
前回のブログでは、「やわらかいインフラ」のメリットと構成要素の概要について解説しました。今回のブログからは、「やわらかいインフラ」を構成する5つの要素、Connect / Secure / Optimize / Automate / Observeについて、5回に渡り個別に中身を深掘りしていきます。
今回は、「やわらかいインフラ」のすべての基礎となり、様々なデバイスや回線をシンプルかつ柔軟に接続することを実現する1つ目の要素「Connect」について解説します。
繋げることに焦点を当てた「Connect」
現状の IT インフラの多くは新しい接続先を繋げる度に、要件の整理やネットワーク全体の再設計を行う必要があります。 その原因は、繋げるネットワーク部分にセキュリティやセグメンテーションといった技術が混在していることにあります。やわらかいインフラの第一の要素である「Connect」では、あらゆる場所を「繋げる」ことに特化することで、それらのわずらわしさを取り除きます。やわらかいインフラの全体概要図では、物理アンダーレイのLAN・WAN・DC NWの領域(赤で囲まれた部分)にあたります。
あらゆる場所を繋げる
物理アンダーレイの WAN側 を見てみましょう。従来から繋げる必要のあった領域として、本社 / 支社 / データセンターがあります。これらに加えて現在では、クラウドや、ハイブリッドワークを行う遠隔地といった領域も迅速に繋げることが必要になっています。繋げることだけに焦点を当てるので、これらの場所を柔軟に接続することが「Connect」の役割となります。また、回線を効率よく利用する機能等も Connect は付随して提供します。これらによって、企業は独自のビジネス要件に適した IT リソースをオンデマンドで導入することができ、場所に限定されずビジネスを継続することが可能となります。
あらゆるデバイスを繋げる
次に LAN 側の話をしましょう。ここには、多種多様なデバイスの接続が必要となります。パソコンはもちろん、無線アクセスポイント(AP)、カメラ、センサー、IoT 等といったデバイスが盛んに利用されており、ユーザーが必要とするときに必要なデバイスを瞬時に利用できる環境が望まれます。今までは、新しくデバイスをインフラに参加させるには、そのデバイスが利用するサービス専用のスイッチ等を用意し、それに合わせてネットワークの再設計や要件の再整理を行う必要がありました。やわらかいインフラでは、接続をシンプル化するソフトウェアディファインドネットワーク 技術を駆使します。これにより、デバイスを自由に任意のスイッチに繋げることが可能となり、迅速な利用を実現します。
最後に
今回は「やわらかいインフラ」の全ての基礎となる1つ目の要素「Connect」について解説しました。Connect では、ネットワークからセキュリティやセグメンテーションといった技術を分離することで、「繋げる」ことのみに焦点を当て、シンプルかつ自由自在にあらゆる場所やデバイスを繋げられるようにします。もちろん、セキュリティやセグメンテーションもインフラにとって不可欠な技術です。これらは、やわらかいインフラの「Secure」と「Optimize」といった別の要素のなかに取り込まれています。
次回は、セキュリティをドメイン全体に広げ、「やわらかいインフラ」の柔軟かつ堅ろうな接続を実現する2つ目の要素である「Secure」について説明します。
「やわらかいインフラ」の詳細はこちら
DX を支える柔軟な IT インフラ過去のブログ一覧はこちら
「やわらかいインフラ」ブログ