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The Internet of Everything(IoE)に関して最もよく聞かれる 2 つの質問に答える


2013年5月28日


Dave Evans この記事は Dave Evans によるブログ「Answering the Two Most-Asked Questions About the Internet of Everything #IoEpopup_icon(2013/3/18)を翻訳したものです。

シスコは昨年から The Internet of Everything(IoE)popup_iconを論じ始めました。以来、繰り返し次の2つの質問を受けています。

1)IoE The Internet of ThingsIoT)との違いは何か

シスコは、IoE を人(人間)、プロセス(人間、データ、モノが連携するための管理)、データ(豊富な情報)、およびモノ(無生物やデバイス)を結び付け、従来よりも関連性と有用性の高いネットワーク接続を実現するものと考えています。IoE で得られる情報を基に行動を起こすことで、新たな可能性やより豊かな体験が創出され、企業、個人、国家にかつてない経済価値が生まれます。

この定義をより深く理解いただくために、インターネットの進化を簡単に振り返ってみます。1990年代初頭にインターネットに接続していたデバイスは基本的に「固定」されていました。たとえば、パソコンや端末などのデバイスを使用するには、机に向かわなければなりませんでした。1990年代終盤には固定デバイスの数は約2 億台に達し、最初のピークを迎えます。

2000年になると、デバイスは人と共に移動するようになります。まるでレンガのような初期の携帯電話を覚えているでしょうか? 固定型デバイス(マシン)とモバイル デバイス両方の急増とともに、インターネットに接続するモノの数も増大し、今年にはその数が100 億に届こうとしています。このようなインターネットの成長の波が IoT(私は「デバイスの時代」と呼ぶこともあります)の先駆けとなったのです。

インターネットの成長の 3つ目の第3 はすでに来ています。インターネットに接続するモノが、人々やインテリジェントなデータに結び付けられるようになりました。2020には、IoEが500億の人々、データ、モノを結び付ける可能性があります。

それでは、IoT と IoE の違いは何でしょうか。インターネットの進化が示すように、IoE(4つの要素:人々、プロセス、データ、モノ)は IoT(1つの要素:モノ)の上に構築されるものです。IoTをさらに発展させることで、インターネットの力が増強し、企業や業界の業績が向上し、人々の暮らしをより良いものになります。

2)つながりが深まる世界でセキュリティとプライバシーをどう守るか

ハッキング攻撃が日常化し、あらゆる組織が影響受ける可能性があります。情報の詐取と不正利用が日常化している現在の社会を考えると、IoE によって人、プロセス、データ、モノがすべてつながることを憂慮する(または恐れを抱く)のはごく自然なことです。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のアレックス・ペントランド教授popup_iconは、「つながり(connectedness)」についての最先端の研究者です。

