この記事は、シスコのデータセンター担当ソリューション マーケティング マネージャであるジョアン・スターク(Joann Starke)によるブログ「 Improve the Ways and Means of Application Delivery」(2014/5/19)を意訳したものです。
企業は今日、データセンターの広範な見直しを進めています。インフラストラクチャからソフトウェア、プロセスまで、すべてが対象となり、データセンターをビジネスに役立たせる方法といった、もっと根本的な問題も注目されています。この動向の要因の 1 つに IT の自動化があります。IT の自動化は不可欠な要素です。自動化なくして効果的な IT はありえません。IT 部門に俊敏性がないと、ビジネスコストが増大します。企業はこのことを実感しているからこそ、あらゆるレベルで IT プロセスを自動化したいと考えているのです。自動化によるより高い効果、製品化までの時間の短縮、イノベーションの推進は、結果的に業績の向上や競争力の強化につながります。IT の自動化それ自体はすでに実証され、細部まで説明できる段階となっています。
今週サンフランシスコで開催されるCisco Liveでは、実際に自動化がどの程度企業に浸透しつつあるかをご覧いただけます。企業が求めているのは、VMの提供ツールで仮想マシンを設定するといったポイント手段ではなく、アプリケーションからそれをサポートするインフラストラクチャまで、ソリューションスタック全体を自動化する方法なのです。
5 月 16 日金曜日に発表されたCisco UCS Director 5.0 を使用すれば、物理か仮想かに関係なく、ネットワーク、コンピューティング、ストレージなどのリソースをプロビジョニングするのに必要な手順をすべて自動化し、1 つの画面でコントロールできます。Cisco UCS Director 5.0 では、2,500 時間分を超えるマルチベンダーオーケストレーションタスクが事前に構築されているため、スクリプトベースで作りあげるソリューションと比較して、新しいインフラストラクチャインスタンスの導入速度が最大 90 % 向上します。昨年 11 月に、Cisco UCS Director による Application Centric Infrastructure(ACI)のサポートが発表されました。この最新リリースでは、サポート範囲が拡大し、Application Policy Infrastructure Controller(APIC)や Cisco Nexus 9000 シリーズスイッチ用の ACI ファブリックにも対応しています。
なぜ、このようなサポートが重要なのでしょうか。インフラストラクチャとビジネスアプリケーションは階層構造で連動しています。コンピューティング、ネットワーク、ストレージのリソースはアプリケーションのパフォーマンスに不可欠な基盤と言えます。Cisco UCS Director は、UCS のサービスプロファイルと APIC のポリシーを結び付けて、アプリケーションに則したインフラストラクチャコンテナを提供します。このコンテナによって、アプリケーションの全ライフサイクルを通じ、各アプリケーションの特定の要件に合わせて、すべてのインフラストラクチャ要素が調整され、協調しながら機能します。
つまり、ユーザはあらかじめ調整済みのインフラストラクチャコンテナを使用できるのです。それでは、このコンテナをどう使えばよいのでしょうか。
Cisco Prime Service Catalog(PSC)がアプリケーションの要素、ミドルウェア、データベース、Web サーバを直接 UCS Director コンテナに設定することで、アプリケーションのライフサイクルが完成されます。アーキテクトは、Cisco PSC に組み込まれているグラフィカルキャンバスを活用して、アプリケーションの要素を直接 UCS Director のインフラストラクチャコンテナに対応付けることができます。Cisco PSC と OpenStack HEAT のユニークな統合によって、グラフィック表示として、下図のように構成済みのアプリケーションスタックを定義するアプリケーションテンプレートに変換されます。
JBoss ソフトウェア(オレンジ)がサーバに設定されているインフラストラクチャアプリケーションコンテナ
アプリケーションをサービスとして提供する手順はいたって簡単です。
ステップ 1:アプリケーションインフラストラクチャテンプレートを 1 つ選択します。
ステップ 2:価格、サービスレベル詳細、ビジネスポリシーを追加します。
ステップ 3:保存します。
こうして、サービスとしてのアプリケーションが最初から、そしていつでも、統一的に提供されます。開発者は使用可能なブループリントやスタックを参照しながら新しいサービスを設計できます。IT 担当者はアプリケーションスタックを手動で設定および設定解除する作業から解放されます。エンドユーザはプロジェクトに必要なものを約 40 分で手に入れることができます。ビジネス部門は業績を伸ばし、IT 部門は制御能力を維持できる。つまり、すべての人にメリットがあります。
サンフランシスコの Cisco Live に参加される方には、下記のセッションでさらに詳しくご説明します。
PSODCT-1405 アプリケーションセントリックなクラウド管理、火曜日 8:30 ~ 9:30
PSODCT-1004 Cisco UCS Director 5.0、木曜日 8:20 ~ 9:30