梅雨が終わると、東京は蒸し暑くなりますね。北海道では梅雨はありませんでしたが、私が直近でいた根室ではこの時期「ジリ」と呼ばれる気象現象が起こることがあります。「ジリ」は霧をより強くした感じの天気で、電線から水滴が落ちるほどの湿度があり、普通に歩いていると服がびしょ濡れになってしまうほどでした。今となってはその地域にいないと体験できない貴重な経験ができて良かったと思っています。また、この時期の根室地域は花咲ガニ(写真左)やホッカイシマエビ(写真右)といったその地域でしか食べられない味覚も揃っているので、ぜひ行ってみていただきたいと思います。
さて、シスコに来てから早いもので3か月が過ぎました。働き方改革について広く学ぶという命題の下、日々色々な体験を通じて勉強させていただいています。今回はその体験の1つとしてリモートワーク(在宅勤務)体験をご紹介します。
北海道庁のリモートワーク(在宅勤務)は育児休業をしている方の職場復帰プログラムの一環として最近ようやく認められるようになったもので、まだ限られた職員にしか認められていません。資格のない私にとっては今回が「初」の在宅勤務となりました。おそらく自治体の多くは北海道庁と同じようにまだ一部の職員にしか在宅勤務を認めていないのではないでしょうか。
シスコでは、会社と同等の生産性を維持することを前提として、ほぼ全社員がリモートワークの実施を認められています。実施に当たり使用回数の制限等はなく、人事への報告も不要で上司に報告すればいつでも実施できます。シスコ社内で季節外れのインフルエンザが流行した際にも、みんな普通に Cisco Webex を使って自宅から会議や打ち合わせに参加していました。その光景を目の当たりにして、リモートワークが職員の当たり前になるとちょっと何かあったくらいでは動じず、シスコの組織としての強さ(高い生産性を維持している秘訣)というのを垣間見たような気がしています。北海道庁での勤務において、インフルエンザにかかったときは、1週間出勤できないので治って職場へ戻ると大量の書類の山やメールが待っており、それを処理するだけで1日がかりで精神的にも辛く、普段の勤務以上に疲労感が強かった記憶があります。在宅勤務ができればと、せめてメールだけでもチェックできればと何度思ったことか。
そんな想いも抱きながら、初めて実践した在宅勤務でしたが、非常に快適だったというのが率直な感想です。そこで、まずは私の働く環境からご紹介したいと思います。
シスコから Cisco DX70 というコラボレーション端末をお借りできたので、今では自宅が私のオフィスでもあります。早速、この端末を使ってミーティングに参加したのですが、映像も乱れることはなく見やすかったですし、音声もクリアで聞き取りやすかったので、全く違和感なく実際に会議室にいるようで驚きました。
また、資料は画面共有できるので、事前に送る必要もなくその場で映しながらミーティングが進んでいくので、会議における最大の手間である印刷がない分、効率的でエコだなと思いました。
また、リモートワークに重要なのはセキュリティが担保された通信かなと思いますが、シスコではVPN という仮想の専用線をインターネット回線上に引いて、安全な通信環境の下で会社のサーバにアクセスができるそうです。VPN の仕組みについてはよく分かりませんが、接続は簡単でした。北海道庁では情報漏洩などを防ぐ観点から外からサーバにアクセスすることができないのが普通でしたが、これができるようになるだけで大きく働き方が変わるような気がします。色々なセキュリティ サービスがあるのでうまく組み合わせて北海道庁でもリモートワークが簡単かつ安全にできるようになればいいなと思っています。
最後に、初めてリモートワークというものを体験して思ったことは、自分が最も仕事に没頭できる環境に身を置くことができるのですごく作業が捗るなということです。私の場合、資料作成は周りを気にすることなく集中して行いたいので自宅でできるというのは本当に良かったです。ただ、それと同時にこれは人によっては仕事をやり過ぎてしまうのではないか?という不安にも駆られました。自治体の職員は真面目で責任感の強い方が多く、いつでも、どこでも働ける柔軟な労働環境が逆に真面目な職員の首を絞めてしまうかもしれません。職員の負荷を減らすことがリモートワークの目的の1つだと思いますので、職員が働き過ぎない工夫も実施に合わせて必要なのではないかと思いました。
ただ、こうした課題がうまく解決できて、一般職員のリモートワークが北海道庁でも認められるようになったら、場所を選ばない働き方が出来るという利点を活かして道内にあるサテライトオフィスを巡り、地域の魅力を SNS 等で発信しながら通常業務を行うといったことをしてみたいなと思っています。