大規模ネットワークに向けた Cisco ASR 9000 の強化

この記事は、コア ソフトウェア グループの SVP である Sumeet Arora によるブログ「Cisco ASR 9000 Reloaded For Mass Scale Networking(2018/9/11)の抄訳です。

インターネットの幅広い普及は、ただただ驚くべきことです。2018 年にはインターネット ユーザ数が 36 億人となり、世界人口の半分を超えました。Cisco VNI によると、2016 ~ 2021 年の期間における IP トラフィック全体の年平均成長率(CAGR)は 24 % に達すると予測されます。

ただし、加速するのはユーザ数だけではありません。人、デバイス、モノ、およびアプリケーションがオンラインになるにつれ、イノベーションのペースは想像もしなかった速度で加速しています。

  • これがマルチクラウドの世界です。コンピューティングとコンテンツはますますエッジへと分散し、何十億のデバイスがいつでもどこからでもアプリケーションにアクセスできるようになります。
  • 5G でさらに高速化されるモバイル ブロードバンドにより、AR/VR や自律走行車などの、大規模でリアルタイムのエンドユーザ エクスペリエンスが新たに提供されています。
  • また、各種のソフトウェア プラットフォームは、ネットワークから取得可能になった大量のデータを活用することで新しい運用パラダイムを実現しています。

これらの急速な変化により、ネットワーク、およびネットワーク オペレータは多くの課題に直面しています。いくつか挙げるだけでも、爆発的なトラフィックの増加、変化し続けるトラフィック パターン、エッジに移行するコンテンツとコンピューティングの要件、コネクテッド デバイスのかつてない急増、などがあります。

サービス プロバイダーとコンテンツ プロバイダーには、これまでにない柔軟性、弾力性、およびネットワークの規模が要求されるのです。ネットワーク インフラストラクチャは、資本効率と運用効率、および新たな収益を生むサービスの展開能力を迅速に身につける必要があります。ただし、その迅速さは自動化によってのみ実現できます。

シスコは本日、ASR 9000 ファミリの大幅な機能強化し、高速、驚異的な電力効率、および低コスト・ビットで、業界で最も包括的なネットワーキング機能を提供する第4世代ネットワーク・プロセッサを発表しました。ASR9000と組み合わせることで、現代のネットワークにおけるあらゆるニーズを満たします。ASR 9000 プラットフォームは非常に高い柔軟性を備えており、サービス プロバイダーの投資を保護しつつ、変化するテクノロジー、ビジネス、およびトラフィック条件に対応できます。

長期に渡って投資を保護

シスコが独自開発した第 4 世代のフォワーディング /トラフィック管理プロセッサで再強化された ASR 9000 プラットフォームは、帯域幅の急増に向けてサービス プロバイダーを支援します。過去 10 年間で ASR 9000 のスロット容量は 80 倍(40 Gbps から最大 3.2 Tbps)に拡張されました。お客様にとってさらに重要な点は、帯域幅の大幅な拡張を、既存の ASR 9000 シャーシを更新せずに活用できることです。これは真の投資保護となり、お客様からの賞賛をいただいています。

アーキテクチャを新設計

トラフィックの増大と運用の簡素化ニーズを受けて、サービス プロバイダーのネットワーク アーキテクチャは転換点を迎えています。ここで重要なのは、収益を生み出すサービスの全体を念頭に置き、ネットワーク インフラをエンドツーエンド アーキテクチャとして設計することです。

従来のアクセスおよびアグリゲーションネットワークは、インテントベースのプログラマブル ネットワークに集約されます。ここでは、共通インフラ上で全サービス(家庭、ビジネス、モバイル、ケーブル、ビデオ、IoT の各用途)を提供できます。新たに求められる基本事項は、シンプルさ、完全なプログラマビリティ、クラウド統合、およびSLA(サービス内容合意書)の保証です。それらに加えて、ネットワークの 5G 対応に必要なネットワーク スライシングおよびタイミングサービスも求められます。

マルチクラウドにおけるピアリング ネットワークは、地理的分散や、膨大なトラフィックとコンテンツ ソースの増大に対応する必要があります。これはエンドツーエンド ネットワーク アーキテクチャにも影響を与えます。ピアリング ネットワークはメトロ ネットワークやリージョン ネットワークに移行します。そこでは規模、環境効率、自動化、およびセキュリティが最優先事項になります。ASR 9000 の IOS XR ベースのセグメント ルーティング技術、ならびに Cisco Crosswork Network Insights ソフトウェアにより、マルチクラウド時代の効率的でスマートなピアリングを実現します。

ネットワーク サービス エッジでは、きめ細かなサービスの区分、サービス契約の実施、セキュリティ機能、およびアカウンティングが必要です。これらすべての機能は、大規模かつ高速に提供する必要があります。ASR 9000 は、Layer2 および Layer3 の VPN サービス提供におけるフラッグシップ プラットフォームであり、世界大手の事業者も導入しています。

