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AI エージェントに求められる組み込みセキュリティに対するシスコの取り組み

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この記事は、AI Software & Platform ,  Senior Product Manager – AI Defenseである SiddhantDash と、AI Software & Platform, Senior Product Manager である Naveen Elango によるブログ「 AI Agents Need Built-In Security. Here Is How Cisco Does It 」( 2026年 6月 3日 )の抄訳です。

 

現実になった AI エージェントの脅威

2026 年 2 月、セキュリティ研究者は、人工知能(AI)アシスタントを Oura Ring の健康データに接続する正規の Model Context Protocol(MCP)サーバーが SmartLoader マルウェアを展開する攻撃者によって複製され、トロイの木馬化されたバージョンが正規の MCP レジストリに送信されていたことを突き止めました。攻撃者は何か月もかけて偽の GitHub アカウントを作成し、コントリビュータとしての信頼性を確立し、さらに不正なフォークのネットワークを構築していました。健康データの統合機能を検索していた開発者は、明らかな警告サインもないまま、ログイン情報を盗み出すマルウェアをインストールしてしまう可能性がありました。

これはコンセプト実証ではありませんでした。実際の開発者が使用するレジストリを首尾よく汚染させた、実環境での攻撃でした。それと同時に、企業が新しい MCP サーバー、ツール統合、AI エージェントを導入するたびに増大する、ある種のサプライチェーンリスクを表しています。

多くの企業向け AI エージェント プラットフォームは、すべての統合機能の監査を各開発者の手作業に委ねています。しかし、どのチームの確認作業よりも迅速に攻撃対象領域が拡大すれば、このアプローチは機能しません。そこで本日シスコは、Cisco Agent Builder に Cisco AI Defense が直接組み込まれるようになったことをお知らせします。これにより Cisco Agent Builder は、ライフサイクルのあらゆる段階でネイティブセキュリティを提供する初の企業向け AI エージェント プラットフォームとなりました。サードパーティ統合機能が開発者に届く前のスキャンから、リアルタイムでの各エージェント実行の検査に至るまでのセキュリティ機能が、このプラットフォーム自体に組み込まれています。

 

Cisco Agent Builder とは

Agent Builder は、Cisco Cloud Control 内の新しい Cisco Cloud Control Studio の機能の 1 つで、企業のサードパーティ製ツール、運用に関する知識、ワークフローを、環境全体で動作できる AI エージェントに変換します。Agent Builder では、次の 3 タイプの作業が行われます。

  • サードパーティ製ツールの接続。企業の ITSM、監視、DNS、アイデンティティ、およびアラートに関連するツールを、ネイティブ統合によって接続します。一度接続されたツールのデータとアクションは、プラットフォーム全体で稼働する AI エージェント(Cloud Control 内の Cisco AI Canvas を含む)から利用できるようになります。
  • カスタム AI エージェントの構築。高度なコーディングスキルを必要としない、ガイド付きのインターフェイスでエージェントを構築できます。開発者はエージェントが行うべき処理を記述し、エージェントに必要なツールやナレッジを紐付け、テストを実行して、バージョン管理されたライフサイクルを通じて公開します。
  • 運用に関する知識をスキルとしてコード化。ランブック、標準作業手順書、コンプライアンス基準、修復手順などをアップロードし、業務で必要になった際にエージェントが呼び出せる再利用可能なスキルに変換します。

Agent Builder に追加された要素は、そこに留まるわけではありません。接続されたツール、カスタムエージェント、そして運用に関するスキルは、Cisco Cloud Control やそのワークスペースである AI Canvas で横断的に利用可能になり、そこで人間のオペレーターと AI エージェントが協力して問題の調査や解決に当たることができます。

このプラットフォームにより、AI エージェントの構築や展開はシンプルになります。しかし、もっと難しいのは「AI エージェントをどのように保護するか?」という問題です。

 

後付けではない、組み込みのセキュリティ

Agent Builder は、単一の統合セキュリティレイヤとして機能する Cisco AI Defense を通じて、エージェントライフサイクルのあらゆる段階のセキュリティを組み込むことで、この問題を解決します。

