Cisco Japan Blog

独立系機関がテストで確認 – Secure Email Threat Defense の E メールセキュリティがもたらす強力な効果

1 min read



 

この記事は、Product ManagerであるDeepali Shukla によるブログ「 Independent Testing Confirms Secure Email Threat Defense’s Email Security Strength 」( 2026年 6 月 16日 )の抄訳です。

 

E メールは現在も、組織に侵入する最も確実な手段として悪用されています。その理由は、境界防御の脆弱さではなく、開封されることが前提という設計にあります。セキュリティチームにとっての真の課題は、受信トレイに脅威が着信することではなく、それらがユーザーに操作される前に、脅威を阻止することです。

Cisco Secure Email Threat Defense(ETD)は、そうした前提を中心に据えて構築され、本来のコミュニケーションを妨げずに、受渡しポイントで脅威を確実に阻止することを目的としています。最近、その効果が、独立系機関によって検証されました。ETD は、2026 年 5 月に行われた「SE Labs Advanced Email Security Evaluation」で、最高レベルの AAA と評価され、テスト対象となった脅威カテゴリ全体で 94% の総合精度を達成しました。

 

ETD の設計で前提とされた、脅威の現状

現代の E メール攻撃では、たった 1 つの形態が取られることはありません。私たちが保護ソリューションを提供しているお客様は、ありふれた手口のフィッシング、先進的なマルウェア配信、対処がかなり困難なビジネスメール詐欺(BEC)といったさまざまな手法の攻撃に絶えず直面しています。BEC の場合、ペイロードや悪意のあるリンクはなく、受信者が信頼する人物を完全に装った者からの依頼が書かれているだけです。

この独立系機関による ETD の評価では、これら 4 つのカテゴリすべてが同時にテストされ、実際の脅威グループをモデルにした攻撃手法が使用されました。その手法は、APT29 の攻撃キャンペーン(PDF をランサムウェアの媒体とし、研究機関を標的とする)、FIN7 のバックドアマルウェア(標的は小売業や金融業界)、北朝鮮の AppleJeus グループによるドライブバイダウンロード攻撃(標的は仮想通貨セクター)など、多岐にわたります。これらは、理論上のシナリオではなく、組織を狙い、今日、実際に使用されている手法です。

 

すべての脅威カテゴリで高パフォーマンス

ETD は、486 件の脅威のうち 478 件を検出し、検出レート 98% を記録しました。それよりも重要な点は、検出されたすべての脅威が、ユーザーがアクセス可能となる前に阻止またはブロックされたことです。検出しても、必要な対処を取れなければ、保護とは言えません。ETD は検出も対処も可能にします。

フィッシングとソーシャルエンジニアリング受信トレイの侵害ゼロ

フィッシングとソーシャルエンジニアリングは、多くの組織が直面する攻撃の中で最も件数の多い手法です。ETD は、300 件のフィッシング攻撃に対し 100% の防御レートを達成しました。こうした攻撃には、クイッシング(QR コードを使用したフィッシング)や Google 翻訳のリンクを利用した回避手法などが含まれます。どの E メールも、管理者のコントロール下で検疫、または完全に遮断され、受信トレイに届くことはありませんでした。

ソーシャルエンジニアリングのサンプル 100 個でも、同じ結果を得られました。サンプルには、FBI 職員のなりすまし詐欺、偽の緊急支払い要求、宝くじ詐欺、資金受取人詐欺などが使用されましたが、すべて検疫され、エンドユーザーがアクセスできる状態にはなりませんでした。

まさに ETD のそうした点が、セキュリティチームにきわめて短時間で測定可能な価値をもたらします。最も発生件数の多い攻撃カテゴリを完全に無力化することで、アラート疲労の軽減や、ユーザーがリスクにさらされる機会の排除を行えるうえ、いずれは無視されるとわかりながら件名で警告を示す必要もなくなります。

 

 

マルウェア国家レベルの手法を 97% 阻止

E メールによるマルウェア配信への対策には、別の課題が生じます。なぜなら、この攻撃には、検知の回避、ポリモーフィック型、高度な脅威アクターとの強まる関係性といった性質があるからです。ETD は、マルウェアサンプル 60 個(APT29 と APT-C-36 によるランサムウェア配信、Gamaredon と Higaisa による C2 バックドア、FIN7 シェルコードキャンペーンなど)のうち、58 個を阻止しました。そのうち 22 個には暗黙的な阻止、8 個には送信者に通知したうえでの拒否、28 個には管理者レビューを目的とした隔離がそれぞれ実行されています。

2 件の E メールが受信トレイに届いていることも、隠さずお伝えしましょう。どちらの E メールも、防御をかいくぐった巧妙なサンプルでした。しかし、国家レベルのマルウェア配信手法に対し保護レート 97% という結果は、ETD がいかに強力かを示していて、精度を示すこの数字には、2 件を見逃したペナルティが適切に反映されています。

