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Cisco Intersight – サーバ管理の新しいかたち : よりシンプルに。いつでも、どこからでも。


2017年10月19日


季節はすっかり秋となりました。「天高く馬肥ゆる秋」と同じように真っ盛りなのが、ハイパーコンバージド、Cisco HyperFlex システム。今回は、その HyperFlex のベースである Cisco UCS について過去を振り返りながら、最新情報をお伝えします。

Cisco UCS 誕生から現在まで

このブログを読んでいただける皆さまは記憶にあると思いますが、2009 年、シスコは従来のサーバの概念を超えた、全く新しいコンセプトのコンピューティング システム「Cisco UCS (Unified Computing System)」を発表しました。Cisco UCS は、従来のサーバに、シスコの得意なネットワーク、そして統合管理の機能を統合したものです。「仮想化時代に最適なシンプルな統合管理」をポイントに、世界中に多くの実績を作ってきました。当時は、単なるサーバではなく、新しいコンセプトであることを理解していただくため、解説にも力を入れていました。それでも、ユニファイド コミュニケーション(UC)用サーバと勘違いされたお客様から「Call Manager の後継ですか?」などと言われたこともありました。

2011年、Cisco UCS にストレージなどをセットにした「コンバージド インフラストラクチャ」をリリースしました。その代表例には、Cisco UCS とネットアップ社のストレージを組み合わせた「FlexPod」、VCE 社による 「VBlock」(当時)などがありました。実績のある他社製ストレージや仮想化ソフトウェアなどを検証済みのパッケージにすることで、システム全体のシンプル化、統合化を実現しており、お客さまに好評を得てきました。特に、シスコの検証済みデザインである CVD(Cisco Validated Design)は、システムの検討から導入の期間を短縮できると好評でした。

2016 年には、コンピューティングと仮想ストレージ市場に旋風を巻き起こしていた、ハイパーコンバージド インフラストラクチャ市場に、「Cisco HyperFlex システム」を投入しました。ここでも、従来型のハイパーコンバージド インフラに加え、Cisco UCS と同様、シスコの十八番である高速ネットワークによる統合管理を組み合わせ、次世代のハイパーコンバージド インフラとして世界中で急成長しています。

現在のサーバ環境構築の課題

現在、お客さまでは、サーバ インフラを構築や更新する際、オンプレミスにするか? パブリック クラウドにするか? またはハイブリッドか? などと悩んでおられる方も多いと思います。特にパブリック クラウドは、年間成長率は 20〜30% と言われるほど大きく伸びている市場であり、初期導入コストを抑え、かつ必要になればすぐに増減できる、買うのではなく使う、ということが受け入れられていると思います。わかりやすく言うと、「安くて、簡単に使える」という感じでしょうか。

一方、パブリック クラウドを検討したものの、サーバが手元にない、ということから、パフォーマンスやセキュリティが心配、思うように使えるかどうか疑問、さらにコストが本当に期待通りになるのか?、ということで、やはりオンプレミスで構築されるお客さまも多くおられますし、パブリック クラウドからオンプレミスに戻したい、とお考えの方もおられます。その結果、ハイパーコンバージド インフラを選択される方も多く、シスコでは HyperFlex とパブリック クラウドのコスト比較をしたブログも公開しています。

今、「Cisco Intersight」へ

2017 年、Cisco Intersight(インターサイト、と読みます)という、次の新しいフレームワークを打ち出しました。Cisco Intersight は、クラウド上から一括してオンプレミスのサーバ システムを集中管理し、オンプレミスのサーバ上で実サービスを動かすことで、エンドユーザに高い性能を提供する、というソリューションです。つまり、「管理者には簡単で、エンドユーザには性能がよく、コストも低い」という、多くの皆さまが求めておられるサーバおよびコンピューティング環境を提供することができるのです。

これには、シスコのクラウド サービス上で集中して管理することから得られるメリットも多くあります。一例として、シスコには、UCS や HyperFlex を運用する上での知見やノウハウが数多くあり、収集された情報などを含め、継続的に機械学習されています。そしてその知見をそれぞれのお客さまへ提供することができるようになるのです。

例えば、あるお客さまのサーバの現在の状態情報を分析し、その結果から、そろそろ故障する予兆がある、という場合、その案内をダッシュボードに通知することができるようになります。最近、このようなものはよく AI というキーワードとともに自動車の自動運転にも例えられますが、現段階では、自動運転というレベルではなく、安全運転を支援する情報を提供できる、と言ったほうがよいでしょう。自動運転というと、手足を離しても車が状況を判断して勝手にハンドルやアクセル、ブレーキをきかせてくれる、というイメージだと思いますが、まだそのレベルではありません。現段階では、テレメトリー データを収集して分析し、点検や交換を促したり、アクセルやブレーキの癖を見極めてエコドライブを促したり、渋滞情報を提供して最適な経路を導いてくれる、ということに例えられます。

現在の UCS の場合、自動運転にイメージの近いワークフロー ベースの自動化をするには UCS Director などの別ツールが必要ですが、Cisco Intersight は将来の本格的な自動運転化を見据え、1〜2年後のさらなる拡張を予定しています。クラウド上での拡張ですので、今製品を購入いただいたとしても問題ありません。将来、本当の自動運転化ができるようになると、サーバやインフラの管理はどうなってしまうのでしょうね。夢は膨らみますね!

Cisco HyperFlex Edge

クラウド上から世界中のコンピューティング環境を管理できる Cisco Intersight が活躍する場面を考えてください。日本全国、さらには世界にまたがるオフィス、支店、営業所などのサーバを統合管理するのに役立つでしょう。ただし、サーバ統合と仮想化は進めるものの、システム上、どうしても各拠点にサーバを置かざるを得ないことは多々発生するものです。そのような状況でも、管理や運用ポリシーは本社で一括して管理する必要があります。

このような場合、おすすめなのが、HyperFlex Edge(エッジ)を組み合わせた構成です。本社や主要拠点には UCS B/C シリーズや HyperFlex のクラスタを、小さなオフィスには HyperFlex Edge を導入し、Cisco Intersight を使って一括管理する、というものです。

HyperFlex はおなじみのハイパーコンバージド製品ですが、最近リリースした HyperFlex Edge は、既存の 1GE スイッチを使って接続することができる(つまり、ファブリック インターコネクトが不要)簡単導入ソリューションで、ブランチ オフィスなどに最適です。HyperFlex は従来から簡単セットアップと高いパフォーマンスを売りにし、世界中で 2,000 社を超えるお客さまにご利用いただいています。HyperFlex Edge によって、さらに簡単に、かつ、幅広くお使いいただけるようになりました。

さらに、この Cisco Intersight の Base Edition (最も基本的なソフトウェア)は無償で提供されます!つまり、UCS や HyperFlex を買えば、自由に使うことができるのです。そして、日本語 GUI 環境も準備を進めています。現在は、Tech Preview といういわゆる開発環境ですが、以下のように日本語化も進められており、年末までには正式版としてもご利用いただくことが可能になる予定です。

Cisco Intersight について、詳しくは TechWiseTV というビデオ プログラムの中で解説されています。英語なのですが、デモ画面を含め、比較的わかりやすくできていますので、是非ご覧ください。(Intersight について詳しい部分は、開始から 19 分ぐらいから始まります。)

 

これからも Cisco UCS、HyperFlex そして、Cisco Intersight にご期待ください!それぞれ以下のリンクから詳細情報をご確認いただけますので、是非アクセスしてください。

 

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