2021年1月よりシスコシステムズ合同会社にて情報通信事業の統括を務めさせていただくことになりました濱田です。こちらでは 4月 16日に開催された Interop Tokyo 2021 で「シスコによる 5G 活用への提言と取り組み」をテーマに行った基調講演の内容をご紹介します。
日本ではすでに 5G の商用サービスが開始され、携帯事業者各社の新プランも発表されています。もはやインターネットは私たちの働く、遊ぶ、学ぶなど生活における必要不可欠な社会基盤であり、さらに今回のコロナ禍によりその重要性は高まる一方です。
しかし世界に目を向けると、まだ 30億人以上の人々がつながらないまま。情報格差やデジタルデバイドなどの目に見えない不都合は、解消しなければならない課題です。そんな中、現在のインターネットは提供事業者の経済合理性の観点で、課題を抱えています。
このインターネットのエコノミクスを再定義しなければ、次の 10億人をつなぐことができません。この再定義を可能にするためにシスコが考える 5G 時代のネットワークアーキテクチャについてお話したいと思います。
インターネットのエコノミクスを再定義には、3つのポイントがあります。それは、「収益性の確保」、「コストの削減」、そして「リスクの軽減」です。
①収益性の確保
②コスト削減
シスコはイノベーション、アーキテクチャ変革により大幅なコスト削減、TCO の最適化を進めることが可能であると考え、シリコン、オプティクス、ソフトウェア、システムの 4つの領域で技術革新に投資を行い、それらを総称して「Converged SDN トランスポートアーキテクチャ」として推進しています。
2020年10月にはポートフォリオを7つに拡大。2021年末にはポートフォリオが10種類にまで拡大する予定です。特に 25.6Tbps をサポートする G100は、マーケットにさらなる大きなインパクトを与えると考えています。
電力コストは 100G 1ポートあたり年間の家庭の冷暖房費からコーヒー 2杯分へ。輸送コストは 900キロ・10パレットから 15キロのダンボール箱一つへ。これは単なる電力、輸送コスト削減だけではなく、環境問題、低炭素型社会モデルへの対応についても Silicon One の技術革新が貢献することを意味しています。
③リスクの低減
シスコ製品にはセキュアブートや Trust Anchor Module など、ハードウェアの偽造やバックドアを抑止するシステムが、幾重にも組み込まれています。
またソフトウェア開発においては、必ず準拠すべきプロセス「Cisco Secure Development Lifecycle」があります。CSDL には各開発段階において何をすべきか、どういった観点でアセスメントをすべきか、どのようなツールを使って診断をすべきかが規定されています。
このように、重要インフラに使用される製品のハードウェアから、ソフトウェアまで、さらに信頼性の見える化とレポートまで、信頼性の高いシステム供給に向けて、シスコはアクションを取り続けています。
すでに、製造業や医療の分野で 5G のユースケースが創出されておりますが、5G のポテンシャルを考えれば、その活用分野はますます広がると考えられます。
ただし、いままでにないユースケースを実現するには、多くのイノベーションと最適化が必要です。パートナー様、メーカー様とみんなで社会を変えていきたい、そんな5Gの未来を実現するためシスコは 2020年11月、東京オフィスに「5G ショーケース」を設立しました。シスコはこの5Gショーケースにより収益性の確保、コストの削減、リスクの軽減を実現する最適なアーキテクチャを提言し、日本のデジタル化に貢献していきたいと考えています。
「5G ショーケース」の詳細はこちらの記事をご確認ください。
今回は、5G 活用へのシスコの提言と取り組みについてお話しさせていただきました。5G 活用によるデジタル変革はひとつの企業で達成できるものではありません。私たちシスコは皆さまと一緒に、新しい時代を創り上げて参りたいと思います。
Interop Tokyo 2021 でシスコが提供した 5G 関連の講演は、下記のページでご覧いただけます。
https://www.cisco.com/c/m/ja_jp/5g-showcase/interop-tokyo02021.html
シスコが考える 5G 時代のエンドツーエンドアーキテクチャについては、ホワイトペーパーをご参照ください。
https://www.cisco.com/c/dam/global/ja_jp/products/catalog/pdf/cisco-5g-white-paper.pdf