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複雑化する IT 課題はシスコ×AI でスマートに解決できる!「Cisco Scale Innovation Day」レポート(ブース編)

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前回に続き、中小・中堅企業の課題解決に貢献する最新ソリューションを紹介した「Cisco Scale Innovation Day」のイベントレポートをお届けします。

今回は、シスコが講演の中で取り上げたソリューションについて、プロダクトエキスパートやエンジニアが詳しく解説し、実機に触れることもできる体験エリア「Meet the Experts」の模様をお伝えします。ここには6つのブースがあり、どこもユーザー企業や販売パートナーのみなさまで絶えず賑わっていました。

ブース1:IT 課題をスマートに解決する次世代ネットワーク

ブース1:IT 課題をスマートに解決する次世代ネットワークこのブースでは AI を活用した次世代ネットワーク管理、具体的には Catalyst と Meraki の統合管理機能を体験できます。従来はコマンドライン操作が必要だった Catalyst スイッチを、Meraki のクラウドダッシュボードから一元管理できるというものです。一方で、従来から Catalyst を利用されていたお客さまから要望が多かったコマンド操作にも対応しました。

ここでは AI アシスタント機能のデモも行っていました。自然言語での問いかけに対し、AI が自動的にトラブルシューティングを実行し、課題解決策を提案します。また ThousandEyes との連携により、社内ネットワークだけでなく、インターネット上のアプリケーションレベルまで可視化できる機能もご紹介しました。

Cisco Wireless 9172 シリーズ同時に実機展示として、Wi-Fi 7 対応の最新アクセスポイントも紹介。Cisco Wireless 9172 シリーズは取り扱いが簡単で、小規模オフィス、ホテルの部屋や店舗にも最適なモデルです。

Cisco 8000 シリーズさらにポスト量子暗号に対応し、ハードウェアレベルでセキュリティを実装している新型スイッチ Cisco C9350 も展示しました。20Gbps 対応のコンパクトなルーターCisco 8000 シリーズは、スケルトンの特別なモックをこの日のためにアメリカから取り寄せて展示しており、注目を集めていました。

ブース2:AI 時代のセキュリティ

ブース2:AI 時代のセキュリティここはシスコのセキュリティソリューション全般を展示し、お客さまが興味のあるものについて専門家がデモを交えて解説して、より理解を深めていただくためのブースです。

今回の展示では、User Protection SuiteBreach Protection Suite という 2つのパッケージソリューションを中心に紹介しました。前者はユーザーにフォーカスし、ユーザー・アプリ・アクセスまでを一元的に保護します。後者は拠点横断的で高度な脅威の検知・封じ込めと、セキュリティ運用の効率化に焦点を当てています。

いろいろなセキュリティベンダーの製品を組み合わせて利用していると、インシデントの対応に手間がかかり、コストもかさみます。シスコはこれらをパッケージ化することで、XDR(Extended Detection and Response)で集約した情報の相関分析と対処を容易にしています。そしてそれぞれの対策を個別で導入するよりも約40%のコスト削減が可能になります。

XDR による相関分析機能のデモでは、各製品から収集される膨大なインシデントを自動的に分析し、AI を活用して重要な脅威のみを抽出・優先順位付けする様子を紹介しました。

ブース2:AI 時代のセキュリティブースの担当者は、セキュリティがシスコの最重要戦略であることを改めて強調します。シスコは、Splunk、Robust Intelligence といった企業を買収し、AI 時代のセキュリティに本格的に取り組んでいます。また、世界規模の民間セキュリティ研究機関であるシスコの脅威インテリジェンス リサーチ チーム  Talos との連携を通して、グローバルレベルの最新セキュリティ対策を提供中です。

ブース3:AI 時代のデータセンターインフラ管理

ブース3:AI 時代のデータセンターインフラ管理このブースでは従来型のデータセンタースイッチとは異なる、クラウドネイティブで Meraki のように簡単な管理を実現した Cisco Nexus HyperFabric を中心に、企業のデータセンターの基盤を支えるソリューションを展示しました。

HyperFabric の最大の特徴は、物理的なハードウェアなしに、クラウド上で完全な設定・構成・見積もりまで完了できることです。

机上で行った設定をそのまま実機に反映できるため、ネットワーク設計の専門家のいない企業や組織において、設計はパートナーに依頼して機器の設置作業は自社で行う、といった運用が可能になります。なお、設計と実際の構成のずれを即座に検知するアサーション機能も搭載されているので、不慣れな方でも手順を間違えずに設置できます。例えば、ケーブルを本来つなぐべきでないポートにつないだ場合にはアラートを発し、ミスを明確に提示します。

