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Cisco C9136 アクセスポイントが業界で初めて Wi-Fi 6 Release 2 認証を取得


2022年4月12日


この記事は、Wireless Product Management の Leader である Yogesh Paliwal によるブログ「Cisco C9136 First Access Point with Wi-Fi 6 Release 2 Certificationpopup_icon」(2022/4/4)の抄訳です。

共著者:Anuj Dharap(ソフトウェアエンジニア)

Wi-Fi 6 Release 1 では、DL/UL OFDMA、DL HE MU-MIMO、1024-QAM、HE TX ビームフォーミング、TWT(Target Wake Time)といった数々のテクノロジーがもたらされました。その結果、既存の 2.4/5 GHz ネットワークのスループットが上がったほか、さらなる低遅延化、信頼性とスペクトル効率の向上が実現しています。

Wi-Fi 6Epopup_icon により、Wi-Fi は新しい時代を迎えました。Wi-Fi 6E ではクリーンな 6 GHz 帯で Wi-Fi 6 を使用できるようになっています。レガシーデバイスや従来の制約にとらわれない 1200 MHz のスペクトルが利用可能だということです。この新しいスペクトルにより、6 GHz 帯で最大 14 の 80 MHz チャネル、あるいは最大 7 の 160 MHz チャネルが高帯域幅アプリケーション向けに提供されます。

1200 MHz は新しいスペクトルです。つまり、通信時間を確保するために従来のデバイスとの間で帯域幅の奪い合いが起きることはなく、非常に高密度で混雑した環境であっても、スペクトル効率とネットワークの信頼性が向上します。それだけではありません。6 GHz 帯では最も安全な WPA3 セキュリティの使用が義務付けられているため、この帯域で動作するデバイス自体のパフォーマンスと信頼性が向上するだけでなく、より安全でセキュリティの高い、信頼できるネットワークが実現します。

Wi-Fi 6 の 6 GHz 帯への拡張は、過去 15 年間で最も重要なアップグレードであり、今後 3 年間で最大 4 兆 6,000 億ドルの経済成長をもたらすと期待されています(Wi-Fi Alliancepopup_icon の予想)。

2022 年に入ってすぐ Wi-Fi Alliance が Wi-Fi 6 Release 2popup_icon を発表しました。数多くの新機能が追加されており、最適化が図られていますが、その目的は今日のワイヤレス環境で高まり続ける要求に応えることです。

シスコは、Wi-Fi Alliance や他のエコシステムプレーヤーと協力して、6 GHz 帯の Wi-Fi 体験の最適化に取り組んでいます。

Cisco Catalyst 9136 は、エンタープライズクラスでは業界で初めて Wi-Fi6 Release 2 認証を取得popup_iconした(現在のところ唯一の)アクセスポイントです。

図 1:Cisco Catalyst 9136

図 1:Cisco Catalyst 9136

Release 2 の注目すべき機能

 

  • UL マルチユーザー MIMO:アップロード速度が 90% 向上。ハイブリッドワークpopup_icon エクスペリエンス(WebEx ビデオ、ホワイトボード)などの高帯域幅アプリケーションを、利用体験やパフォーマンスに影響を与えることなく拡張できます。
  • UL Extended Range (UL 通信距離延長):アクセスポイントからこれまで以上に離れた場所でも、クライアントデバイスの接続を維持することが可能に。つまり、モバイルデバイスからの Web 通話が途切れたり、接続が失われたりすることが少なくなります。
  • マルチ BSSID 制御フレーム:制御フレームの数を最適化し、データの送受信のための通信時間を確保。これによってエンドユーザーのネットワークパフォーマンスと品質が向上します。複数の BSSID が常に存在する混雑した高密度のエンタープライズ環境において特に効果を発揮します。
  • TWT 情報フレームとスリープ時間の延長:この機能の利点を IoT デバイスに拡張。既存の TWT スケジュールをステーション(端末)が一時停止または再開できるようにすることで、端末の待ち受け時間をより柔軟に更新し最適化できるようにしています。つまり、省電力モードの場合でも、必要に応じてすぐにクライアントデバイスのパフォーマンスを向上させることができ、貴重なバッテリ寿命を節約しながらシームレスなエクスペリエンスを確保できます。
  • UL マルチユーザー制御/データ無効化:「データ無効化」専用モードの導入により、UL OFDMA 確認応答とサウンディング フィードバックを使用してデバイスが UL MU 伝送に参加し続けることが可能に。これによって DL スループットが向上し、DL フレーム確認応答によるネットワークのオーバーヘッドが軽減されます。

 

6 GHz のクリーンなスペクトルと、最新規格 Wi-Fi 6 Release 2 で発表された基本機能を組み合わせれば、Wi-Fi エコシステムは Wi-Fi で「メタバース」のユースケースを実現することができます。シスコに続き、他のエコシステムプレーヤーの間でも Wi-Fi 6E Release 2 の採用が進むことを期待しています。

 

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