過去2回のブログでは、「やわらかいインフラ」を構成する5つの要素、Connect / Secure / Optimize / Automate / Observeのうち、「Connect」と「Secure」について解説してきました。今回は Connect と Secure の上で成り立ち、「やわらかいインフラ」最大の特徴とも言える3つ目の要素、「Optimize」について解説します。
リソースの柔軟な最適化を実現する「Optimize」
新しい要件が追加されるたびに回線設計やセキュリティ設計で頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。システムをつなぎ合わせるのも全て人間の手で行うため、面倒な作業が積み重なります。Optimize では、抽象化によって物理構成にとらわれないリソースの柔軟な最適化を実現します。全体図では、論理オーバーレイと制御コントロールレイヤの領域を指します。
「Optimize」を構成する
Optimize は3つの技術によって実現されます。1つ目は、コントローラによる物理システムの抽象化。2つ目は、各コントローラをつなぎ合わせる統合コントローラによるインフラの一元管理と標準化。3つ目は統合管理機能によるプロファイルの一元管理です。
1つ目のコントローラは、物理システムを抽象化することで、柔軟性を高めてやわらかくします。テンプレートを利用した設定により、物理リソースの柔軟な設定変更が可能になります。SD-WAN や SD-Access 等の技術が例として挙げられます。
それらのコントローラをつなぎ合わせるのが、2つ目の統合コントローラです。今までは人間の手でコントローラ間をつなぎ合わせる必要がありましたが、やわらかいインフラでは提供されているAPIを利用し、個々のコントローラ同士を統合コントローラで一元管理します。現状では統合コントローラに位置する製品は存在しないため、ビジネスの要件に合わせた構築が必要となります。ポイントとなるのは、要件をサービスカタログで定義し仕様の標準化を行うことです。これにより、要件が増えた場合でも、1つの運用フローとして統合コントローラに要件を柔軟に追加することができます。
3つ目の統合管理機能は、ユーザID / デバイス / サービスといったプロファイルを一元管理します。これらのプロファイルは統合コントローラによって参照され、インフラ全体を管理操作するために用います。プロファイルに変更があった場合でも、一元管理されているため、自動的にプロファイルがインフラ全体に適用されます。
最後に
今回は「やわらかいインフラ」の最大の特徴である3つ目の要素「Optimize」について解説しました。Optimize では、コントローラによる物理システムの抽象化、統合コントローラによるインフラの一元管理と標準化、統合管理機能によるプロファイルの一元管理を通して、物理構成にとらわれないリソースの柔軟な最適活用を可能とします。さらに、Optimize でインフラが一元管理され、要件が標準化されていることにより、やわらかいインフラ4つ目と5つ目の要素である「Automate」と「Observe」が実現可能になります。
次回は、マルチドメインで連携することで、ワンストップで迅速な運用を実現する4つ目の要素である「Automate」について説明します。
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