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iOS 10 で期待を現実に変える

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1 年前、Apple とシスコはモビリティを通じたビジネス変革を目標としたパートナーシップを発表popup_iconしました。確かにこれは非常に高い目標です。この発表以来、私たちは舞台裏で一生懸命に取り組んできました。夏の間、BT(英国)、DT(ドイツ)、KDDI(日本)、IAG(オーストラリア)など、30 を超えるお客様やパートナーが初期のフィールド トライアルに参加し、私たちのソリューションに磨きをかけるために力を貸してくれました。

私は特に、シスコにおけるエンタープライズ ネットワークのエンジニアリング部門のリーダーとして、チームが達成したことに誇りを感じています。シスコは Apple と協力することで、iOS デバイスとシスコ ネットワークが iOS 10 を通じてハンドシェイクと同じように相互に認識できるようにしました。さらに、Wi-Fi の最適化、ビジネス クリティカルなアプリの優先順位付けも可能になりました(この 3 つ目の iOS 10 の機能により、iOS デバイスでの音声/ビデオ通話のエクスペリエンスを Cisco Spark を通じて最高レベルに高めることができます。詳細については、Jonathan Rosenberg のブログをご覧ください)。

では、詳細を見ていきましょう。私たちが過去 1 年間にわたって取り組んできたことを紹介します。

Wi-Fi 接続の最適化:

私たちの課題は、iOS デバイスのインテリジェントかつ効率的なローミングを実現し、アプリに最適な接続を提供することにありました。そして、これこそが私たちの成果です。説明しましょう。

iPad を Wi-Fi ネットワークに接続し、WebEx ミーティングに参加している状態で歩き始めるとします。ほとんどのネットワークでは、モバイル デバイスは信号が最も強い AP に接続します。その後、AP の信号が弱くなって接続を維持できなくなると、モバイル デバイスはすべてのチャネル(最大 25 チャネル)をスキャンして、その SSID の信号が次に強い AP を探します。

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このとき、iOS デバイスがシスコの企業向けワイヤレス ネットワークに接続すると、AP は 802.11k を利用して、上位 6 個の隣接 AP のリストを提供します。iPhone のローミングでは最大 6 個のチャネルしかチェックする必要がないため、時間とバッテリ消費を節約することができます。さらに、iPhone がセルのエッジに到達したときに、その場所を確認し、802.11v を使用して、信号と使用状況に基づいた次に最適な AP の候補リストを提供します。その結果、信号が最も強く、使用率の低いアクセス ポイントに iPhone が接続されるため、ネットワークの接続速度とパフォーマンスを最大限に高めることができます。

次の AP を見つけることは重要ですが、セキュリティ パラメータをネゴシエートする必要がある場合は、その AP への切り替えに時間がかかることがあります。802.11r は、迅速なセキュリティ ネゴシエーションと高速ローミングを実現することによってこの問題を解決します。問題は、ほとんどのネットワークには 802.11r が実装されていないことです(一部の古いデバイスは 802.11r にうまく対応できず、すべてのネットワークに新しい機能が実装されているわけではありません)。これを解決するため、iOS 10 デバイスとの一種のハンドシェイクを実現しました。SSID で 802.11r が明示的に有効化されていない場合でも、iOS 10 デバイスとシスコ ネットワークは互いを認識し、iOS 10 の iPhone または iPad では 802.11r が選択的に有効化されます。つまり、デバイスはアクセス ポイント間で迅速かつシームレスにローミングを行います。アプリのパフォーマンスは向上し、VoIP コールの接続は維持されます。

ネットワークがこれらすべての機能をデフォルトで構成するという負荷の大きい役割を担うため、IT 部門は高度な機能の導入をさらに容易に行えるようになります。 

ビジネス アプリの優先順位付け:

ただし、これはほんの始まりにすぎません。Apple とシスコは、ビジネス上きわめて重要なアプリを優先して実行するためのサポートも提供しています。

ビジネス ネットワークにはさまざまなコンテンツが存在し、そのすべての重要度が同じであるわけではありません。一般に各アプリには、ビジネス アプリ(音声、ビデオ会議、メッセージング、ドキュメント共有アプリなど)であろうと、ゲーム、動画、ソーシャル メディア アプリであろうと、同じレベルの優先度が与えられます。そのため、ビジネス上重要なアプリがビジネスと関係のないアプリと同じネットワーク リソースを共有することになるため、仕事の効率が低下します。

もちろん、インフラストラクチャの QoS を設定することも可能です。これは重要なことですが、これまでは「ラスト マイル」(クライアントから AP へのリンク)を制御することができませんでした。しかし今回、それが可能になりました。iOS 10 によってシスコ ネットワーク上のアプリ エクスペリエンスが向上し、ワイヤレス ネットワークにおいて別のアプリ トラフィックとの輻輳が発生しても、iOS とシスコ Wi-Fi ネットワークの新しい機能を使用することで、非常に重要なアプリやデータを重要でないアプリよりも優先できるようになったのです。

IT 管理者は、iOS デバイスにプロビジョニングされたシンプルな設定プロファイルを使用して、通常のトラフィックよりも優先するアプリの「ホワイト リスト」を作成したり、それらを選択したりすることができます。優先するアプリをマーキングすることで、ビジネス上きわめて重要なアプリが高速レーンに配置することができるのです。

iOS デバイスがシスコ ネットワークに接続すると、AP によってそのデバイスのプロファイルがアクティブ化されます。高速レーンに配置されているアプリは優先されます。しかも、プロファイルが SSID 固有となっています。ユーザがオフィス ネットワークに接続しているのか、学校、自宅、あるいは他の場所にいるのかに応じて、さまざまなプロファイルやホワイト リストを作成することができます。ネットワークの QoS とクライアントの QoS が初めて一致したのです。つまりアプリにとって何が最も重要化という観点や、効率性が一致します。そのため、ユーザが Spark コール機能で通話している場合、別のワイヤレス ユーザが仕事に関係のないビデオ ストリーミング アプリを使用してネットワークに負荷を与えていても、通話が途切れることはありません。

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たった 1 回のソフトウェア アップデートですべてが実現

すばらしいと思いませんか? 私たちのテストは、またしても期待が現実のものになったことを示しています。Apple とシスコが共同で実施した内部テストによれば、これらの新しい環境には以下の利点があります。

  • ローミング処理を最大 8 倍高速化
  • Web ブラウジングに関する障害を 90 % 削減
  • コールの信頼性を最大 66 % 向上
  • 管理オーバーヘッドを 50 % 削減可能

多くの方は、iOS のアップデートを 1 回行うだけで、これらのすばらしい特長をすべて実現することができます。Wi-Fi の最適化とアプリの優先順位付けは、Cisco AireOS WLC 8.3 ですでに利用可能となっていますCisco Meraki は、これらの機能を新しい MR ファームウェアを通じてサポートします。このファームウェアの提供開始は 9 月の終わりの予定です。

ご興味を持っていただけたでしょうか。これ以外にもわくわくするようなイノベーションを実現するために準備を進めています。また、私たちは皆様のアイデアにも関心を持っています。コメント欄からご意見をお寄せください。皆様からのご意見はすべて拝見させていただきます。

 

Jeff Reedこの記事は、エンタープライズ インフラストラクチャ&ソリューション グループのシニア バイス プレジデントである Jeff Reed によるブログ「Turning Promise into Reality with iOS 10popup_icon(2016/9/13)の抄訳です。

Authors

Cisco Japan

シスコシステムズ合同会社

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