今回のテストで使用された脅威グループは、エネルギー、金融サービス、行政、小売業に携わる組織を主な標的にしています。こうした組織にとって、検出回避に特化した手法のブロックレート 97% は、情報漏洩リスクを大幅に低減できることを意味します。

 

 

ビジネスメール詐欺:E メールセキュリティにおいて最も困難な問題

ビジネスメール詐欺(BEC)は、率直に議論すべき問題です。E メールセキュリティにおいて最も対策が困難なカテゴリであり、この傾向は、ベンダー、製品、アーキテクチャに関係なく当てはまります。BEC の場合、マルウェアも、フィッシングリンクも、添付ファイルも使用されず、技術的にはクリーンな E メールとなっています。脅威はその意図に存在していて、CEO になりすまして電信送金を承認させたり、サプライヤーのふりをして別口座への支払いを誘導したりすることを目的としています。

BEC のテストでは 26 個のサンプルが対象となりました。これらは、類似ドメインと、サプライヤーの疑似的な関係性(これにより、実世界の攻撃を模倣)を使用して構成されています。ETD は、20 個を特定し、検出レート 77% を記録しました。具体的には、阻止 3 個、検疫 13 個、拒否 1 個、コンテンツ編集による無力化 2 個、迷惑メールフォルダに適切にルーティング 1 個という内訳で、6 個が受信トレイに届きました。

77% は、偽りのない数字です。低く見えますが、Microsoft 365 Google Workspace が自力で実現可能なレートを優位に上回っています。しかし、BEC を完全に排除できる E メールセキュリティ製品は存在しません。高額が動くような依頼には、ETD の検出機能と、経営陣による検証ワークフローの組み合わせを適用すると良いでしょう。こうした多層的なアプローチを取れば、技術だけでは埋められないセキュリティギャップに対処できます。

 

 

業務を妨げないセキュリティ対策

保護スコアは、一部の優位性を示しているにすぎません。あらゆる脅威を次々とブロックする強力なシステムであれば、脅威防御で満点を獲得できますが、その過程で生産性を著しく低下させるでしょう。多くの製品が、こうしたセキュリティと利便性のバランスの期待値に応えられていません。

評価期間中、ETD 経由で送信された、本来読まれるべきメッセージ 110 件のうち、一切変更されずに受信トレイに届いたものは 99 件でした。11 件は、迷惑メールフォルダに振り分けられましたが、ユーザーからアクセス可能であり、なくなったわけではありません。不正でない本物の E メールは 1 つもブロックされませんでした。

ブロックされた本物の E メールは 0 件でした。

どの E メールもアクセス可能な状態が維持されていて、迷惑メールフォルダに振り分けられた 11 件も利用できます。少し不便になったものの、コミュニケーションが絶たれることにはなりませんでした。

総合精度 94% には、まさに、こうした脅威検出レート 98%、誤検出ゼロというバランスの良さが表れています。メトリックを単独で最適化したことではなく、脅威を確実に検出する一方で、受信トレイを常に機能させたことが評価されたのです。

 

独立系機関による検証から、自社のセキュリティ戦略を考察

どの E メールセキュリティベンダーも検出レートを公表しています。しかし、今回の独立系機関によるテストは、結果に応じて利害関係が生じない組織が敵対的な状況下で実際の脅威インテリジェンスを使用して行ったものです。これで得られるような結果は、データシートからは得られません。

今回の評価では、政府機関、金融機関、重要なインフラストラクチャなどを積極的に狙う脅威グループの攻撃手法を使用しましたが、これらはいずれも文書化されているものです。ETD のパフォーマンスは、ラボではなく、サニタイズしたサンプルも使用しない環境で評価されました。その結果は、自社環境でのパフォーマンスを予測するうえで、最も信頼性の高いデータとなるでしょう。

AAA という評価は、さまざまな脅威に対しバランスの取れたパフォーマンスを発揮したことを示しています。つまり、大量の脅威への徹底的な対応、高度なマルウェアの強力な防御、BEC における技術的限界の誠実な報告、不正でない E メールが過剰にブロックされないための配慮などが総合的に優れていると評価されたのです。こうした総合力は、シスコが自らに課している基準でもあり、今回の独立系機関による評価でも、これを満たしていることが確認されました。

こちらからレポート全文にアクセスすると、ETD の包括的な E メールセキュリティ機能を詳しくご覧いただけます。

パフォーマンスデータは、いずれも、『SE Labs Advanced Security Test Report Email (Protection), Cisco Secure Email Threat Defense, May 2026 (v1.0)』からの引用です。テストは、2026 4 1 日~ 7 日に行われました。SE Labs Ltd は、ISO/IEC 27001:2022 認証を取得しています。

Authors

中村 光宏

セキュリティ事業

SE本部長

コメントを書く