シスコでカスタマーサクセス活動を日々行っていますが、カスタマーサクセス自体「聞いたことがある」というお客様・パートナー様が増えてきた肌感覚を持っております。一方で、「初めて聞いた」という方もまだまだ多いのが実情ですので、カスタマーサクセスの考え方の根本となる、「カスタマーライフサイクルとは」という点に焦点を当てたいと思います。
カスタマーサクセス用語として、基本となる言葉に「カスタマーライフサイクル」というものがあります。これは、顧客の利用フェーズを分けて利活用の状況を把握するための考え方です。今日はこの「カスタマーライフサイクル」とは何か、シスコではどのようなフェーズで考えているのか、ということをご紹介したいと思います。
カスタマーライフサイクルとは何か
一般的に、カスタマーサクセスでは主にサービスやソフトウェア、プロダクトを導入した時期を起点として、顧客の利用状況をフェーズごとに分類します。フェーズを分ける理由は、顧客のサービス利用進度によってその時必要な適切な情報が異なるため、状態を把握するためにフェーズ分けすることが望ましいためです。
カスタマーサクセスでは導入・利用・拡張をベースとして、更に各社各様でフェーズを分けて活動を行っています。
なぜカスタマーライフサイクルが必要なのか
フェーズを分けて顧客の利用状況を把握して必要な情報を提供する、ぱっと聞くとそこまで目新しく感じられませんが、この活動は大きな変革だと思っています。今までは買い切りモデルだった購買モデルから、継続的な関係性が必要となるリカーリングモデルに変わりつつあるからです。詳細はこちらの記事をご参照ください。
顧客は購入した製品の価値を最大限に享受することができますし、提供するベンダーも顧客のビジネスにおける成功に寄与できることで顧客との関係強化ができます。長く購買経験を積む=カスタマーライフサイクルをしっかり歩むということに繋がり、Win win の関係を構築していくことがより重要となっています。
シスコのカスタマーライフサイクルとは何か
ではシスコではどのようにカスタマーライフサイクルを考えているかというと、以下のような無限ループを使ってカスタマーライフサイクルを表現しています。
「導入準備・導入・利用・定着・活用」をカスタマーサクセスが実行する対象フェーズとして捉えており、それぞれのフェーズに必要な情報を提供しています。この情報はグローバル共通のベストプラクティス(推奨)として体系だったもので、順次状況に応じて情報自体を増やしています。
冒頭に出てきた3つのカテゴリーに当てはめると下記のようになります。
- 導入:「導入準備・導入」 利用開始前
- 利用: 「利用・定着・活用・最適化」利用開始後
- 拡張:「更新・推薦・提唱」
「導入準備・導入」フェーズ
購入いただいたソリューション・ソフトウェア・プロダクトの基本価値や利用方法を学び、構築に必要な情報を学ぶフェーズです。
- 購入目的の確認
- 利用価値の説明
- 利用前の各種設定のガイド
- 基本操作方法のレクチャー
ということを実施して、いかにスムーズに構築・導入できるかという点を大切にしています。
- 導入準備:ソリューション概要、インストール初期設定など「キホンのき」の紹介
- 導入:構築に必要な機能概要の紹介
「利用・定着・活用」フェーズ
導入されて実際に使い始めたものがすぐに100%使いこなせるわけではないので、利用進度に応じた活用方法をご紹介してビジネスにおける価値を一つ一つ出していく支援をしています。
- 利用状況の確認
- 応用的な機能・操作方法のレクチャー
ということを実施して顧客の利活用を促進し、購入目的の価値実現を早め、より高い投資対効果を得る支援を行っています。
- 利用:基礎的な機能概要の紹介
- 定着:運用に必要な機能の紹介
- 活用:最適化・外部連携に必要な機能の紹介
サクセスプログラムとは
「導入準備・導入・利用・定着・活用」の各フェーズにおいて適切な情報をグローバル共通のベストプラクティス(推奨)として体系だてたものをサクセスプログラムと呼んでいます。このサクセスプログラムは二種類あります。
- Ask the Experts(ATXs):1対多のセッション
- Accelerators(ACCs):1対1のプライベートセッション
この二つのプログラムを軸に日々のカスタマーサクセス活動を行っています。
Ask the Expeters(ATXs)とは
ウェビナー/セミナーを通してフェーズごとに必要な技術トレーニングを行っています。具体的には、ソリューションのメリット、設計計画の考え方、初期構築方法、各機能詳細、などをデモ交えて配信しています。参加方法は2種類あり、スケジュールされたセッションに参加するかアーカイブを見ることができます。
Accelerators とは
カスタマーサクセスエンジニアが直接必要な情報が何かをヒアリングしてナレッジトランスファーを行います。実際の環境・画面を見ながらのセッションも可能なのでより具体的な支援が可能です。
それぞれの詳しい内容は今後ブログへ掲載予定ですのでご期待ください。
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