俊敏性は力です。周りを見ても、今勢いのある企業は「俊敏」です。俊敏性はビジネスの成功において重要な差別化要因となっています。イノベーションや適応力を強化する環境に貢献し、何かを行う際にカルチャー シフトをもたらします。たとえば、なぜブロックバスターやコダックは倒産してしまったのでしょうか。コンパックはどうなってしまったのでしょうか。ノキアはなぜ携帯電話業界から姿を消したのでしょうか。
マッキンゼーの調査 では、俊敏な企業について以下のように述べています。
「俊敏な組織はイノベーションと学習のための強力な仕組みを備えています。俊敏な企業の特長は、すばやい行動と急速な変化を両立する能力と、組織的な明確性、安定性、構造を併せ持つことにあります。」
たとえば、Uber、Airbnb、Spotify、アリババ、百度(バイドゥ)、Flipkart のなどの目覚ましい台頭について考えてみてください。これはどうやって実現したのでしょうか。答えはシンプルです。イノベーションと俊敏性を強化したのです。
世界は急速に変化しています。敏しょう性や競合に対する優位性を保ちたいという要望は高まるばかりです。これまでは例外的であると考えられてきた、プロセスや製品イノベーションにおける迅速性と一貫性の両立も求められます。
俊敏性はいまや日常的なものになっているのです。それでは、俊敏性を獲得するにはどうすればいいのでしょうか。
イノベーションのためのコラボレーション
ビジネス リーダーは、俊敏性はイノベーションという基盤の上でのみ実現しうることに気づき始めています。しかし、イノベーションは単独で起こるものではなく、企業内に原動力となるものを必要とします。この原動力がコラボレーションです。
ハーバード大学の Linda Hill 氏は以下のように説明しています。「イノベーションは 1 人の天才によるものではありません。集団としての類まれな能力によるものなのです。長い道のりなのです。しばしば専門分野や視点の異なる人たちによる何らかの協働的な問題解決によって実現するものです。」
良いアイディアはコラボレーションから生まれます。コラボレーションとは単なる情報共有ではありません。アイディアをつなげるという創造的なプロセスの基盤を成すものです。斬新なつながりから得られたすばらしいアイディアがイノベーションを生むことはよくあることです。ご自身の組織における直近の、重要なイノベーションを思い出してみてください。
組織のビジネスの向上につながったのではないでしょうか。テクノロジーの変化に乗り遅れた者は簡単に排除される現代の世界において、これは競争上望ましい強みだとは思いませんか。
これで関連性を理解していただけたでしょうか。成功を切望する組織は俊敏にならざるを得ません。しかし、俊敏性には絶え間ないイノベーションが不可欠です。コラボレーションはそのために必要な仕組みを実現するためのものです。しかもコラボレーション テクノロジーそのものが、心躍るような多様な可能性を内包しています。
「人類(そして動物たち)の長い歴史において、最も効果的に協力し、臨機応変に対処できた者が勝利してきたのです。」 – チャールズ・ダーウィン
新しい時代のコラボレーション
テクノロジーは私たちのやりとりやコラボレーションの方法を常に変革しています。そして現代の知識経済では、基本的なコミュニケーション方法さえも劇的に変化しています。このような急速な変化は組織に次のような課題をもたらします。
- リモート ワーカーやモバイル ワーカーに対応する
- 世界中の流動的な人材プールより、優れた人材をひきつける
- 世界各国にまたがる、従業員、パートナー、顧客、サプライヤなどのエコシステムをつなげる
個人としての働き方も変化しています。生産的であるために、オフィス内にとどまる必要はもうありません。ワークスタイルの好みと共に、テクノロジーの進化が職場のありかたの変化に大きく影響しています。
フロスト & サリバンの推計 によると、2025 年までにミレニアル世代が米国のワークフォースの 75 %、世界の総人口の 30 % を占めるようになります。この世代は、情報共有、迅速な情報収集、すばやい決断、そして組織の境界を越えたコミュニケーションの改善にあたり、モバイル ツールに頼るところが大きくなっています。
コラボレーションは、一時的なもの、つまり短期間だけ人々が集まって協働する形から、継続的なもの、つまり持続的にチームが協働する形へと移行しており、後者が新たな「標準」となりつつあります。これにはまったく違うツールを備えた新たなコラボレーション環境が必要となります。この環境は以下の特徴を持ちます。
- 常時オン:グローバルなチームが創造的なスタイルで共に協働可能
- ライブまたはリアルタイム:ビデオ テクノロジーを使って、場所や時間を問わず会議が可能
- 非同期:デバイスを問わず仮想コラボレーション空間を利用可能
- モバイル重視:場所や時間を問わずコラボレーションが可能
こうした中、組織が物理的なワークスペースを創造的なやりとりや自由な考え方を促すものとなるよう再設計しているのは当然のことといえます。
準備はできていますか?
世界がデジタル変革と俊敏なビジネスの時代へと急速に進む中、コラボレーションはイノベーションを最も強力に推進できるものとして注目されています。つまり、飛躍を成し遂げるには「十分」なだけのコラボレーション ツールでは足りないのです。今こそコラボレーションを活用しましょう。
よりよいコラボレーションを通じ、組織の俊敏性とイノベーションを向上させる方法についてご紹介しています。
この記事は、コラボレーション担当シニア マーケティング マネージャーである Smita Dave によるブログ「Collaboration: The Foundation of the Agile Business」(2016/9/1)の抄訳です。