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自信を持って提案できる!20年来のパートナーが頷いた、シスコのセキュリティの強み(前編)

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シスコの販売パートナーであり、ICTインフラの企画から設計・構築、運用・保守まで一括で提供するユニアデックス。2025年、シスコ アジアパシフィック ジャパン チャイナ地域における「Marketing Partner of the Year」を受賞しました。

同社のシスコ事業責任者であるマーケティングコミュニケーション本部 戦略企画推進部 部長の八巻秀欣氏に、現在推進中のセキュリティビジネスの現状やシスコ製品に対する考えについて伺いました。(聞き手は、シスコ スケールビジネス事業統括 執行役員 石黒圭祐)

 

シスコビジネスと離れて他社製品に目を向けた10年間

石黒 今回はユニアデックスさんにお邪魔をしています。まずは八巻さんのお立場・ミッションと、シスコビジネスとのかかわり方についてお聞かせください。

八巻氏 私は現在プロモーションを中心としたマーケティング戦略の企画・実行を担い、シスコとの協業・ビジネスの責任者をしています。ただ今のポジションを任される前、実はしばらくシスコからは離れていたんです。元々、当社に合併となる前のネットマークス時代には営業担当で、当時からシスコのビジネスはとても大きく、自らもプロダクトをたくさん売りました。

ですがシスコのプロダクトは圧倒的なデファクト スタンダードであったこともあり、反骨精神的な思いもあって、シスコ以外のさまざまな他社製品ばかりをお客様に提案していたと記憶しています。コアスイッチはシスコがマストでしたが、エッジやサービスに近い部分でいろいろとチャレンジをしていましたね。

その後、DXの文脈で新規事業開発に移り、5年ほどインフラ事業からは離れた課題ドリブンのソリューションの企画開発に従事していました。具体的には医療機関に向けたモバイルアプリや流通業界のモビリティなど、領域特化のビジネス開発が中心で、結果的に10年以上シスコとは距離があったと思います。

石黒 そのような経緯で今のお立場に?

八巻氏 2023年4月に新しいマーケティング組織に異動となりました。以前からマーケティング組織は存在していましたが、当社では商品の維持管理をはじめやるべき事がとても多いのです。特に、あるメーカーさんの製品はラインアップが多すぎて。

石黒 恐縮です(笑)

八巻氏 取り扱っている商品が多岐に渡るものそうですが、特にシスコとは直接契約なので販売体制から商品の維持管理まで全て自分たちで担う必要があります。そのため、どうしても能動的なプロモーションやマーケティング戦略の策定は余力の対応になりがちで、リサーチから発掘・投資、それから今時なプロモーションに展開するような活動があまりできていなかったんですね。その状況を変革するために組織を刷新することとなり、私がその中核チームを任されたのです。

 

 

 

八巻氏
当時は反骨精神で、あえてシスコ以外の製品をよく提案していましたね。

 

石黒
その中で、またシスコ製品に戻ってきてくださったわけですね。

 

 

シスコとの協業担当を任せられて感じた「楽しさ」

石黒 マーケティング機構を変えてどの領域を強化したのですか?

八巻氏 リサーチとプロモーションです。ちなみに石黒さんは、当社の強みはどこだと思われますか?

石黒 営業力でしょうか?

八巻氏 我々もそう自負しています。長くお付き合いいただいているお客様が多いのですが、新規のお客様の場合でも早い段階でリレーションを作り、大きな案件を獲得していくことが得意です。ただ、それはいつまでも続けられません。そこには3つの理由があります。

1つ目は、人の絶対数です。少子化の波を受けて、人材獲得の競争は今後さらに激しくなっていくと思います。期待されるビジネスの拡大に対して人が増えないわけですから、いつかは頭打ちが来るでしょう。2つ目は、取り扱う商品やサービスが変化していること。お客様の価値基準が「持つ」から「使う」にシフトしているのに対して、営業が頑張ってモノを売ってくるというモデルには近い将来、限界が来ると思います。そして3つ目は、お客様の購買行動の変化です。必要な情報はインターネットやAIからいくらでも収集できる世の中です。既に顧客の8割は、営業に提案を求める前にほぼ欲しいものが固まっているといった話も聞きます。

その中で、今後将来に渡ってビジネスを継続し、価値を提供し続けるためには、これらの環境の変化をしっかり受け止めて、我々も変革していく必要がある、そう考えたわけです。こうした背景から、マーケティング部門がしっかりマーケットをリサーチして、新しいビジネスの種を発掘し、形にしていち早く発信できるような、強い体質に変えていくという方針に至りました。

