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もっと E5-2600 の“美味しい”メモリ構成


2013年8月23日


シスコの UCS をはじめ、インテル® Xeon® プロセッサ E5-2600(Sandy Bridge-EP)を搭載した x86 サーバ(シスコの場合 UCS B200 M3、UCS C220 M3、UCS C240 M3 の 3 モデル)には“美味しい”メモリ構成があります。なお、あらかじめお断りしておきますと、ここで言う“美味しい”メモリ構成とは、美味しく食べられるメモリ構成ではなく、CPU の性能を最大限に発揮し、かつ、価格的にもバランスの良い構成です。また、32GB LRDIMM は割愛しております。では、さっそく E5-2600 を 2 基(ソケット)搭載した場合の“美味しい”メモリ構成の一覧をご覧ください。

サーバに搭載する
メモリ容量
“美味しい”メモリ構成
32GB 4GB DIMM x8枚
64GB 8GB DIMM x8枚
96GB 8GB DIMM x8枚 + 4GB DIMM x8枚
128GB 16GB DIMM x8枚
192GB 16GB DIMM x8枚 + 8GB DIMM x8枚
256GB 16GB DIMM x16枚

DIMM とは Dual Inline Memory Module の略で、要はメモリ モジュールのことです。

よく見かけるのは、96GB の場合に 8GB の DIMM を 12 枚、192GB の場合に 16GB の DIMM を 12 枚の構成です。これでも動きますが、性能を発揮するという点では、上記の通り、96GB の場合、8GB DIMM x8枚 + 4GB DIMM x8枚の構成、192GB の場合、16GB DIMM x8枚 + 8GB DIMM x8枚の構成が推奨されます。128GB の場合、8GB DIMM を 16 枚という構成も考えられますが、現時点では、16GB DIMM の方が 8GB DIMM より 1GB あたりの単価が安く、将来的な空きスロットも確保されるため、16GB DIMM x8 枚を推奨とさせていただきます。

E5-2600 Memoryなぜこの構成がお勧めなのでしょうか。それには、E5-2600 プロセッサのメモリアーキテクチャを知る必要があります。

E5-2600 は、1 基あたり、4 本の DDR3 メモリチャネルを持っています。2 基の場合、合計 8 本(右図の Channel A から Channel H)です。そして、1 本のメモリチャネルには、最大 3 つまで DIMM を構成できます。チャネルあたりの DIMM 枚数のことを DIMM per Channel で DPC と言い、各チャネルの 1 つ目の DIMM スロットを Bank1、2 つ目を Bank 2、3 つ目を Bank 3 と言います。

よって、E5-2600 を 2 基搭載する場合、2(CPU) x 4(チャネル) x 3(DPC) となるので、E5-2600 搭載のサーバは、特別なことがなければ最大 24 枚の DIMM が搭載できます(24 DIMM スロット)。機種によっては 16 枚の DIMM を搭載できるもの(16 DIMM スロット)がありますが、これは 1 本のメモリチャネルあたり 2 枚の DIMM 構成 (2DPC) になっているというわけです。

この DIMM スロットの埋め方で、メモリの動作速度、つまりパフォーマンスが変わってきます。

DPC パフォーマンスモードの動作速度
1.5V 動作
省電力モードの動作速度
1.35V 動作
1 1600MHz 1333MHz
2 1600MHz 1333MHz
3 1333MHz 1066MHz (1.5V動作)

最大動作スピードが 1333MHz の DIMM または、最大 DIMM 動作スピードが 1333MHz までの CPU を使用した場合、上図の 1600MHz が、1333MHz になります。

よって、パフォーマンスを求めるなら、24 の DIMM スロットを持っていても、2DPC までに留める、つまり最大 16 DIMM の構成が“美味しい”のです。さらに、DIMM は各チャネルに均等に配置する方がパフォーマンス面で有利なので、冒頭の表が“美味しい”構成となります。また、3DPC の構成ですが、以前は、1066MHz での動作でしたが、シスコのサーバ (UCS B200 M3、UCS C220 M3、UCS C240 M3) では、1333MHz で動作するようになりました。

ひとつ注意点ですが、BIOS でメモリ動作モードを省電力モード(Power Saving Mode)に設定していると、“美味しい”構成であっても 1600MHz では動作しません。1600MHz で動作させたい場合は、UCS Manger または、BIOS 画面でパフォーマンスモード(Performance Mode)になっているかを確認してください。当エントリ執筆時点では、B200 M3 はパフォーマンスモード、C220 M3 および C240 M3 では、省電力モードがデフォルトです。

ところで、このエントリ、どこかで同じような内容のエントリを見たことがあるかもしれません。はい、1年以上前になりますが、別のブログで書いたエントリの続編と申しますか、焼き直しであります。これをシスコの公式ブログでも紹介したいと思いまして、少し手を加えて転載させていただきました。若干のアップデートもあります。にしても続編に「もっと」を使うなんて、ちょっとあぶない感じがして世代がバレてしまいそうですが、それはさておき、今後も比較的アクセス数の多かったエントリの何本かを紹介する予定です。では。

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