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(実験室) TC 7.3 新機能ご紹介: SX10 会議機能 / SX20 デザイン一新 / SX80 レイアウト拡張


2015年1月6日


Cisco TelePresence SX10 Quick Set をはじめとする Cisco TelePresence SXMXEX シリーズでは、「TC」と呼ばれるソフトウェアが搭載されています。この TC の新しいバージョン 7.3 が昨年末にリリースされました。

各 Cisco TelePresence の機能差分を埋める新機能がありますので、今回はそれをご紹介します。

TC 7.3 の新機能

9月に投稿したブログ記事では、シスコのビデオ端末 SX シリーズおよび MX シリーズのソフトウェアである TC 7.2 の機能拡張をお伝えしました。最新の TC 7.3.0 のリリースノートpopup_iconには、次の項目が新機能として記載されています。

  • Local preview of presentation in call(資料共有画面の事前確認機能)
  • SX80: Dual presentation outside call(SX80:非通話時の2画面資料表示)
  • SX80 feature updates(SX80:機能拡張)
  • SX20: New passive mode OSD (SX20:Touch 利用時の新しい画面表示)
  • SX10 feature updates(SX10 機能拡張)
  • Web snapshots: Warn user when snapshots are being taken Web(モニタ時の警告表示)
  • SpeakerTrack 60: Snap to whiteboard(SpeakerTrack60: ホワイトボード位置記憶)
  • Software upgrade speed improvements(ソフトウェア更新のスピードアップ)
  • General improvements(その他の機能拡張)

これらの項目について、順番に解説していきます。

Local preview of presentation in call (資料共有画面の事前確認機能)

主な対応機種: SX10,SX20,MX200 G2, MX300 G2, SX80, MX700, MX800 など

2画面のビデオでの会議時にPC の映像を資料共有として送信する際に、事前にどのような画面を相手に送信できるか確認できる機能です。例えば PC の設定が同じ画面を表示する「ミラーリング」の設定のつもりだったのに、画面を広く利用できる「拡張表示」になっていたため、相手に意図していない画面を表示させてしまう、という状況を防ぐことができます。

今までは EX シリーズだけ利用できた機能ですが、TC 7.3 からはどの機種からでも利用できるようになりました。

 

TC730-01

SX80 : Dual presentation outside call (SX80 : 非通話時の 2画面資料表示)

主な対応機種: SX80, MX700, MX800

非通話時に 2台のディスプレイの両方に資料を表示できるようになりました。

これまでも Cisco TelePresence MX 700 のように 2つの画面をもつモデルや、SX80 や MX 800 のようにディスプレイを追加できるモデルでは、片方の画面に通話(ビデオ会議)画面、もう片方に PC の画面(資料)を表示することができます。

KN67124

MX700 ビデオ通話中の資料表示

ただし、片方の画面がビデオ会議用となっているため、会議室内だけで会議を行っている場合、資料表示用に片方のディスプレイは利用できていても、もう片方を有効活用できていませんでした。

 

TC730-02

資料表示ディスプレイとして活用

そこで TC 7.3 からは、2画面目に別の PC からの出力を表示できるようになりました。

操作は簡単です。Touch コントローラを利用して、それぞれの画面に別の入力ソースを表示するか、同じ入力ソースの画面を2画面に表示すか、といった「レイアウト」を選択します。

TC730-03

利用できるレイアウトは下記の3つです。

  • ひとつの PC 画面を ひとつの画面に表示 (レイアウト:サイドバイサイドを選択)
  • ひとつの PC 画面を ふたつの画面に表示 (レイアウト:オーバレイを選択)
  • 2つの PC 画面をそれぞれの画面に表示 (共有アイコンから2つ目の入力ソースを選択)

SX80 feature updates (SX80 :  機能拡張)

主な対応機種: SX80, MX700, MX800

いままでの C シリーズにあって SX 80 にはなかった次の機能が、SX80 でも利用できるようになりました。

  • H323 / SIP 同時登録のサポート : Cisco Unified CM および Cisco VCS を同じ端末で同時に利用できます。
  • Multiway サポート : Cisco VCS の会議方式の一つである Multiway に対応しました 。
  • 音声端末の追加: 1:1 のビデオ会議に内蔵会議リソースを利用して1台の音声端末を追加 /通話中に3者目の端末を呼び出し多地点会議を開始する、会議室端末にログインし、自分の内線番号を会議室端末に持ち運ぶ、会議一覧を表示し、そこから会議に参加する、と言ったことが SX10 でできるようになりました。