石黒 人材も営業のパワーも減るので、そこを後ろから支えられるようにプッシュ型でお客様にアプローチをしていこうということですね。

八巻氏 シスコのプロダクトも、「売る」から「使ってもらう」に変わっていますよね。そうなると重要なのは、お客様のニーズにいかにフィットするシナリオを練り、それを訴求するかです。それにより、お客様は気持ちが変わります。なぜこのサービスが必要なのかという情報をお届けし、それをお客様社内で理解を得られる上申をしていただけるようにしなければなりません。

石黒 ウェブサイトの商品紹介ページに載っていないような価値を伝えるための活動も担っているわけですね。

八巻氏 その上で、私がシスコビジネスのフロントに立つようになったきっかけですが、2023年末にシスコとのセキュリティビジネスをさらに強めていくための協業プログラムを始めた際に、上司から「八巻も入れ」と。

 

マーケティング部門にジョインしてからも相変わらず王道のシスコは置いておいて(笑)それ以外の商品をどう拡大していけるかと、さまざまなプロモーション活動を展開していたのですが、その過程で「シスコビジネスをどう伸ばすか」という真逆のミッションが下りてきた訳です。

それで戸惑いつつも2024年4月からプロジェクトに参加するうちに次第にシスコとの付き合いが深まり、密に活動をしているうちに楽しくなってしまったんですよね。

石黒
マーケティングではどのようなアプローチで進めているのですか。

 

八巻氏
なぜこのサービスが必要なのかという情報をお届けし、お客様のニーズにフィットするシナリオをいかに訴求できるかを重要視しています。

 

「オールシスコでなくてもいい」の衝撃

石黒 ありがとうございます。10数年離れてみて、久しぶりに接したシスコは違っていましたか?

八巻氏 今回は入り方がセキュリティなので、忌憚なく言うと、ネットワークとは逆にシスコが後発であることが大きな違いとなる訳ですが、そうなると先ほど話したように訴求シナリオがより重要になってくると思っています。私は営業を経験しているので、現場に空振りや失敗をさせたくないという思いが強い。そこで提案する製品にどんな価値があり、それをどう伝えれば届くかを明確にし、その上で有効な案件に育てて勝ち切るために、シスコの担当者さんと突き詰めて話をしてきました。

傍から見ると、シスコ製品の強みはスイート(パッケージとしてすべてがまとまっている)であるところです。ただ今はお客様が選択する時代であり、特にセキュリティは必要な個所から段階的に強化していくのが一般的です。ですからスイートであることの前に、それぞれのソリューションがどんな強みや優位性をもって訴求できるのか、それを掘り下げることから始めました。その中で、Cisco Secure AccessCisco XDR、IAM製品のCisco Duoなどコンポーネントやパーツで見てみると、単品でも他にない機能や、お客様が課題に感じつつも手が回っていない領域の機能を備えていて、個のソリューションでも十分に戦えることがわかってきたのです。

石黒 私もセキュリティビジネスには挑戦者として向き合っています。1ライセンスから売れない製品は大きく売れないと思っているので、小ロットで売れるものから始めています。

八巻氏 小さく始めて大きく育てる。つまりお客様に選択肢を持ってもらって、その中で価値をお届けして認めていただくというアプローチは重要ですよね。

石黒 セキュリティはパーツが多い分、組み立て方が何百種類とあり、小さく入っていかないと難しいものです。そこで「シスコでセキュリティを売ることは、ネットワークに比べれば最初は小さなビジネスかもしれないけれど、毎年どんどん売れてビジネスが大きくなるんですよ」というストーリーをパートナー様や営業担当者の方々にメッセージングしています。

八巻氏 チャレンジャーとして何をすれば振り向いてくれるかをすごく研究されていて、さまざまな組織を作り、他社にない力をつけて取り組まれていると感じます。機能面と価格面で競争力を発揮されていて、社内にシスコ製品の良さを提案する立場としても自信を持って話ができています。

今はXDRを中心に展開している中で、市場にある他社セキュリティソリューションは自社パーツをたくさん入れた中でアラートをまとめて可視化し、対策も自動化しようというアプローチをしているのですが、シスコのアプローチは「オールシスコでなくていい」という姿勢を先んじて打ち出されたことは衝撃的でした。シスコの印象がガラリと変わりましたね。

石黒 後発ベンダーとして我々の戦略としては、他社のパーツも含めて提案をできることで、販売パートナー様の利益に貢献したい思いも当然ありますし、リプレースのタイミングが来た時に少しずつシスコに変えてもらい、もちろん最終的にはスイートにしてもらうという道筋も描いています。

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後編では、シスコのセキュリティ製品群を活用したユニアデックスの新しいマネージドサービスや、AI活用時代における営業活動のあり方についてうかがいます。

Authors

石黒 圭祐

執行役員

スケールビジネス事業統括

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