本記事では、シスコの 5G トランスポートドメインで使用しているセグメントルーティングを用いたネットワークスライシングおよび xHaul の概要と 5G ショーケースで公開しているデモをご紹介します。
5G トランスポートとネットワークスライシング
5G のネットワークでは 、エッジコンピューティングへの対応や遅延に敏感なトラフィックへ対応するために、エンドツーエンドでの IP による接続性が必要だと言われています。これは Any-to-Any での接続を考慮した際、柔軟なサービス提供を行うための経路制御に必須となるものです。さらにネットワークを構成する要素を減らし、フラットな IP ネットワークを構築することによって、ネットワークがシンプルに構成でき、オペレーションの簡素化、さらには迅速なサービス展開につながります。
このような 5G の要件も含めて、さまざまな要件が重畳されるネットワークでは ネットワークをスライシングする技術が必要になる場合があります。IP ネットワークの簡素化についてシスコでは、セグメントルーティングと呼ばれる技術を提唱してきました。セグメントルーティングは、ネットワークスライシングとも親和性の高い技術であり、5G ショーケースでは MPLS および IPv6 の2つの方式でのセグメントルーティングを用いてネットワークスライシングを実現しています。
さらに 5G ショーケースでは、モバイルシステム上のトランスポートの概念である fronthaul / midhaul / backhaul のすべてを、RAN のアーキテクチャに基づき、セグメントルーティングのインフラ上で展開しています。これによって5G トランスポートネットワークにおける運用形態の 1 つをお見せすることができると考えています。
ネットワークの Provisioning の自動化と可視化
5G ショーケースでは、サービスプロバイダーネットワークの運用において大きな課題の 1つである、マルチドメインにまたがる End-to-End スライシングを実現しており、シンプルで効率的な展開と運用を可能にするアーキテクチャをご覧いただけます。
5G ショーケースでは、5G 時代にトランスポートに求められる、大容量、コスト最適化、運用高度化を実現するアーキテクチャを採用しています。他ドメインとの接続を実現するSR-MPLS およびSRv6 のご紹介、ならびに Crosswork Network Controller(CNC) を連携し、セグメントルーティングを用いたネットワークスライシングの Provisioning の自動化および可視化ソリューションをご覧いただけます。
5G ショーケースでご覧いただけるデモ
- セグメントルーティングを用いたネットワークスライシング
IGP メトリック/TE メトリック/遅延といった値に基づき、動的に最適なスライスを選択できる SR-TE/FleAlgo 機能をご紹介します。
SR-TE/FlexAlgo を柔軟に組み合わせることで、様々な要件に対応するネットワークスライシングが実現できます。 - CNC を用いた Provisioning の自動化、ネットワークスライシングの可視化
CNC を用いた SR-TE、VPN の設定自動化、各 SR-TE の可視化機能をご紹介します。 - RoE(Radio over Ethernet)
RRH(RU) とBBU(DU) 間で無線信号を送受信するためのディジタルインターフェイスであるCPRI(Common Public Radio Interface)を Ethernet 上に通す技術である RoE を用いて、セグメントルーティングのインフラ上に展開しています。
ネットワークスライシング、Provisioning の自動化、ネットワークの可視化は、5G 時代に欠かせないネットワークソリューションです。これらのメリットを、実際にデモをご覧いただき体感してください。ぜひ弊社営業にお声がけいただき、お客様のユースケースを踏まえた議論を 5G ショーケースデモを通して実施できればと思います。
シスコ 5G ショーケースの詳細はこちら:
www.cisco.com/jp/go/5gsc