IDC の分析によると、デジタル ネットワーク テクノロジー を導入している組織は、従業員 100 名ごとに年間 48,000 ドルの利益を実現しており、9 ヵ月で投資を回収できているとのことです。
IT 業界のリーダーたちと会うのは常に魅力的な体験です。そして、多くの場合、彼らとの出会いで課題が見えてきます。このような出会いは、いつも私に新しい物の見方や展望を与えてくれます。この 1 年間、私はさらに多くの IT 業界のリーダーと会いましたが、こうしたリーダーたちはフラストレーションを感じていると私に訴えました。その理由は何でしょうか。リーダーたちは、ネットワーキングに対する従来型のアプローチが自社のイニシアチブにおける大きな障害になっていることを認識しているにもかかわらず、インフラストラクチャを刷新するのに苦労しているからです。
ビジネス リーダーと衝突するのはよくあることですが、こうした場合に必要なのは、あなたのビジョンを財政上の利益に変換することです。つまり、ビジネス リーダーが理解できるように説明しなければなりません。結局のところ、100 万のネットワーク ダイアグラムより、具体的な数字の方が説得力があるのです。
そこで、私たちはこのお手伝いをすることにしました。私たちは IDC に、シスコの DNA を使用してビジネスを変革している 8 人の先駆者たちと連絡を取るよう依頼しました。目的は、彼らが経験したビジネスおよび IT のメリットを明らかにし、デジタル対応ネットワークが彼らのビジネスに与えているメリットの数値化を支援することです。
この調査と結果に関する詳細はここでは割愛します。完全なレポートはこちらで参照できますが、ここでは注目すべき点をいくつか紹介します。
- ネットワークは広範なビジネス インパクトを与える:ネットワークからは、あらゆることが分かります。また、デジタル時代を迎えているという状況の中、ネットワークのビジネス インパクトは驚くほど広い範囲に及んでいます。話をした IDC の顧客は、シスコの DNA ソリューションを使用するメリットを認識していました。このソリューションは IT スタッフの生産性、ビジネスの生産性、IT インフラストラクチャのコスト、およびリスクの軽減のすべてに影響を与えます。
- 年間 48,117 ドルの利益:これらの領域のメリットをすべて合算したところ、驚くべき数字が算出されました。具体的には、IDC は、これらの組織が年間に 100 ユーザあたり 48,117 ドル相当のメリットを実現し、9 ヵ月で投資を回収していることを把握しました。この驚異的な数字を貴社のビジネス ケースに追加するにはどうしたらよいでしょうか。
- ネットワーク運用の生産性が 28 % 増加:ネットワークを自動化した結果、ネットワークの運用はさらに効率化されました。そして、これはほんの始まりにすぎません。認識されていないメリットは他にも多数あります。しかし、まずは生産性が 28 % も向上するということに対して不満を言う人はいないでしょう。そしてよく言うように、自動運転の車は 1 日では完成しないのです。
- IT の生産性はアプリケーションの開発も拡張:ネットワークの自動化がネットワーク運用の効率を高めるため、お客様はさらに高速かつ効果的にアプリケーションを開発し、公開することができます。IDC は、お客様が新しいアプリケーションを提供するまでの時間を平均 17 % 減らすことができたと確認しています。あるお客様は次のように述べています。「従来のネットワークは、私たちが監視したり、サポートしなければならない多数のアプリケーションに対応できませんでした…これが私たちが DNA ネットワークを構築した理由です」
- ネットワークのデジタル化がセキュリティの向上を実現:私たちは誰もが、あらゆる人々がサイバーセキュリティについて懸念していることを理解しています。大規模なセキュリティ侵害が発生すると、ROI の利益をすぐに帳消しにする可能性があります。そして、侵害に対する恐れは、しばしばデジタル イニシアチブの進行を妨げる原因になります。シスコの DNA ソリューションにより、被害を受けるクライアントやマシンの数など、侵害の範囲が大幅に縮小される可能性があります。同時に、侵害の検出時間が短縮されます。デジタル化により、攻撃対象が大幅に増えています。ネットワークに接続されるものが増えるにつれ、従来のセキュリティ アプライアンスのみのアプローチとは異なるアプローチが必要になっています。
ビジョンを数値化する
私の経験では、IT リーダーは一般的に、現在使用しているネットワーク モデルはまだ管理可能である一方、持続性に欠けると認識しています。ネットワークの変革についてビジネス リーダーたちに理解させ、投資してもらうのは簡単なことではありません。IDC の分析結果は、IT リーダーたちにとって、デジタル対応ネットワークの構築により実現されるビジネス上のメリットの裏付けとして役立つデータとなります。
この情報を活用することで、ネットワーク インフラストラクチャに対する投資を促進するビジネス ケースを作成することができます。これをきっかけに、ディスカッションが楽しくなります。IT とビジネス戦略の足並みをそろえて、組織全体でイノベーションを推進するのです。
全世界で、あらゆる業界の企業がデジタル変革の複雑性と格闘しています。IT リーダーたちの多くは、貴社のデジタル アドベンチャーの中で、ネットワークがヒーローにも悪役にもなることを知っています。組織でのネットワーク変革のために、ビジネス ケースを作成する最適な方法を決定しようとしているなら、ぜひこちらをお読みください。
この記事は、シスコのエンタープライズ ネットワーク製品担当シニア バイス プレジデントを務める Scott Harrell によるブログ「Quantifying the Benefits of Network Transformation」(2017/1/25)の抄訳です。