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NTT 東日本×シスコ ローカル 5G 実証実験


2021年11月15日


シスコでサービスプロバイダーアーキテクチャ事業を担当している髙橋 敦です。今回は NTT 東日本様と実施した「ローカル 5G」の実証実験についてご紹介します。

5G ビジネスの近況

5G は都市部を中心としたエリアで商用サービスが開始され、現在、人口カバー率向上のためのインフラ整備が進んでいます。シスコは日本において、数多くの通信事業者の 5G 関連インフラの展開支援を行い、サービスプロバイダールータの国内市場シェア77%を誇ります。

最近では、5G 関連のインフラの展開に加え、5G やローカル 5G を活用して、いかにビジネスベネフィットを創出していくのか、という検討が急速に進んでおります。とりわけ、いま特に注目されているのが「ローカル 5G」です。サービスプロバイダーだけではなく、製造業を中心としたエンタープライズ、地方自治体や教育機関などのパブリックセクターといったさまざまなお客様から、お問い合わせや六本木にあるシスコ 5G ショーケースへの来訪依頼をいただいています。

実証実験:ローカル 5G で地域活性化と働き方改革を目指す

そうした中、総務省の令和 2 年度「地域課題解決型ローカル 5G 等の実現に向けた開発実証」において、新潟県新潟市と東京都渋谷区をつないで行われたのが今回の実証実験です。

新潟と東京の拠点間で、「ローカル 5G」等を展開して、高精細遠隔会議システムと 3D-VR 遠隔協調作業システムを活用したシームレスなコラボレーションを検証・評価しました。サテライトオフィスやリモートワークの新しい形を通じて、地域活性化と働き方改革を目指す試みです。

ローカル 5G で目指す地域活性化・働き方改革

この実証実験はコンソーシアム方式で推進されました。地元企業や IT ベンダー、新潟大学など、計 11 のメンバーから成る新潟ローカル 5G 実証事業コンソーシアムが中心となり、60 の企業・団体が参加しています。

シスコは代表機関として参画した NTT 東日本様と協力して、ローカル 5G システムの提供を支援しました。NTT 東日本様は、総務省が推進する実証実験において、2 年で計 6 つの案件に代表機関として参画されるなど、ローカル 5G 分野で圧倒的に豊富な知見を有します。今回のプロジェクトでは、NTT 東日本様とシスコが高度な技術力を連携させて、難度の高いプロジェクトを成功に導くことができたと考えております。

本実証実験についての詳細は、ぜひこちらの記事をぜひお読みください。

日経xTECH Special「ローカル5G」最前線

ローカル 5G 活用で新たな働き方を

 

ローカル 5G 普及に向けたシスコの取り組み

ここで今回の実証実験にも触れながら、ローカル 5G 普及に向けたシスコの取り組みについてご紹介したいと思います。その取り組みとは「オープン化の推進」、「マルチアクセスの実現」、「シンプルであること」です。まず、「オープン化の推進」は、イノベーションと経済性の加速に向けて、必要不解決な要素です。

ローカル 5G を実現するには、多様な機器を組み合わせて相互接続しなければなりません。しかし、ローカル 5G は新しい技術であり、各ベンダーが開発を進めている最中です。関連技術は急速に進化していますが、標準準拠の装置であっても実際に接続検証を進めると、期待した結果が得られないことも想定されました。

今回の実証実験では、アプリケーションで構成される上位レイヤはスムーズに導入することができました。一方で、インフラのレイヤではさまざまな技術的なハードルが露呈しました。この課題解決で力を発揮したのが、シスコ 5G ショーケースです。今回の実証実験では、ここに新潟のローカル 5G 環境を再現して、NTT 東日本様のチームと連携しながら課題を検討し、一つひとつの問題を解決していきました。

シスコ 5G ショーケースは、顧客企業やエコパートナーとの共創を目的に設置された施設で、通信事業者の通信インフラや企業内ネットワークを模擬した環境が用意されています。ここに高度な専門知識を持つエンジニアが集まり、日々新たな課題に取り組んでいます。お客様と同じ環境をつくり、実際に機器を触りながら試行錯誤できることで、エンジニアは自信を持って最適解を提案することができます。

次に「マルチアクセスの実現」に関しては、ローカル 5G とエンタープライズネットワーキングとの連携について、非常に多くのニーズがあります。将来的には、ローカル 5G、Wi-Fi6、有線などの多様なネットワークの併存が当たり前になり、それらを効率的に一元管理することが求められます。マルチアクセスの実現とローカル 5G の普及は、密接に関係してくると予想されます。

シスコはこれまで長きに渡り、サービスプロバイダーとエンタープライズの両方において、ソリューションを提供しております。その豊富な実績と技術力を基に、統合されたマルチアクセスを実現できる点こそが、シスコの大きな強みになってくると考えております。

ワイヤレスの将来:マルチアクセスネットワーク

また「シンプルであること」は、今後のローカル5G普及のドライバーになります。特に、機器の導入と管理のしやすさが重要なポイントです。この点においては製品ポートフォリオは異なりますが、シスコは Cisco Meraki の豊富な実績があり、NTT 東日本様の「ギガらくWi-Fi」でも採用いただいています。Cisco Meraki は、クラウド上で無線ネットワークを簡単に管理することができ、導入も容易です。また、機能性や経済性における競争力も高く、「同じようなモデルの検討がローカル 5G でも可能ではないか」と、NTT 東日本様からも言及されております。

今後もシスコはローカル 5G の普及に向けてイノベーションを加速させ、さまざまなテクノロジーとソリューション、そしてサービスの提供を予定しています。詳細に付きましては、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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