今回は、前回からの続きで、従業員のライフステージと企業の就業規則、福利厚生について、子育てと介護をご経験したWoCのメンバー福永 啓蔵さん(以下、Keizo)さんのお話を伺うインタビューの続きをお送りします。
前回第1弾は子育てを中心に伺い、今回第2弾では、現在子育て中の青柳さん、西本さん、また横井桃子さんからの質問に答えてくださいました。
【変化への不安 キャリアと経済面 】
西本:
質問:子育てを開始した2000年頃は、シスコのカルチャーも相まって制度を使わなくて済んだということでしたが、その頃と制度も変わってきています。今だったら制度を使った方がいいと思いますか?それともこの企業文化の柔軟性で普段通りに働いていけると思いますか?
男性の育児や介護に取り組むと、家庭に対してはプラスであるとは理解できるのですが、営業職だと売上目標や成果により収入も変化します。その時の成果や評価により、収入が減ると経済面はマイナスになってしまう懸念があります。
それ以外にもキャリアという意味で、休んでいたら不安になる、今後介護をしていく年齢には結構リアリティがあります。ぜひ、今の制度で活用した方がいいと思うことをアドバイスいただきたいです。
Keizo:
まず、個人の経験として、卑怯な言い方すると、制度を使わない(ライフスタイルを変化させない)からサラリー(支払われる給与)は保証されたってと言えると思いますね。
小林:
お子様を持つ方また、結婚をされていない方からも、西本さんが仰った経済面とキャリアの向上を目指す中での葛藤の声は聞かれます。制度をあえて使わずに、フレキシブルな働き方を継続された背景や実情について教えてください。
Keizo:
別に制度があることを否定するわけではなく、実際問題として、すごく勝手な解釈をすると、Ciscoみたいに柔軟に働けないところは、そういう制度がないとライフステージの変化する中で働けないと思うんです。ところがCiscoみたいに、みんなが多様な働き方に「いいんじゃない?」と柔軟なセンスを持っていると、制度頼みでなくてもいい、そこまで制度が絶対ではないのじゃないかとも思っています。というぐらい、このCiscoのカルチャーとか柔軟な働き方っていうのは、素晴らしいと思いますね。
小林:
Ciscoの今ある制度の中で、”これは使いたい!これはいい!”と思うものはありますか?
Keizo:
端的に言うと、金銭面のサポートしてくれる、お金がプラスになるようなものですね。例えばベビーシッター、家の掃除などお金で解決できる問題とそのためのサポートは、いっぱいあるので、そこを補助してもらえるっていうのはすごく助かります。Women of Ciscoでも議題に上がりましたが、結局一番きついのは、時間に関わることです。表現がいいかは別として、時間をお金で買うためのお金のサポートがあるのはとっても助かります。
小林:
金銭面の補助は、非常に有効であるとのことですね。
時間とお金については、Women of Ciscoでも話題になりますが、介護や育児だけでなく、1人であってもやりくりが大変な時はありますよね。小さいお子さんがいらっしゃる方から、ベビーシッターはお金がかかるんだけれども、急な出張や保育園の休園の場合などに、人に預けられて自分の時間を持てることは大事で、その費用補助があるのはありがたいという話がでていましたね。
Keizo:
そうなんですよね、うちで子供が小さかった頃にありがたかったのは、部屋の掃除ですね。当時、多分2週間に1回ほど、お部屋の掃除サービスを使っていました。特に水回り、お風呂掃除はとても助かりましたね。
小林:
やっぱり、専門家、プロフェッショナルの技術が良かったということなのでしょうか?
Keizo:
プロの仕事で綺麗になるのはもちろんなのですが、この仕事は、それなりに時間を取られる仕事なのです。でも、本当に、子供がちっちゃいとそんなことできないのです。例えば子供と一緒に遊んで、寝かしつけてからやればいいって思うかもしれないですけれど、子供寝かすとこっちも電池切れて一緒に寝ちゃうのですよ。そんな理屈通りにうまくいかないし、もう部屋の中がぐちゃぐちゃで生活していますから。そんな中で、定期的に人が来て掃除してくれるというのは、本当に良かったですね。
横井:
先ほどのお話しで、ご夫婦の中で分担をすごくきちんと分けられている印象だったのですが、小さいお子様がいると、風邪など予期せぬ事態がよく起きると聞きます。そういった事態への対応は、フレキシブルな働き方をしてるKeizoさんが対応されたのでしょうか?不測の事態にも、すぐ対応ができる柔軟な働き方ができていたのでしょうか?
Keizo:
ずいぶん前のことで思い出せないこともあるのですが、やはり夫婦の間でその都度調整しました。それでもどうにもならなかった時が、確か何回かあったと思います。その時は、一般に言うママ友やパパ友というか、共に育児をする方々にサポートをお願いしたことがあります。どうしても外せないミーティングがあり、もう土下座状態で謝ってなんとかしてもらうこともありました。私たちの場合は保育園を利用していましたが、結構良い人間関係を持てた保育園で、友達というか、同じく、母親、父親という立場の友人関係を持つことができて、お互い助け合うことができました。
横井:
家族だけではなく、理解してくれる方を周りに増やすことが大事ですね。
小林:
自社を超えた関係者の方の理解も必要になってきますね。
Keizo:
私の場合はお客様のエグゼクティブとのミーティングというのではないですが、大事なミーティングが、自分の家族のことが原因でキャンセルになったと言うことはありました。
小林:
なるほど、謝罪をするような体験もされつつ、周囲からの理解を得たということですね。土下座しないといけないと思うような局面まで個人が追い込まれないで働ける状況でありたいですね。業務のあり方やマインド、他者からの理解やサポートなどできることが、まだまだありそうです。
第2弾はここまでとなります。次回第3弾は介護体験の話をお伺いしていきます。