  • 個人情報があなたのものとして法的に認められる—米国政府が、消費者のプライバシーを重要視する消費者プライバシー権利章典popup_iconの執行が推し進めようとする一方で、セキュリティとプライバシーの議論が根本的に変わる動きがあります。将来的に、あなたに関するデータあるいはあなたがオンライン上に作成したデータの所有権を、それを収集する企業(Amazon.com、Facebook、Google、Twitter など)ではなく、あなた自身が握るようになるかもしれません。
    現在、Facebookは、あなたがのニュースフィードにあ投稿した写真の所有権は、(あなたではなく)Facebook 側にあると主張しています。「自分自身の」情報について私達が持つ(あるいは持たない)権限は、ほとんどの人が読まずに同意しているセキュリティポリシーによって定義されています。もし、自分自身の情報に対する法的権利を個人が持つようになれば、個人情報を収集して利用する方法を制御できるようになります。個人に関するデータはその人物の財産であり、所有物であるという考えが勢いを増しつつあります。イギリスpopup_icon世界経済フォーラムpopup_iconEUpopup_icon などで個人情報の保護を基本的人権として認める動きが起こっているのはその例です。
  • 個人情報が金銭と同じようなものになる—データ所有権の問題に対し統制が実施されれば、インターネット上のトラフィックの大半を占める、比較的重要度の低いデータにインテリジェントな情報が付加されることになるでしょう。データがどこで作成されたのか、誰が作成したのか、どこに送付されたのかといった情報が付加され、データブロックが増大するでしょう。データが、追跡や転送が可能なオンライン銀行口座内のお金のようになります。そうなれば、問題が発生した際には、調査が可能になり、ポリシーや法律を徹底できるようになります。さらに、知的所有権と同様に、個人情報の所有に関する権利も司法のもとで行使されるようになるでしょう。
  • 個人用データ ストアpopup_iconがあなたの情報を保護する—データの所有権を持つことで、自身の情報を制御するだけではなく、情報を保護することができます。さらに、自分の情報を有効活用することもできます。たとえば、自身のデータの機密性と安全性を守りつつも企業に対し私たちの個人的嗜好の情報を提供し、代わりに少額の代金や何らかの見返りを受け取ることができるようになります。データストアは解析を行うことにより、我々の個人情報から結論を導き出します。ある企業が我々について知りたい場合、データストアに質問を投げかけます。するとデータストアは、我々の許可のもと、企業にデータ自体へのアクセスを許すことなくその答えを提供します。研究組織 Ctrl-Shiftpopup_icon によると、個人用データ ストアサービスはすでに複数存在しています。

上記に加え、ネットワーク自体が IoE のセキュリティ向上のために重要な役割を果たすようになります。現在のネットワークインテリジェンスはほぼ中央集中化されており、インターネットの「エッジ」からは離れた場所に存在しています。ネットワークが IoE と共に進化するにつれて、入力され、インターネット上を流れるデータをベースとしたインテリジェントな意思決定がより分散化されて(必要とされる場所で)行われるようになるでしょう。この機能を用いれば、セキュリティ上の脅威を阻止できるだけでなく、害が及ぼされる前にそれを特定し、場所を突きとめることも可能です。

今後どのように IoE が進化していくか確かなことは誰にもわかりませんが、セキュリティとプライバシーの問題には、これまでと同じように、個人、組織、企業、そして政府が一丸となって対処していくと、私は信じています。また、テクノロジー自体も問題解決に不可欠な要素となるでしょう。最終的に、結果を左右するのは私達です。インターネットが生活を向上させる力であり続けるためには、私たち自身が努力を続ける必要があります。

フューチャリストとしての私のブログでには多くの質問が寄せられます。、回答できる数以上の質問をいただくことがあります。IoE と IoT の違いについて、私の回答は十分でしたか。またつながりが深まる世界でのセキュリティとプライバシーに関するあなたの懸念に応えることができたでしょうか。 ぜひコメントをお寄せください。

 

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3 コメント

  1. 日経のITproに,米国の10代のネット事情が掲載されていました。
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130730/495364/?ST=security

  2. 初めてお目にかかります。

    BBSの時代からは、覚醒の感がありますが。
    グローバルな視点から、ものを見ることは、私たちでは難しいでしよう。

    そこで、Twitterの問題点ついて、私の思いを少しだけ、Twitterの文字は、133文字に制限されています。
    大人は、133文字で何を伝えれば好いのか、理解して使用していると思います。

    しかし、子供たちは、夢中です。
    子供たちは、これが世界で、自分の意見に賛同してくれる友を、捜し求めます。
    たった133文字で、そして、自分の知らない人たちが、怒り出します。
    133文字で繋がっている人たちです。133文字だけを見て、その背景は、解りません。

    これでは、いじめの要因を、提供している様な物になってしまいます。

    133文字であったとしても、大人が、問題に、答えて揚げられる様な物に変えられないか。
    子供たちが、優しい繋がりを持てる様な物に変えられないかと思います。

    •  失礼しました。
      133文字ではなく、140文字の間違いようです。
      失礼しました。