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シスコ派遣記 Season4 Ep4 – 北海道紋別市で行われた防災訓練に参加してきました!


2019年11月18日


北海道紋別市で行われた防災訓練への参加

夏も終わり、東京も大分肌寒くなってきました。北海道のこの時期は紅葉がピークを迎え、山々が様々な色に染まります。また、食べ物も海の幸、山の幸共に美味しいものが多く、旅行にはうってつけの季節です。実際、降り立ったオホーツク紋別空港にはツアーで来たであろう方々が多くいらっしゃいました。また、道の駅では中国語が飛び交い、道東でも海外からの観光客の波が押し寄せているなと感じました。写真は昼食のために訪れた道の駅にそびえ立つ紋別市のシンボルです。「カニの爪のオブジェ」とは何ともオホーツク海に面した地域ならではだと思いませんか?

さて、今回はこれまでテーマにしてきた「働き方改革」からは少し離れて、災害対策の観点からお話しをしたいと思います。近年、多くの地域で台風や地震など自然災害が頻発しており、北海道では昨年の地震で全域に及ぶ大規模停電を経験し、東京を始め関東圏では今年、台風による暴風雨や洪水等で甚大な被害が発生しました。自治体としてはこれまでにない未曾有の災害から住民の生命を守るため、様々な対策を練る必要性に迫られています。そのような中で今回、北海道紋別市で開催された防災訓練に協力企業として参加してきましたので、訓練の感想とシスコのソリューションが災害時どのように活用できるのかをご紹介したいと思います。

まずは、訓練のために会場へ運び入れたNevの紹介を簡単にさせていただきます。Nevはシスコのデモカー兼災害時の支援車両として全国行脚しているシスコネットワーク体験車(通称:Nev)のことです。平時は全国各地で行われているイベントで展示やテクノロジー体験、デジタルサイネージを活用したパブリックビューイングの提供などをしていますが、災害時には、災害対策本部の現地拠点として活用できるほか、Wi-FiやWebexを通じたコミュニケーション支援、デジタルサイネージを活用した避難誘導、災害関連情報の提供、自家発電による電力供給等も行うことが出来ます。

今回の訓練では、屋外会場に設置したNevをメインに ① Webex(テレビ会議システム)、② Meraki Go(無線LAN)、③ デジタルサイネージの3つのソリューションを提供しました。
Webexではまず、Webex Meetingsを使い、屋内で行われている避難所運営の様子を会場外にあるNevのデジタルサイネージにライブ映像として配信しました。映像は録画することが出来るので、当日訓練に参加出来なかった方に訓練の様子を伝えることが出来るほか、訓練の検証に役立てること等が出来ます。

その他にも、Webex Board(デジタルホワイトボード)とWebex Teams(チャットツール)を活用してテレビ会議で現地の情報を伝えながらハザードマップに災害時の情報をまとめるデモも実施しました。このデモについては、情報の集約化と現地情報の即時伝達、情報共有化の観点から多くの関係者から好評でした。会場に訪れた鈴木直道北海道知事にもデモをご覧いただきました。また、今回の訓練では実施しませんでしたが、その他にもWebexを使って避難所と診療所等の医療機関を繋ぐことで被災者の健康チェックやメンタルケアを実施することも出来ます。

また、会場内にMeraki Go(無線LAN)のアクセスポイントを設置し、Wi-Fiの無料開放を行いました。Meraki GoはWi-Fiを使用する際に指定したページを見ないと接続できないようにすることができるので、今回は「北海道防災情報」のページをリンク先に設定しました。これにより、利用者はまず自分が置かれている現状を確認してから情報収集をすることが出来ますし、自治体にとっては市民に伝えたい情報を伝えやすいというメリットがあったかと思います。実際に宿泊訓練参加者の半数近く方にご利用いただき、ただWi-Fiを開放するだけではないという点を非常に評価いただきました。自治体としては、防災情報をホームページやSNS等様々な形で発信していますが、それに辿り着くのが大変という声も聞こえますので、こうした方法もあるということを多くの防災関係者の方にお伝えが出来て良かったと思います。

最後に防災訓練に参加して思ったことは、「百聞は一見に如かず」ということです。頭ではこうなると思っていてもいざやってみると意外とそうはならないことが多くありました。今回の訓練でも屋内のネットワークを確保するにあたり、衛星の角度がきつく、電波をなかなかキャッチ出来なかったり、LTE回線が不安定だったり、機材のアップデートが始まったりと想定外のことが幾つか起こりました。普段から使っている機材を使用しても何らかのハプニングは起こるものです。災害時に使う資材の多くは普段、防災備蓄庫や庁内の会議室に眠っているものを使用することが多いと思いますが、普段使いしていないものはいざ使おうとしたときに本来のパフォーマンスが発揮できないということが多くあるのではないでしょうか。防災訓練は住民の方の準備だけでなく、眠った資材を呼び覚ます役割も果たしており、非常に重要なものだと痛感しました。こうした訓練での反省を活かして、いざ災害が起きても慌てることなく落ち着いた行動をしていきたいと思いました。

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