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注目の脆弱性:Pixar Renderman で発見された複数のローカルの脆弱性


2019年3月20日


エグゼクティブ サマリー

MacOS 版 Pixar Renderman のインストール ヘルパー ツールにローカルの脆弱性が 3 件見つかりました。これらはユーザをルート権限に昇格する脆弱性です。

Renderman は、有名な映画制作会社 Pixar 社が開発した、アニメーションや映画制作に使用されるレンダリング アプリケーションです。アプリケーションのインストール時に、ヘルパー ツールがインストールされ、ルート権限で起動します。

このサービス(ツール)は、アプリケーションのインストール完了後もリッスンし続けます。これらの脆弱性は、ヘルパー ツールの Dispatch 関数に存在します。

Talos は情報開示方針に従って Pixar 社と協力し、今回の脆弱性が解決されたことと、影響を受けた利用者向けにアップデートpopup_iconが利用可能であることを確認しています。

脆弱性の詳細

Pixar Renderman インストール ヘルパーの権限昇格の脆弱性(TALOS-2018-0728/CVE-2018-4054

MacOS 版 Pixar Renderman のインストール ヘルパー ツールに権限昇格の脆弱性が含まれています。Dispatch 関数の呼び出し元が検証されないため、すべてのユーザからアクセス可能になります。被害マシンのローカル アクセス権限を持つ攻撃者は、この不具合を悪用して自身をルート権限に昇格します。このエクスプロイトには、特定の Python スクリプトとコマンドが必要です。

この脆弱性に関する詳細は、アドバイザリ全文popup_iconをご覧ください。

Pixar Renderman インストール ヘルパーの、任意のファイルが読み取られる権限昇格の脆弱性(TALOS-2018-0729/CVE-2018-4055

MacOS 版 Pixar Renderman インストール ヘルパーの Dispatch 関数に権限昇格の脆弱性が存在します。Dispatch 関数の呼び出し元が検証されないため、すべてのユーザからアクセス可能になります。被害マシンのローカル アクセス権限を持つ攻撃者は、この脆弱性を悪用してファイル システムから任意のルート ファイルを読み取ります。

この脆弱性に関する詳細は、アドバイザリ全文popup_iconをご覧ください。

Pixar Renderman インストール ヘルパーの権限昇格の脆弱性(TALOS-2019-0773/CVE-2019-5015

ローカルの権限昇格に関する脆弱性が Pixar Renderman インストール ヘルパー ツールに存在します。ローカル アクセス権限を持つユーザは、この脆弱性を悪用して自身をルート権限に昇格します。このエクスプロイトには、マシンへのローカル アクセス権限が必要です。

この脆弱性に関する詳細は、アドバイザリ全文popup_iconをご覧ください。

脆弱性が確認されたバージョン

Talos の検証により、Pixar Renderman のバージョン 22.2.0 が TALOS-2018-0728 および TALOS-2018-0729 の影響を、バージョン 22.3.0 が TALOS-2019-0773 の影響をそれぞれ受けることが確認されました。これらの脆弱性は、同製品の MacOS 版のみに影響します。

カバレッジ

脆弱性のエクスプロイトは、以下の SNORTⓇ ルールにより検出可能です。今後、脆弱性に関する新たな情報が追加されるまでの間は、ルールが追加されたり、現行のルールが変更されたりする場合がありますのでご注意ください。最新のルールの詳細については、Firepower Management Center または Snort.org を参照してください。

Snort ルール:48450 ~ 48453popup_icon 49088、49089popup_icon

 

本稿は 2019年3月7日に Talos Grouppopup_icon のブログに投稿された「Vulnerability Spotlight: Multiple local vulnerabilities in Pixar Rendermanpopup_icon」の抄訳です。

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