この記事は、インダストリ ソリューションズ エグゼクティブ バイス プレジデントである Wim Elfrink によるブログ「Accelerating and Innovating the Internet of Everything in Japan」(2014/11/17)を意訳したものです。
東京での目まぐるしい1週間を終え、はっきりしたことがあります。世界第 3位の経済大国、日本は Internet of Everything(IoE)によって見込まれる経済価値を実現しようとしているということです。今後 10年間で、日本には IoE によって 8,700億ドルの経済機会がもたらされるとシスコでは試算しています(世界全体ではその規模は 19兆ドルに達します)。
日本には技術とイノベーションで世界の産業界をリードしてきた輝かしい歴史があり、シスコが7番目の シスコ IoE イノベーション センター を開設する場所として理想的です。先週の木曜日(11月13日)、国内の 9つのエコシステム パートナーと共にオープンしたこのセンターに、シスコは 2,000万ドルを投じます。顧客企業や業界パートナー、スタートアップ企業、アクセラレーター、さらには行政機関や学術研究コミュニティまでが一体となって、次世代テクノロジーの創出のために協力することを趣旨として設立されたこのオープンラボには、大きな期待が寄せられています。オープンセレモニーの様子はこちらでご覧いただけます。
東京ではまず、モノづくりやスポーツ エンターテインメント、公共セクターといった分野に焦点を当て、パートナー各社と共にフォグ コンピューティング ソリューションの開発に取り組んで行きます。これらのフォグ ソリューションは、クラウドストレージ、コンピューティング処理機能やサービスをエッジ ネットワークまで広げるもので、IoE による価値を実際に創出していく上で不可欠な要素です。
この日、シスコは同時に、大手エレクトロニクスメーカー、株式会社東芝と IoT(Internet of Things)分野の協業に関する覚書を交わしたことも発表しました。今後シスコと東芝は、IoE の活用によって製造、交通・運輸、スマートシティといった分野でプロセスや生産性、エクスペリエンスを劇的に改善し、東芝が提唱する「Human Smart Community」を実現するために協力していきます。
IoE イノベーション センターのパートナーには東芝のほか、三井情報株式会社、富士通株式会社、日本システムウエア株式会社、アルプス電気株式会社、株式会社 Preferred Networks、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス徳田研究室、さらに国内企業として初めて、1億ドルのグローバル IoT ファンドに基づくシスコのグローバル投資の対象に選定された株式会社 smart-FOA も加わります。
Cisco IoE Centers of Innovation は、日本以外に英国ロンドン、スペインバルセロナ、ブラジルリオ・デ・ジャネイロ、韓国ソンド、ドイツベルリン、カナダトロントにも開設され、パートナーによる同様のエコシステムを構築しています。アーバンサービス、交通、エネルギー、生産環境など、それぞれの地域が独自のノウハウを持つ特定の分野に焦点を当て、スーパーハブとして革新的な関連ソリューションの創出に集中的に取り組みます。
東京での 1週間の締めくくりは、第 1 回の日経IoEフォーラムでした。業種・業界の枠を越えて集まった 500人を超えるリーダー達を前に、シスコ デベロップメント&セールス プレジデント、ロバート・ロイドと共にプレゼンテーションを行いました。ここで、「ビジネスと社会を進化させる Internet of Everything」と題して行った講演に対し、製造、金融、ヘルスケア、行政、エネルギーなどさまざまな業界のリーダーが非常に強い関心を示してくれたことは、私にとって今週最大の収穫であり、IoE あるいは日本に対するシスコの真摯な取り組みを改めて印象付けるとともに、この取り組みが有意義なものであることを再確認することができました。
シスコの日本におけるコミットメント
シスコは 23年間に渡って日本国内で事業を展開し、全国7カ所の拠点に1,200人を超す従業員を擁しています。これまで 100回以上のネットワークアカデミーを開催し、シスコの認定資格保有者は15万人に達するなど、シスコは日本と強く結びついています。
関連リソース:
Internet of Everything
Cisco Internet of Everything Innovation Centers [英語]
シスコ IoE イノベーション センター東京