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フューチャリストのように考える方法


2013年6月28日


Dave Evans  この記事は、シスコ インターネット ビジネス ソリューション グループ(IBSG)の Dave Evans によるブログ「How to Think Like a Futurist #IoEpopup_icon(2013/4/23)を翻訳したものです。

ニューヨークで開催された Fast Company 社の Innovation Uncensoredpopup_iconというイベントでパネル ディスカッションに参加しました。未来がどうなるかではなく私は未来をどのように予測するかについて話をしたことは、とてもよい経験になりました。普段は外向きの思考をしている私ですが、自分の内面を見つめる機会になったからです。

未来を予測することは簡単ではありません。原子構造と量子力学の解明に貢献したとして 1922 年にノーベル物理学賞を受賞したデンマークの物理学者、ニールス・ボーア氏popup_iconは、「予測、特に未来を予測することは非常に困難である」と言っています。

未来を数式のように予測することはできませんが、予測の精度を高めることは可能です。私の予測方法をご紹介しましょう。

1)広範囲に網を広げて調べる:未来のヒントは多くの場所に潜んでいます。そのため、継続的な調査を行い、仮説を作り、本や新聞を読んだり、ビデオを見たり、顧客や仕事仲間、同僚と話をし、ソーシャル メディアやインターネットをチェックし、イベントに参加しています。これらすべての情報を使って、物事が進んでいる方向を示す動向を察知しています。しかし、これは作業の半分に過ぎません。

情報を利用する際に重要なのは、先入観にとらわれないようにすることです。人は新しいアイデアを恐れたり抵抗を感じたりすることがあります。The Internet of Everything(IoE)を例に考えてみましょう。IoE は、人、プロセス、データ、そしてモノをインターネットでつなげるという、インターネットの進化を表わしています。IoE に関するブログ記事を投稿すると、プライバシーやセキュリティへの懸念が多く寄せられます。これは正当な意見ですが、アイデア開発の初期段階においては、プロセスの妨げになる可能性があります。先入観にとらわれないオープンな精神で未来に取り組むことが重要なのです。

2)実証済みのテクニックを使って入念に調べる:動向を掴んだら、数年から数十年の未来の状態を想像するシナリオ計画のテクニックを使います。次に、「バックキャスティング」をします。「バックキャスティング」は、フォーキャスティング(予測)の反意語です。フォーキャスティングでは、現在の状態から可能なことを想像します。バックキャスティングでは、将来の状態から、それを実現するために必要となる事柄を検討します。これらの事柄を特定したら、実現の可能性を判断するために、フィルタを適用します。多くの場合、フィルタとして、質問を使います。期間内に、その事柄を実現できるテクノロジーは存在するか? 必要となる条件(例えばエネルギー源の確保など)はあるか? このシナリオは、問題を解決するものとして受け入れられ、採用されるか? といった質問を自分に投げかけます。

3)検証し、伝え、そして学ぶ:このプロセスを経た未来の状態を、同僚や家族など、正直な感想を聞かせてくれる人に検討してもらいます。各グループは、現在の役割、や過去の経験、私との関係に基づいた独自の視点を持っています。彼らから寄せられた意見や新たな考えを元に、次のいずれかのステップに進みます。1)考えを修正する。2)考えを変更しない。3)考えを破棄して始めからやり直す。

強い確信を得た未来の状態を、ホワイトペーパーやプレゼンテーション、さらには特許出願など、Thought Leadership 資料へと発展させます。これらの資料は、講演イベント、顧客への説明、インターネット、ソーシャル メディアなどのさまざまなチャネルを通じて伝達されます。最後のステップは、フィードバックに耳を傾けることです。主なフィードバックを使って、予測のプロセスを再度展開します。

未来を予測するための手法は、この他にも多数あります。成功の秘訣は、ご自分の考え方や予測方法に最適なプロセスとツールを見極めることです。

 

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