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第二回Meraki D-1グランプリ ファイナルステージ

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8/4(Fri)に東京オフィスにおいて第二回Meraki D-1グランプリ、ファイナルステージを開催致しました。昨年に続き第二回ということでコロナ禍の制約も解除されたため、前回よりも広い会場を用意し、ファイナリストおよびD-1グランプリ参加チームにお越しいただき、Webexを使用したライブ配信も致しました。

Meraki D-1グランプリについてはこちらもご参照ください。(2023.09.04 update)

 

Meraki D-1グランプリとは

MerakiのAPIを使ったAPIハッカソンイベントとして昨年から開催している作品コンテストとなります。1チーム5名のチーム制による参加で、各チームは応募要項に沿ってそれぞれ作品を完成してもらい、そのアイディアや完成度を一次審査とファイナリスト5チームによるファイナルステージを行うイベントです。応募要項についてはこちらをご参考ください。

今回の特徴としては選択性となる以下のテーマを加えておりました。

  • グリーン、GX、サステナビリティ
  • アフターコロナ、これからの働き方
  • 高齢化社会
  • 少子化・子育て
  • リスキリング(Re-Skilling)

また、今回は第二回ということで前回と異なる催しとしてフレンズミートアップと称した中間イベントを開催。参加チーム同士での交流を行いました。
中間イベント内容についてはこちらもご参照ください。

 

ファイナリストのご紹介

チーム名 所属組織 作品名
NOP D-1 チーム ネットワンパートナーズ(株) NOP スマートオフィスソリューション
ネットワン valley 部 ネットワンシステムズ(株)
ネットワンパートナーズ(株)
Cisco Meraki でみんな Happy! Smart 保育園
JunTech 順天堂大学 Senior Vigilance Wellness Enhancement
Meraki による高齢者の見守りと健康促進
ヤング EDA ミツイワ(株) Meraki as a Service の実現
J.F.K 静岡理工科大学
袋井市役所
(株)トーエネック
順天堂大学
学校給食を通じた”学びと安心”の新たな時代へ

 

ファイナリストによるプレゼンテーション

主観になりますがそれぞれのファイナリストのプレゼンテーション内容と個人的に心に響いた点を纏めてみました。

まず最初に登壇いただいたのはNOP D-1チーム。
作品は品川区勝島に新たな事業拠点として開設されたイノベーションセンター「NetOne Valley」を例にしたスマートオフィスソリューションでした。

会議室の予約にまつわる課題をスマートに解決するソリューションでした。私も個人的に経験したことありますが、予約した部屋をうろ覚えでお客さんをロビーでお迎えし、「あれ?どこだったけ?」と言って慌てて予定表を確認したりすることありますよね。

NOP D-1チームのすごいところは、ロビーのMVカメラでチェックインすると顔認識から個人を識別し、MS365からその人が予約している会議室を自動的に確認してくれるところでした。さらにはロボットがその部屋まで引率してくれるというイノベーションセンターらしいアイディアも含まれていましたし、会議室のMTボタンでゲストWi-Fiアカウントを自動発行してくれるところも現場ならではの視点でした。このソリューションは会議室は予約したけど使っていない、というダミー予約を可視化してくれるところもリアルな利用率の可視化は経営者にとってもオフィス設計に重要な視点だと思いました。

 

続いて登壇いただいたのはネットワンValley部。
保育園の課題を実際に保育士からヒアリングを行い、その大変さから「なんとかしてあげたい」という想いから作られたものでした。