 

SX20: New passive mode OSD (SX20: Touch 利用時の新しい画面表示)

主な対応機種: SX20

SX20 で Touch 8 あるいは Touch 10 コントローラを接続したときの画面が、他の SX10/SX80 などと共通の時計表示に変更されました。

TC730-06

SX20 の新しいユーザインターフェイス

SX10 feature updates (SX10 機能拡張)

主な対応機種: SX10 (他機種は対応済み)

他の SX シリーズにあり、 SX10 にはなかった次の機能が、SX10 でも利用できるようになりました。

  • アドホック会議のサポート(リモコン・Touch 10)

SX10-Adhoc01 SX10-Adhoc02

  • Extension mobility(内線ログイン)のサポート (Touch 10)

SX10-EM-01

  • OBTP(One button to push)ミーティングのサポート

Web snapshots: Warn user when snapshots are being taken(Webモニタ時の警告表示)

主な対応機種: SX10,SX20,MX200 G2, MX300 G2, SX80, MX700, MX800 など

Web インターフェイス上で画面表示を確認できる Web スナップショットという機能があります。この機能を有効にして Web からモニタリングしていると、利用者に対してモニタされているとの警告が表示されるようになりました。

Web スナップショットを管理画面から有効にします。

websnapshot

管理画面の Call Control で Main Source または Presentation Source の画面をクリックし、 Web スナップショット機能を有効にし、画面出力をモニタします。

websnapshot2

 

利用者から見た画面には警告文「管理者は視覚的にこの部屋を監視しています」が右上に表示されます。

websnapshot5

SpeakerTrack 60: Snap to whiteboard(SpeakerTrack60: ホワイトボード位置記憶)

主な対応機種:  SX80, MX700, MX800

シスコのビデオ会議では、会議室に設置された「ホワイトボード」を有効活用することができます。ビデオ会議中に遠隔の参加者に手書きのホワイトボードを使って説明することができます。

ホワイトボードの位置を事前設定することにより、誰かがホワイトボードを使って説明するときの構図をより一層わかりやすく表示できるようになりました。ホワイトボードを使って説明を始めると、説明をしている人とホワイトボードがきれいに収まるようにカメラが自動的に移動します。

簡単なウィザードの指示に従い、ホワイトボードの位置を確定できます。下記の画面はホワイトボード位置確定ウィザードの表示例です。

whiteboard01

whiteboard02whiteboard03whiteboard04whiteboard05whiteboard06whiteboard07

Software upgrade speed improvements(ソフトウェア更新のスピードアップ)

主な対応機種: SX10,SX20,MX200 G2, MX300 G2, SX80, MX700, MX800 など

TC 7.3 以降のファームウェアのアップグレードプロセスを改善したことにより最大で 80% 早くソフトウェアを更新できます。

General improvements(その他の機能拡張)

主な対応機種: SX10,SX20,MX200 G2, MX300 G2, SX80, MX700, MX800 など

  • CDP 機能の完全な無効化 : CLI を使って、CDP を無効化できます。(xConfig NetworkServices CDP Mode: Off/On)
  • 管理画面での通話履歴がデフォルトで表示
  • 「xConfiguration Video Input Connector <X> PresentationSelection: Manual」コマンドを無効にしました
  • EX シリーズで書画カメラモード利用時に映像が反転する機能をオフにできます。(xConfiguration Cameras Camera 1 Flip: off)

 

以上が TC 7.3 の新機能のご紹介となります。TC シリーズは旧 TANDBERG 時代も含め、長期にわたってメンテナンスされているビデオ端末向けソフトウェアです。「ビデオ会議」としての性能・機能は十分にあり、大きな機能追加よりも端末間の機能差分を埋めることにフォーカスしています。別途始めたシスコビデオテクノロジー最前線にて TC シリーズの機能をご紹介します。

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