第 4 世代ネットワーク プロセッサを搭載した ASR 9000 のスケーラビリティと充実した機能は、ネットワーク アーキテクチャ全体で起きている大きな変化にも完全に対応します。

  • 充実した機能セットと長期的な投資保護により、サービス プロバイダーは独自のペースで既存ネットワークを集中型アーキテクチャへと進化させることができます。
  • セグメント ルーティングEVPN により、ネットワーク アーキテクチャは簡素化され、かつてない速度で高度なネットワーク サービスを提供できるようになります。
  • ASR 9000 の第 4 世代ネットワーク プロセッサは非常に優れた電力効率と低ビットコストが特徴で、電力の制約がある小規模なスペースにも配置できます。
  • ネットワークのセグメント化によりスケーラビリティも優れているため、大規模なデータセンターの相互接続や 5G 対応ネットワーク向けのアプリケーション認識スライスを提供できます。シスコの 5G Now!アーキテクチャでは、設備の更新なく 5G 対応の最新インフラを構築し、テクノロジー、トラフィックおよびビジネスの大きな変化に対応できます。

 

コスト低減と柔軟なライセンス消費を実現

消費電力は増大し続けるコストのひとつであり、高密度で高帯域幅のライン カードを新設計する際は重点が置かれます。本日発表された 32 ポート、16 ポート、および 8 ポートの 100GE ライン カードは未使用容量の電源を切る機能があり、電力消費をギガビットあたり 0.5 W まで削減できます。

高密度のライン カードを設置する場合、現実のニーズに応じて容量を拡張できる柔軟性が重視されます。つまり、消費者やビジネス サービスの需要に応じて段階的に容量を拡張できる製品が求められているのです。そうしたニーズを満たすのが、ソフトウェア ライセンス プールのポータビリティです。これにより新サービスの成長に必要な初期投資を引き下げ、需要の有機的に増加するにつれてコストも削減できます。

シスコの新しいフレキシブル コンサンプション モデルでは、サービスのイノベーション、コスト節約、投資保護、および資産の有効活用などの、サービス プロバイダーの目標に合わせた Pay-As-You-Grow(成長に応じた投資)アプローチが提供されます。シスコはサービス プロバイダーの成功を支援するため、以下を新しい消費モデルで実現すべく、サービスや製品の転換を進めています。

  • Pay-As-You-Grow(成長に応じた投資)によるシンプルで柔軟なライセンス消費モデル。
  • 将来のハードウェア アップグレードが可能なソフトウェア ライセンス ポータビリティによる投資保護。
  • ネットワーク全体で容量を共有できる、ネットワーク全体のソフトウェア ライセンス。

 

高度なセキュリティと高い信頼性

セキュアなネットワークを構築するには、信頼できるプラットフォーム上で高度なセキュリティ機能とサービスを開発することが重要です。シスコのインフラストラクチャ セキュリティ戦略は、ネットワーク スタックの全層で信頼を確立し、そのライフサイクル全体を通じて信頼できるプラットフォームを維持することから始まります。

ASR 9000 プラットフォームでは、信頼はハードウェアから始まります。IOS XR ネットワーク OS におけるソフトウェア整合性と強力な暗号化により、ハードウェアの信頼の基点(root-of-trust)を確立します。信頼基点をベースとするセキュア ブート インフラでは、ファームウェアや OS への不正アクセスに対して、一般的なファームウェア ベースのセキュア ブート インフラ(メインストリームの x86 プラットフォームで使用されていたようなもの)と比較して、大幅に強化された保護を提供します。これをランタイム OS およびコントロール プレーンの高度な保護能力と併用することで、外部に開かれた環境でも信頼性を確立、維持できます。これが ASR 9000 プラットフォームの独特の機能です。

自動化による運用コストの削減と、それに向けた準備

ASR 9000 は Cisco IOS XR により自動化を実現します。また、運用のライフサイクル全体にスムーズに統合できます。ライフサイクルには、計画、設計、実装、運用をはじめ、シームレスな最適化と修復を実現する、クローズドループ機能による最適化(モデル中心のプログラマビリティ、パフォーマンスのテレメトリ、ゼロタッチ導入のサポートなど)も含まれます。

サービス プロバイダーは、Cisco Crosswork ネットワーク自動化ポートフォリオを利用できるようになりました。これはマルチベンダー ネットワークを擁する、業界で最も包括的でクローズドループの大規模な自動化ソリューションです。アーキテクチャと自動化により、最適なコストで運用の柔軟性を確保できます。

この発表の詳細については、ASR 9000 ランディング ページを参照するか、または TechWiseTV エピソード をご覧ください。

シスコジャパン サービスプロバイダーマーケティング

日本の通信事業者様に向けたマーケティング活動を担当するチームです。