前回のブログでは「クリエーションライン杯第3回 ICTトラブルシューティングコンテスト」(以下、トラコン)の概要と募集要項をご紹介しました。2月20日(金)にはその募集も締め切られ、3月に開催されるトラコンには12チームが参加することが決定しました。今回は、運営する側の学生たちの様子をご紹介します。
トラコンの特長のひとつは、競技参加者だけではなく企画や運営も学生が行うということです。運営側の主な業務は「会場との折衝」「競技インフラ全体の設計」「問題作成」、そして「当日の運用」であり、次のような配慮も必要です。
問題作成
- コンテストの問題を作成し、それが問題として成立するか検証すること
- きちんと時間内に回答できるように、シナリオを作成すること
運用
- ネットワーク環境を整えること
- 会場の選定、当日の案内、弁当等の準備など
今年のトラコンの運営チームが発足したのは2014年11月。そのメンバーには、前回のトラコンの参加者や運営チーム、その学生の後輩、さらに他の学校からの参加者もおり、総勢16名で編成されています。
運営チームは、トラコン開催日まで5か月という短期間で上記の業務をこなさなければなりません。学生たちは、11月のキックオフミーティングから月1回のミーティングにシスコ テレプレゼンス システムを利用しており、日常的な話し合いには Slack や Skype、LINE などを使っています。東西の学生が行き来しながらミーティングをするとなると、交通費だけでコストがかかってしまいます。テレプレゼンス システムは、遠隔の電話会議などと違い、その場で打合せをしているかの臨場感があるだけでなく、テレプレゼンス ルームに参加できない学生たちは Cisco WebEx でも参加できるという利点があります。
運営チームの学生が、初めにぶつかる壁が「グループワーク」です。イベントの企画はもちろん、グループワークでの作業自身に慣れていません。そのため、リーダーシップの取り方、役割分担、進捗の共有などでつまずくことになります。しかも学生の間でリテラシーの差が激しく、ミーティングをしていても会話が通じないこともあったようです。会話の内容がわからない学生は少し落ち込んだり、コミュニケーションの齟齬が生まれることもありました。
ようやく1月末にはリーダーが生まれ、それをきっかけにしてグループワークが加速するようになりました。リーダーは、ネットワークが得意、サーバが得意などといった個人の得意分野を把握することで、うまくコミュニケーションできるように導いていました。
コンテストに出題される「トラブルシューティング」問題の作成も簡単ではありません。当然、学生たちは実際に企業等で実装されるネットワークを知りません。そのため、現実のトラブルとかけ離れた問題を作成してしまう可能性があります。そこは社会人メンバーが適切なタイミングでアドバイスを与え、現実的なトラブルへと軌道修正します。自分たちの技術で、現実のネットワークにどれだけ近づけるか。企業ネットワーク、クラウド、ISP や IX をどういう風に再現すればいいか。今まで考えたこともなかった多くのチャレンジに、運営側も挑んでいるのです。
2月下旬、ようやくコンテストの問題も出来上がってきました。次は、その問題の検証状況をレポートします。