Cisco Private 5G ~新しい Cisco アクセスネットワーキングのイノベーション~

2022 年 3 月 29 日、シスコは「ハイブリッドワーク、企業の DX を支える最新のネットワークについて」と題した記者説明会を行いました。その説明会の内容のうち、日本でも大きな盛り上がりを見せている「ローカル 5G」のためのソリューション「Cisco Private 5G」についてご紹介します。

Cisco Private 5Gの提供内容

シスコはエンタープライズ向けマルチアクセスを実現するため、2022年 2 月に Cisco Private 5G を発表しました。エンタープライズとサービスプロバイダー市場でリーダーポジションにいるシスコならではのサービスとして、限られたお客様への提供を開始しており、今年の夏頃にすべてのお客様への本格提供を開始します。

Cisco Private 5G は、5G、Wi-Fi、有線を含めたマルチアクセス環境において、技術的な複雑性や管理の煩雑性、高コストなどの課題解決を目的とした、シームレスで一貫性のあるソリューションです。

Cisco Private 5Gの特長

Cisco Private 5G の特長として、シスコは「企業ネットワークとの統合」「As a Service モデルの提供」「実績のあるテクノロジー」の3つを挙げています。

企業ネットワークとの統合

まずは、「企業ネットワークとの統合」について。シスコは Cisco Private 5G を、Wi-Fi6E アクセスポイント」と並ぶアクセステクノロジーの1つとしてポジショニングしています。

シスコは Wi-Fi と 5G は独立したものではなく、共存・補完し合うものだと考えています。Wi-Fi6・6E が最適なユースケースでは Wi-Fi をローカル 5Gが最適なユースケースではCisco Private 5G を提供します。そして、その両方が Cisco Identity Services Engine(ISE)配下で、ID とポリシー管理を一貫して行えます。これによりお客様は多様なアクセス方式を意識することなく、シームレスに管理できます。

As a Serviceモデルの提供

 シスコが Cisco Private 5G をクラウドベースの As a Service モデルで提供する理由は、3 つあります。

1 つめは「シンプルで早い展開、スモールスタートが可能になる」こと。最小限のハードウェアとプラットフォームへのアクセス権を準備して、端末数、基地局数に応じて、必要なライセンスを必要な期間分のみの購入することで、ローカル 5G を使用できます。。初期コストを最小限に抑えて、スケールに応じてライセンスを購入するモデルは、ローカル5G の本格的な普及に向けて必ず必要となるアプローチです。

2 つめは、直感的なオペレーションです。Cisco Private 5G は、クラウドを活用したアーキテクチャですが、シスコがクラウドをマネージしています。ですので、全て自動的に最新の安全で安定したソフトウェアバージョンが適用されます。システム管理者は、非常に洗練されたダッシュボードにアクセスするだけで、直感的に運用することが可能になります。

そして 3 つめは、「高い信頼性」。ローカル 5G においては、多種多様な端末が大量に接続されることが想定され、常に最新のソフトウェアによるセキュリティ担保が求められます。Cisco Private 5G は基地局も含めて Cisco Validated Design(シスコが検証したデザイン)の活用により、高い可用性と信頼性を実現しています。

実績のあるテクノロジー

 シスコはこれまで 4G・5G を明確な戦略のもと、通信事業者の皆様と共に牽引してきた経験と、エンタープライズにおける豊富な実績があります。クラウドネイティブ時代の要件に適応するために、設計を一から見直した 5G コンバージド コアのテクノロジーを採用しています。また、2016 年に買収した Jasper Technologies 社のソリューションを  IoT Control Center として、グローバルで展開しており、多くの実績と高いシェアを誇ります。Cisco Private 5G は、この IoT Control Center のクラウド基盤を活用して、直感的な UI と高いスケーラビリティを提供します。そして Open RAN への対応は、経済化、イノベーションの加速の観点で極めて重要です。サービスプロバイダー市場での実績をエンタープライズソリューションに持ち込むことで、お客様に高い価値を提供します。

Cisco Private 5G統合のダッシュボード

 Cisco Private 5G の統合ダッシュボードは、SIM に関する詳細情報や複数拠点のネットワーク稼働状況、デバイスごとの情報を一元的に管理できるプラットフォームです。ローカル5Gの技術的な複雑性や、管理の煩雑性による負担からお客様を解放する、革新的なソリューションとして、高い評価を受けています。

ダッシュボードでは地図上に複数拠点のネットワークのヘルスチェックが可視化され、スループット、セッション数、データ使用量、SIM のステータスやアクティベート状況についても、非常に簡単に一元管理できます。さらに、各デバイスの診断も可能で、プロビジョニングの状態、IPアドレッシング、ネットワークの接続状況についても把握できます。デバイスの状態については時系列での表示も可能で、異常が発生した時間や場所、どの端末でどんな異常が起きたのかを、すぐに調査できます。

いかがでしょうか。今回ご紹介した Cisco Private 5G は、すでにシスコ六本木オフィスの 5G ショーケースで実装されており、デモをご覧いただくことや、PoC の実施も可能です。

 シスコはハイブリッドワークに向けたネットワークにおいて、エンタープライズ向けマルチアクセスの実現により、さらなる価値をお客様にお届けするべく、Cisco Private 5G をさらに発展させていきたいと考えています。これからのシスコの取り組みに、ぜひご期待ください。

高橋 敦

2006年新卒入社。サービスプロバイダー担当のアカウントマネージャーとして、13年に担当部長、16年に部長、18年に本部長を経て、2021年1月に現職就任。

現職では、情報通信産業向けルーティング、データセンタ、オートメーション、5Gモビリティのプロダクトおよびソリューションを担当。

アジア太平洋地域におけるサービスプロバイダーアーキテクチャ担当のリーダーシップチームの一員。