  • 統合が利用可能になる前:Cisco AI Defense は、すべてのサードパーティ製 MCP サーバーのコード、ツール定義などの設定、およびデータフローをスキャンし、脆弱性や悪意のある動作、サプライチェーンリスクがないかを検証します。スキャンに合格しなかった統合が開発者に表示されることはありません。たとえば SmartLoader の Oura クローンのようなトロイの木馬化された MCP サーバーは、開発者の目に触れる前にブロックされます。
  • エージェントが完全に構築される前:開発者がドラフトを保存するたびに、AI Defense はエージェントの設定を自動的にスキャンし、プロンプトインジェクションのパターン、データ漏洩のリスク、ポリシー違反を確認します。
  • スキルが実稼働環境に適用される前:AI Defense Skill Scanner は、スキルの指示文やアップロードされたスキルのマークダウンに悪意のあるコンテンツや機密データの露出が含まれていないか検証します。
  • 各実行時:AI Defense は、大規模言語モデル(LLM)呼び出しやツール呼び出しのたびにリアルタイムで検査を行います。ユーザーからの入力は、モデルに到達する前に、プロンプトインジェクションやジェイルブレイクなどの脅威がないかチェックされます。エージェントからの応答は、ユーザーに届く前に、データ漏洩(個人識別情報、
    ログイン情報、内部ネットワークアドレスなど)がないかチェックされます。Policy Studio はカスタムガードレールの自動作成に使用されます。ガードレールはアクションをブロックし、完全な監査性確保のためにそのイベントを実行トレースに記録します。

開発者がこれらを設定する必要はありません。Cloud Control 内ですべてが自動的に実行されます。開発者は、エージェントを構築し、緑色のチェックマークが表示されたら展開するだけです。セキュリティは、すべてのフェーズで目に見えない形で機能します。

イメージ:AI Defense によって保護された Cisco Agent Builder 内のエージェント。

 

単一の企業、単一プラットフォーム、単一のセキュリティ態勢。

これはマーケットプレイスの統合でも、パートナーシップの発表でもありません。

シスコが独自に開発した AI セキュリティ機能であり、シスコ独自の AI エージェント プラットフォームを守るためのものです。AI Defense は Cisco AI によって構築され、Agent Builder に直接組み込まれています。

この事実が示すメッセージは明確です。それは、「企業向けに販売するプラットフォーム内部に組み込むほど、シスコはこれらのセキュリティ製品を深く信頼している。シスコに信頼されているのであれば、これらのセキュリティ製品は、お客様の組織に対しても、まったく同じ卓越した AI セキュリティを提供する準備が整っている」ということです。

他社の選択肢と比較してみてください。大半の AI エージェント構築ツールの場合は、企業がサードパーティ製のスキャンツールを後付けし、実行時の保護を個別に設定し、切り離された複数のシステムにまたがってセキュリティポリシーを管理する必要があります。問題が発生した場合には、統合のギャップが生じており、責任の押し付け合いが起こります。プラットフォームとセキュリティが同一の企業から提供されていれば、問い合わせ先は 1 つで済み、悪用されるような継ぎ目も存在しません。

 

エージェント時代に求められるネイティブセキュリティ

MCP エコシステムは急速に拡大しており、攻撃者も注目しています。GitHub のスター数、フォーク数、コントリビュータリストといった従来の信頼の指標は、今や機械的に捏造できてしまいます。手動によるレビューでは、そのスピードに追いつけません。

Cisco AI Defense によって保護されている Cisco Agent Builder は、実稼働環境に到達する前に、あらゆる統合の審査、あらゆる設定のチェック、あらゆる実行の検査を自動的に実行するプラットフォームを企業に提供します。

Cisco AI DefenseCisco Cloud Control の Agent Builder の詳細をご確認ください。今週ラスベガスで開催される Cisco Live にご参加予定の方は、シスコの各ブースでこれらの機能を直接ご覧いただけます。

本記事で説明されている製品や機能の一部は開発段階にあり、利用可能になった時点で順次提供される予定です。

Authors

中村 光宏

セキュリティ事業

SE本部長

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