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5G-シスコが考えるサービスプロバイダー E2E アーキテクチャ 第5章 5G 時代のエンドツーエンド ネットワークスライシング(3)

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第 5 章  5G 時代のエンドツーエンド ネットワークスライシング(3)

Part-3 追記

5.10.1 追記にあたり

前回の執筆時点から少し時間が経ち、日本でも「 beyond 5G 」の議論が始まりました [1]。いかにリソースを共有もしくは配分しながら、効果的に、異なる品質要請を持つアプリケーションをサポートするために、エンドツーエンドネットワークスライシングの方式検討はこれまで以上に重要になります。特に、単なる接続性でなく、超高信頼低遅延などのシステム要件を実現するためには、ドメインを超え、レイヤを超えた方式検討が必要です。無線区間がどんなに速くなっても、パケットロスが避けられなかったり、遅延を縮減できなかったりすれば、アプリケーションのスループットは向上しません。

なお、本連載公開後にいくつかフィードバックやお問合せを戴きました。大変有難く感謝しております。一つ重要なご質問がありましたので、それにお応えしたいと思います。それは、「本稿の出発点となる文書または定義は何か。NGMN ホワイトペーパー、3GPP TS23.501 か TS28.530 辺りと想定されるが如何」というものです。確かにそれらの文書は非常に重要で参考にしましたが、実際はより一般的な、「 Multi-Tenant 分離」、「 QoS/SLA 差別化」、「リスク分散や封じ込め」などのアーキテクチャ概念を出発点としています。そして各標準化団体や業界団体の活動や文書についてはなるべく偏らずに俯瞰的にサーベイすることを試みました。「ドメインを超えたアーキテクチャの見直し」のために、ある程度自由な視点が必要と考えるからです。一方、依拠不明と捉えられても反論の余地なく、今後改善して行きたいと思います。貴重なコメント、感謝いたします。

 

5.10.2 業界団体・標準化団体動向のアップデート

前回の標準化団体・業界団体における検討状況のまとめ (Appendix) に加え、今回は固定網(トランスポート)スライス関連を中心に簡潔にアップデートします。

2020年4月に、MEF が「Slicing for Shared 5G fronthaul and backhaul」と題したホワイトペーパー[2]を発行しました。日本からも NTT が貢献され、事業者共通の共有 xHaul の要件や xHaul トランスポートのスライシング・共有化アーキテクチャを議論しています。

また Broadband Forum (BBF) では Fixed Mobile Convergence (FMC)  を検討しており、そのコンテクストにおいて、サービス管理とネットワークスライスのオーケストレーション、ライフサイクル管理の運用、モバイルネットワークとの連携などについて検討しています [3]。

IETF においては、Network Slicingに 関する Design Team が発足しました。TEAS WG (Traffic Engineering Architecture and Signaling Working Group) 配下に発足したため、トラフィックエンジニアリングのための論理的なネットワークトポロジーについての議論が中心です。トランスポートスライスおよび SLO (Service Level Objective)  の定義 [4]、アーキテクチャフレームワークのモデリング [ [5] が策定されつつあります。

 

このように、標準化団体、業界団体における検討は進んでいます。また、組織間の交流もより活発になってきています。しかしそれでもまだ、ドメインを超える検討は不足しています。分散コンピューティング、エッジコンピューティングとの相互作用、データ中心アーキテクチャの実践など、現状からのフィードバックを重要視しながらも、抜本的なアーキテクチャ見直しを視野に入れて検討したいと考えます。

 

 

(Reference)

[1] Beyond 5G推進戦略懇談会 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/Beyond-5G/

[2] MEF Whitepaper ”Slicing for Shared 5G fronthaul and backhaul”,  http://www.mef.net/resources/download?id=54&fileid=file1

[3] Broadband Forum SD-406 “End to End Network Slicing”

[4] “IETF Definition of Transport Slice”, draft-nsdt-teas-transport-slice-definition-03

[5] “Framework for Transport Network Slices”, draft-nsdt-teas-ns-framework-04

 

Authors

Miya Kohno

Distinguished Systems Engineer, CTO for GSP Japan

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