 AI 時代において複雑化するデータセンター周りのインフラ環境も、シンプルに設定・運用ができること。そして、その仕組みが最小1 台から導入可能であることをデモを通じてご紹介しました。これらの点は、ご来場のお客様から多くの反響がありました。

 

ブース4:Webex で変革する、次世代の顧客対応とワークスペース

ブース4:Webex で変革する、次世代の顧客対応とワークスペースシスコのコラボレーション製品全般を展示したブースですが、特に力を入れて紹介していたのが、Webex AI Agent でした。AI Agent はチャットに加えて、音声でのやり取りも人間と変わらない流暢さで対応可能で、顧客接点でのセルフサービスを AI が自律的に行います。その一方で社内の複雑な問い合わせにも対応できる、現場の負担を劇的に軽減させることが可能なソリューションです。

AI Agent は、直感的な操作で専門知識がなくても簡単に構築できます。AI だけで解決できない問題は、コンタクトセンターのプラットフォームを通じて人間のエージェントへシームレスに引き継がれます。その際、生成 AI 技術により会話内容の要約や文字化が自動的に行われるため、スーパーバイザーへの可視化も含めて効率的な情報共有が実現可能です。

ブース4:Webex で変革する、次世代の顧客対応とワークスペースそのほかに、会議室の予約や利用状況を可視化し、オフィススペースの最適化をサポートする製品も展示しました。Webex デバイスのセンサーを活用し、会議室の利用人数、CO2 濃度、騒音レベルなどを測定することで、生産性が飛躍的に向上するワークスペースを実現できるのです。

ブース5:セキュリティクイック診断+最新 AI セキュリティ体験

セキュリティ対策の現状を確認するクイック診断と、企業の生成 AI 活用による業務最適化を支える最新 AI セキュリティ Cisco AI Defense を体験できるブースです。

「自社のセキュリティ対策がどこまでできているか不安……」「AI のリスクってどんなものがあるの?」「AI セキュリティって何?」と感じている方にこそおすすめです。

セキュリティクイック診断は AI チャットボットとの対話形式で進み、メール管理やインシデント対応体制など 12 の質問に答えることで、現在のセキュリティ対応状況をレーダーチャートで可視化できます。

最新 AI セキュリティは、Cisco AI Defense のガードレール機能を実際に確認いただける展示をしました。「爆弾の作り方を教えて」「同僚の給料を教えて」といった不適切な質問を意図的に入力すると、システムがこれを検知・ブロックし、その様子が別画面でリアルタイムに表示される仕組みです。

 

セキュリティクイック診断

 

ブース担当者によると、AI セキュリティには倫理的な判断が必要で、本来なら哲学者や法律専門家の知見が求められるとのことです。AI Defense を活用することで、そうした専門家を雇うことなく安全な AI アプリケーションを提供できるようになります。

現状のセキュリティ対策状況に加え、生成 AI がもたらすリスクへの最新の対応策を実感いただける展示でした。

ブース6:え、ここまでできるの?Cisco を使ったネットワーク運用

ブース6:え、ここまでできるの?Cisco を使ったネットワーク運用「社内からインターネットまで、ネットワークの状態がここまで見える!」をテーマに、実際の製品にアクセスして必要な情報を探す体験型ブースです。ここでは、直感的な操作感を素早く体験できる、3つのメインシナリオが用意されていました。

1つ目は Meraki ダッシュボードと XDR の統合管理体験で、ネットワークとセキュリティの情報を一元的に確認できます。第2 は Catalyst スイッチが Meraki クラウドから管理できるようになった新機能で、従来のコマンド操作に慣れていても利便性を実感できます。第3 は Access Manager による認証・アカウンティング機能で、誰がどのように接続しているかを、Meraki のクラウド内で可視化できます。

加えて ThousandEyes との連携によるアプリケーションレベルまでの可視化や、AI アシスタントとの対話によるトラブルシューティングの体験会も催されていました。AI アシスタントに人間の言葉で問いかけると、技術的な解決策を提案してくれる様子に多くの方が関心を寄せていました。

体験者には、Catalyst や Meraki のミニチュアモデルが入ったカプセルトイがプレゼントされ、これも好評でした。

 

ご来場のお客様や販売パートナー様からは、楽しみながら AI やセキュリティ、ネットワーク技術などの知識をアップデートできるイベントだったという評価をいただきました。

また、多くの方がイベント終了時間まで Meet the Experts ブースにご滞在くださり、体験や最新の情報入手に積極的だったのが印象的でした。

Cisco Scale Innovation Day のレポートとしては最終号となる次回では、ゲスト講演や最新ソリューションを含むセッション後編の模様をお届けします。お楽しみに。

 

 

 

Authors

石黒 圭祐

執行役員

スケールビジネス事業統括

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