シスコのオブサーバビリティ(アプリケーション可観測性)ソリューション,AppDynamics では,アプリケーション性能監視上発生したイベント,インシデントを E メール,HTTP リクエスト(Webhook)等により,様々な 3rd パーティ・ツールに通知することが可能ですが,それだけでなく,代表的な統合型 IT 運用マネジメントツール,ServiceNow とはイベントだけでなく,アプリケーション・トポロジー,ビジネス・トランザクション等より密接なデータ連携を行うことが可能です。
本投稿では,AppDynamics と ServiceNow との連携の概要について解説いたします。
AppDynamics と ServiceNow の連携に関する,公式ドキュメントはこちらになり,データ連携の設定作業の全体の流れは以下のようになります。
AppDynamics Integration with ServiceNow から,データ同期ユーティリティ をダウンロードします。本投稿執筆時点での最新版は 20.7 ですが,こちらは ServiceNow Orlando リリース 以降に対応しています。
データ同期ユーティリティを Java 1.8+ が実行可能なホスト(Linux, Windows, macOS)上で実行します。
cd appdynamics-cmdb-service
nohup java -Xms512m -jar appdynamics-cmdb-service.jar &
Web ブラウザで http://(データ同期ユーティリティ実行ホスト):8080/ にアクセス,公式ドキュメントに記載されている,ユーザ名とパスワードでログイン,以下の設定を行います。なお,4. は AppDynamics コントローラ上の作業です。
これまでの設定により,ServiceNow 上で以下のようなアプリケーションデータの表示が可能になりました。
ServiceNow インスタンス UI の左上,Filter navigator にて,AppDynamics を入力しますと,下図のように AppDynamics カスタムテーブルにアクセスできます。
ここでは,アプリケーション・トポロジーも確認できますが,リスト形式では依存関係がわかりづらいので,右上の Show dependency views ボタンをクリックしますと,下図のように,各アプリケーションコンポーネント(アプリケーションサーバ,データベース,リモートサービス,ビジネス・トランザクション等)の依存関係が表示できます。
Filter navigator にて,All Events を入力しますと,Event Management – All Events テーブルを確認できます。ここで,CI type が x_apd_appdynamics_ で始まっているものが,データ同期ユーティリティにより,AppDynamics から ServiceNow に同期されたイベントとなります。
上図の例では,Portal-Service Node におけるビジネスト・ランザクションでエラーが発生したというイベントが表示されています。
本投稿では,アプリケーション性能監視ソリューション,AppDynamics と 統合型 IT 運用マネジメントツール,ServiceNow とのデータ連携の基本的な利用法について解説いたしました。この手法により,すでに ServiceNow を導入されている組織において,アプリケーションの運用に関するデータをより一元的に管理する助けになるかと存じます。