2014年5月、Cisco ASAv がリリースされました。ASAv とは、10年以上の販売実績がある Cisco ASA シリーズの、完全な仮想マシン版であり、ベーシックなファイアウォールや VPN コンセントレータとして動作が可能な製品です。この ASAv がどのようなものかは、以前のブログ記事で紹介しましたが、その後、ACI のコントローラである Cisco APIC とも連携が可能になるなど、ソフトウェアも進化しています。
このたび、この ASAv が、General Availability として本格的に販売開始されます。もちろん、今までも ASAv を販売していましたが、複数パッケージでの限定された形での提供でした。ASA ソフトウェア 9.3(2) のリリースにて、以下のような販売体制に変わります。
- ASAv10(1vCPU モデル)および ASAv30(4vCPU)モデルにてシングルパッケージ(インスタンス)での販売を開始します。従来の、16 パッケージ単位および 4 パッケージ単位での販売も継続します。
- ASAv5 という、より小型の 1vCPU モデルをラインナップに追加します。こちらは 8 パッケージ単位での販売となります。
- リモートアクセス VPN をサポートしていた Premium ライセンスを廃止します。AnyConnet 4.0 より、クライアント側でのライセンスを販売しているため、ASAv 側は Standard ライセンスのみ販売します。
- Smart Licensing が適用されます。
この結果、物理アプライアンスやサービスモジュールも含めた Cisco ASA のラインナップはこのようになります。プレーンな ASA として、ASAv の選択肢が増えたことになります。次世代ファイアウォールや IPS、アドバンスドマルウェア対策が必要であれば、これにバーチャル版もしくは専用アプライアンスの FirePOWER を追加するか、あるいは、最初から ASA5500-X や ASA5585-X をを選択してください。
ASAv のラインナップのデータシートは以下のようになります。ライセンスを適用しない場合には、ラボエディションとして、100kbps / 100 同時コネクションの制限付きで動作する、という仕組みは変わりません。
ライセンスについては、新しい Smart Licensing というサービスが適用されます。ASAv が直接、あるいは Proxy サーバ経由で、インターネットを介してシスコが提供するスマートライセンスマネージャにアクセスします。(ちなみにこの仕組みは、Smart Call Home の機能を使っています。) 管理者は、スマートライセンスのポータルサイトから、プールしている購入済みライセンスを ASAv のインスタンスに適用します。この結果、ライセンスの一元管理が可能になります。また、ASAv5 では、この Smart Licensing の仕組みを使って、サービス プロバイダーのお客様向けに、利用した ASAv のライセンスの月額を後払いできるモデルも提供されます。
これから ASAv のプロダクトページも充実していく予定です。ご期待ください。