ニュースでも報じられ社会問題となった園バス置き去り問題をMVカメラで検知と通知。園児でも押せるMTボダンによる通知という分かりやすい機能から始まり、園内環境の見守りとしてMVカメラやMT温度湿度監視。保育士さんのヘルプボダン、退園時の園児の気持ちをPushしてもらいデータとして蓄積・分析するデータドリブンな園運営といったデジタル化された保育園ソリューションでした。
温度湿度の監視はしきい値を超えればSwitchBotで空調の制御行うなど他の製品とも連携しており、保育園に限らず汎用的に色々な場所でも利用できる「あったらすごく嬉しい」機能でした。
子供を実際に保育園に預ける保護者の身からするとこのようなデジタルによる客観的な監視や対策があることは不慮な事故を未然に防げる非常に安心できるものだなと感じましたし、保育士さんの負荷軽減のためにデジタル化を推進する助成金などが出てくれたらいいなと感じました。
チームメンバの塩屋さんも今回の作品についてブログ化されているのでこちらもご参考ください。

 

3番目に登壇いただいたのはJunTech。
順天堂大学の医学研究科でヘルスケア・医療を学ぶ学生による介護業界に注目したIoTによる高齢者の見守りと健康促進を実現した作品でした。

負担の大きい在宅介護をデジタルでスマートに解決にしたい、という思いを強く感じました。私の両親も田舎で暮らしており、いずれは介護が必要になるのではと思うと他人事ではなく聞かせていただきました。

MTボタンによる遠隔地からの緊急アラート連絡は遠くに済む高齢の親族を持つ家族からすると欲しい機能です。ドア開閉センサーとカメラを連携させることで外出時間と服装などの特徴がわかっていれば、迷い人となってしまっても捜索に役立ちますね。既に介護が必要な人だけの作品ではなく、Fibitで普段から健康データを蓄積し、変化に気づいたり、特に面白かったのはMTボタンをAlexaと連携させて認知症予防ゲームにしてしまうあたりは発想が目からウロコでした。更に感心させられたのは、この取り組みを実際に自治体の方と高齢者の方からフィードバックを得ているという点でした。先生の指導もあったのだろうと思いますが素晴らしい完成度だったと思います。

 

4番目に登壇いただいたのは前回優勝したミツイワ㈱から参加いただいたヤングEDA。
誰もが簡単にMerakiのサービスを享受できるプラットフォームという作品でした。

ユースケースとして、オフィス利用者が様々なサービスを簡単に享受できるという内容が紹介されました。利用者へのインターフェース例としてLINEから利用したいサービスをBotに依頼すると、それをChatGPT APIを使って処理可能な言葉にパースし、実際に命令に落

とし込んで実行し、結果をLINEで返信するという利用者にはわかりやすいプラットフォームでした。SALTOという物理セキュリティ製品と連携して、利用したいオフィスへ行ったときに、ドア開閉の権限の付与をダイナミックに行うなど先進的かつ利便性の高いユースケースも紹介されていました。このシステムのすごいところは汎用性が非常に高いというところでした。発表ではオフィス利用に特化していましたが、あくまでプラットフォームであり、様々な用途に汎用的に応用できるもので直ぐにビジネスニーズに対応できる、Ready to sellな作品でした。さすが前回優勝チームだなと感じました。

 

最後に登壇いただいたのはJ.F.K。
大学と市役所給食課、給食センターの設備担当の方による学校給食を舞台にした作品でした。

プレゼンテーションを担当いただいた静岡理工科大学の大場さんは現地参加ができなかったのですが、Webex越しに熱意が伝わる発表をいただきました。学校給食法で温湿度管理が求められており、温度25℃以下、湿度80%以下であるように調理室を保ち、毎日その測定を記録していかないといけないそうです(初めて知りました)。現状はスポットでの温湿度測定とその記録を人により記録され、継続的に観測しているものではなかったそうです。また週一で調理室をチェックに行かなければいけないという労力もあったようですが、実際の給食センターでMT温湿度センサーにて継続的に測定すると梅雨時期はしきい値を超えてしまう時間帯もあったそうです。また、現地に行く必要もなく継続的に記録され、かしきい値を超えた場合はWebexスペースに通知が届くというデジタルにより学校給食に最も求められる安心性が向上し、設備設計にも参考になるというものでした。また、この作品では食育についても考えられておりました。思い出してみると小学校の頃の楽しみのひとつは給食の献立でした。好きな献立の日は気分が高まった記憶があります。給食センターのMVカメラからYoutubeにライブ配信し学校のモニタで視聴できるようにすることで子供たちへの食育に貢献できるだろうというものでした。想像ではなく実際の給食センターでの課題に対して現場での実証を行いその効果測定を行っているあたりが秀逸でした。

 

第二回ファイナルステージ審査結果!

