提供しています。ここでは、私が特に興味深く感じた点をいくつかご紹介します。

複数のクラウドの使用が急増

このレポートは、さらに多くのアプリケーションとワークロードが複数のクラウドプロバイダーに移行していることを明らかにしています。しかしそれよりも大きな事実は、使用しているクラウドプロバイダーの多さです。92% の組織が 2 つ以上のクラウドプロバイダーを使用しており、驚いたことに 34% の組織が 4 つ以上のクラウドプロバイダーでワークロードをホストしています(図 1)。さらに、4 分の 1 の組織は 20 以上の SaaS アプリケーションを使用しています。その理由について尋ねると、多くの回答者は、複数のクラウドサービスへの移行の最大の動機として俊敏性を挙げ、コストやレジリエンスよりも俊敏性の方が重要であると述べています。

図 1. 複数のクラウドと SaaS プロバイダーの利用が標準

図 1. 複数のクラウドと SaaS プロバイダーの利用が標準 出典:『2023 年グローバル ネットワーキング トレンド レポート』

図 1. 複数のクラウドと SaaS プロバイダーの利用が標準

 

運用における一貫性の欠如が障害に

このレポートによると、回答者の 5 人に 2 人は、ユーザーをクラウドリソースにセキュアに接続する上での大きな障害として、ネットワーキング、セキュリティ、およびクラウドの各領域における一貫性の欠如を挙げています。この問題の根底にあるのは、多くの IT 部門で、ネットワークチームとセキュリティチームが未だに個別に計画と運用を行っているという現実です。そのため多くの IT リーダーは、既存のテクノロジーを使用してより良いセキュアなユーザー体験を提供しようとしても、運用上の境界に阻まれてしまいます。

デバイスからクラウドに至るまでのネットワーキングとセキュリティを統合

回答者の約半数は、今後 2 年以内にブランチやリモートユーザーをマルチクラウド アプリケーションに接続する際の主要な選択肢として、セキュア アクセス サービス エッジ(SASE)という形態で完全に統合されたネットワーキングおよびセキュリティアーキテクチャを挙げています。これらの回答者は、SaaS ベースサービスおよび IaaS ベースサービス両方への一貫性あるセキュアなアクセスを提供するために、クラウドベースのソフトウェア定義型 WAN(SD-WAN)接続とクラウドセキュリティを統合するという広範な計画を立てています。

複数のクラウドへの接続の簡素化

クラウド数の増加に伴って、クラウド全体に一貫性ある効率的な接続性管理とセキュアなアクセスを提供できることがますます重要になっています。53% の回答者が、あらゆる場所からのクラウドベース アプリケーションへの接続性を向上させるために、クラウドサービス、SaaS、ミドルマイルの各プロバイダーと SD-WAN との統合を優先すると述べています。その理由は、一貫性あるポリシーを適用し、接続を自動化し、よりセキュアなアプリケーション体験を提供するためです。

図 2. IaaS、SaaS、ミドルマイルの各プロバイダーと SD-WAN との統合は、IT 担当者およびユーザーの体験向上に不可欠 出典:『2023 年グローバル ネットワーキング トレンド レポート』

図 2. IaaS、SaaS、ミドルマイルの各プロバイダーと SD-WAN との統合は、IT 担当者およびユーザーの体験向上に不可欠 出典:『2023 年グローバル ネットワーキング トレンド レポート』

見えないモノは管理できない

エンドユーザー体験の最終的な責任を負う IT 部門は、望ましいサービスレベルの実現を迫られています。トランザクションの大半は従来の企業境界の外部で開始または終了されているため、IT 部門はネットワークパス全体を可視化することができません。デジタルサプライチェーンは複雑化が進み、通常は IT チームが把握できない多くのプロバイダーとホップで構成されています。インターネットが新しいコアネットワークになりつつある今、当然 IT チームには手助けが必要です。この可視性向上に対するニーズを背景に、IT プロフェッショナルの 51% は、エンドツーエンドのネットワークテレメトリおよび可視性を導入して、問題をプロアクティブに検出して修正することを優先事項に挙げています。

ネットワークに関する組織の方向性を導き、影響を与え、実現することは容易ではありません。今年のこのレポートを読み、他の企業がどのようにして分散化が進む従業員を分散化が進むアプリケーションやデータに接続させて保護しているのかをご確認ください。

どのような SASE 戦略を立てていますか?そのプロセスはどのように見えるでしょうか?
詳しくは、『2023 年グローバル ネットワーキング トレンド レポート』をご確認ください。

 

Tags:
コメントを書く