ファイナルステージ審査員による厳正なる採点および審議を行い、優勝および審査員特別賞を選ばせていただきました。審査員からは甲乙つけがたく残りの2チームにも何か賞は作れないのか?という話となり、急遽2つの特別賞を準備することとなりました。

別室にて厳正なる審査をするファイナルステージ審査員一同

  • 未来の働き方賞、NOP D-1チームNOP スマートオフィスソリューション!

会議室予約はデジタル化されていても実際の利用にはまだまだ不便さを感じているものを見事に解決している素晴らしい作品でした。個人的には予約しているのに使われていない会議室の可視化は重宝すると思いました。

 

  • ダイバーシティ賞、「J.F.K」学校給食を通じた”学びと安心”の新たな時代へ

市役所給食課の方と給食センター設備担当のトーエネックさん、大学がタッグを組んで食の安全と子供たちの食育に取り組んだ素晴らしい作品がダイバーシティ賞を受賞しました。Webex越しに景品を共有いたしました(冗談)。

 

  • 審査員特別賞、「ヤングEDA」Meraki as a Service の実現

前回優勝したミツイワ㈱さんが作り上げた、誰もが簡単にMerakiのサービスを享受できるプラットフォームでした。本当にユースケースは多々あると感じる汎用性に優れた素晴らし作品でした。

 

  • 審査員特別賞、「ネットワン valley 部」Cisco Meraki でみんな Happy! Smart 保育園

審査員特別賞のもうひとチームは保育園のデジタル化による子供の見守りと安心安全環境、さらには園児のCSをデータ化していこうというビジョンも含んだ素晴らしい作品でした。

 

  • 優勝、「JunTech」Senior Vigilance Wellness Enhancement Meraki による高齢者の見守りと健康促進

第二回Meraki D-1グランプリ優勝は、JunTech!!ますます高齢化社会となり避けては通れない介護業界の課題をIoTで解決する取り組みと、自治体や高齢者からフィードバックを得ているという説得力が審査員の心象に大きく響いたと思います。堂々としたプレゼンテーションも素晴らしかったです。

 

第二回Meraki D-1グランプリを振り返ってみて

前回の経験から第二回はすこし新しい要素を組み込みたいという思いはありつつ、本業に忙殺され企画開始が想定より遅れてスタートした第二回でした。実行委員会メンバは多少の入れ替えはありつつも若手SEにも参加していただき、新しい風を内部にも持たせつつ、フレンドミートアップや、アフターコロナでのイベント開催など前回とは違った企画を完遂できたことをまずは嬉しく思います。

参加応募いただいたチームの方にも余裕ある開発期間を提供できなかったを申し訳なく思いますが、その中でも素晴らしい作品を持ち込んでいただいたことを改めて御礼申し上げたいと思います。確実にクオリティは上がっていると感じました。このイベントはシスコSEと営業が中心の有志メンバーによる企画運営で、多々至らぬ点はあったかと思いますが、手作り感のある、温かいイベントにしたいという思いは実現できなのではないかと自負しております。この場をかりて改めてご協力いただいた方々に感謝を申し上げます。

次回開催については終わったばかりで全く考えられませんが、このようなAPIハッカソンイベントは継続していくべきだという思いは変わりません。またご参加いただいたチームもしくはこの記事を見て次回あれば参加してみたい!という方が声を上げていただけると我々としてもグレードアップした第三回を考えてみたいと思います。どうもありがとうございました!

 

 

Authors

Satoshi Katayama

Technical Solutions Architect

Meraki

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