この記事は、「 A Generational Industrial Experience is in Store at Cisco Live San Diego
」を参考に日本語の記事にしております。原文もぜひご覧ください。
Cisco Live 2025 サンディエゴが閉幕しました。イベントでは、日本のお客様、パートナー様と共にシスコの開発責任者と会い、未来のテクノロジーについて語り、また関係を構築してまいりました。
また、産業 IoT 事業部は、ディズニーやアウディのような素晴らしいお客様と共に、産業 IoT のユースケースの発表を行いました。
産業 IoT チームは、製造、電力、交通に関する産業 IoT サミットを主催しています。最新の技術を用いてビジネスを変革しているお客様の発表は、参加された方の仕事のモチベーションにも繋がる特別なイベントとなっています。
今年は産業 IoT の年
今年の Cisco Live サンディエゴでは、産業 IoT にスポットライトが当たっています。OT セキュリティの必要性、画期的な AI ユースケース、そして IT チームと OT チームの連携強化が進む中、産業 IoT はよりスマートでセキュアなオペレーションへの道を開いています。シスコの産業用ネットワーキングは、これらの課題に正面から取り組むために拡張・進化しています。イベント内で IoT 事業部は 19 の新しい IE スイッチの発表、Cisco Ultra-Reliable Wireless Backhaul (CURWB) と Wi-Fi 7 の統合、そして Cisco Cyber Vision への AI ベースの機能強化を発表しました。
Cisco Live での最高のデモ
今回の Cisco Live でまず目を引いたのが、ギターの修理工場のデモラインの展示です。下記のリンクで Youtube 動画をご覧いただけます。
この組み立てラインでは、AI を活用したロボットによって古いギターが検査およびチューニングされますが、ここには、ネットワークとセキュリティの重要な技術が全て詰まっています。
まず、AI を活用したマシンビジョンがギターのボディに傷やへこみなどの欠陥がないかスキャンします。次に、生成 AI (GenAI) が登場し、これらの欠陥に対する修正案を提案し、各パレットの無線周波数識別 (RFID) タグにエンコードされます。
次のステーションでは、ピックアップの前にギターが一時停止すると、産業ロボットが弦を弾き、GenAI がその音色を聞き取り、その情報を受けてロボットがチューニングを完璧に調整します。
このラインの、PLC は仮想化され vPLC (ソフトウェアPLC) として Cisco UCS サーバー上に構築され、ネットワークを通じて高速にロボットと通信をしています。
全てのデータは Splunk Dashboard 上で可視化されます。Splunk には Cyber Vision の Add On が追加され、OT セキュリティの可視化が非常に効率よく行われます。さらに、Catalyst Center との連携によりネットワーク機器の通信状況やポート利用状況が可視化されます。
外観検査の情報やラインの稼働状況およびチューニングの状況も連携しているため、Splunk Dashboard 上でこのラインの全ての情報が網羅的に表示されています。
また、Secure Equipment Access (Cisco SEA) により、遠隔から安全にこの設備にログインし、設定の変更や修正も可能になっています。
AI ベースの製造ラインデモ:Denali AI によるリアルタイム適応型 AI 製造
新型 IE スイッチの登場
当社の産業用イーサネットポートフォリオは、IP30 から IP67 までの PoE および UPoE を特徴とする 19 種類の新しいスイッチが追加されました。

Cisco IE3500 Rugged Series

Cisco IE3500 Heavy Duty Series
今回発表されたIE3100Hは小型の防水モデルであり、非常に使い勝手の良いスイッチのため、日本国内のマーケットにも大きなインパクトが与えられると考えています。
大容量 PoEスイッチは屋外での監視カメラやサイネージへの給電を可能とします。また、産業用 AI アプリケーションの帯域幅要求をサポートするより高速なアップリンク、そしてファブリック技術を使用した単一ネットワークへの Layer 2 および Layer 3 の統合を提供し、資産がどこにあっても拡張性と柔軟性を確保します。
本イベントでは Enedis からの協力を得ました。長年にわたる彼らのフィードバックは、当社のロードマップを形作る上で重要な役割を果たしており、当社の新製品の一部に関する初期のフィールドテストに関与しました。
「私たちは、Catalyst Center によってシームレスに管理できる能力を理由に Cisco IE9300 Rugged Series スイッチを選択しました。これにより、フランスにある 2300 の変電所にこれらのスイッチを 15 分以内にゼロタッチで展開できるようになります。これは、将来的に現在の IE4010 の展開を IE9300 Rugged Series スイッチにアップグレードする際に非常に役立ち、運用コストと時間を大幅に節約できます。」— Arnaud Saupin, Technical Leader Network Engineering, Enedis
また、Nutrien と協力する機会にも恵まれ、情熱的なアーキテクトである Brock Richards 氏にお会いしました。彼と Nutrien のチームは、私たちが基準を引き上げるよう刺激を与えてくれました。
「世界をリードする肥料生産者として、作業員の安全、生産、サプライチェーン全体にわたるシームレスな接続性のために、安全で高性能なネットワークを維持する必要があります。Cisco IE3500 Rugged Series スイッチは、極端な地下環境でもカメラ、LIDAR、Wi-Fi 7、5G AP 向けの高密度 PoE を独自に提供します。これは Cisco Silicon と相まって、VXLAN MP-BGP EVPN のような高度なネットワーキング機能を提供し、多様なサイトやユースケース全体にわたって一貫性があり、柔軟で安全なネットワークファブリックを構築することを可能にします。IE3500 は、Nutrien の「未来を養う」という使命を可能にする真の原動力です。」— Brock Richards, Senior Global Solution Architect, Nutrien
NEW IE スイッチのご紹介
Wi-Fi の兄貴分が登場
Cisco URWB と Wi-Fi テクノロジーの統合により、無線接続の新時代が到来しました。これはまさに革命的です。私たちは、Cisco Ultra-Reliable Wireless Backhaul (CURWB) と Wi-Fi テクノロジーを、Wi-Fi 7、6E、および 6 の幅広いアクセスポイントに統合することを発表しました。
CURWB は移動体を安定して繋ぎ続けることができる技術です。工場内の AGV や鉄道車両や自動運転など、幅広いユースケースで利用されていますが、Wi-Fi と CURWB の同時利用は企業の AP への投資を抑えることを可能にします。さらに Catalyst Center など、組織が信頼する同じツールで管理できます。このアプローチにより、展開が効率化され、管理が簡素化され、作業員のトレーニングやライセンス、周波数管理に関連するコストと複雑さが削減されます。
2 月の Cisco Live Amsterdam で、イタリアのマテリアルハンドリングシステムを提供する企業である E80 の産業用ネットワークの将来のビジョンについて Fabio Oleari 氏と話す機会を得ました。彼の洞察を聞くことができて素晴らしかったですし、E80 が当社の拡張ポートフォリオの機能を直接体験する機会を得たことを嬉しく思っています。
「IE3100 Heavy Duty Series のコンパクトなサイズと IP67 定格による湿気、埃、振動に対する強化された耐性、そして新しい IE3500 Rugged Series の機能セットは、私たちのイノベーションを加速させる態勢が整っていることに興奮しています。Wi-Fi とCisco URWB の統合も歓迎すべき追加であり、インフラストラクチャを重複させることなく、多様なユースケースに同じアクセスポイントを活用できます。」— Fabio Oleari, OT Cybersecurity Manager, E80 Group.
Wi-Fi と URWB の統合
AI による OT セキュリティ
数多くのお客様と話した結果、OT 環境で AI 活用を促進するには、OT、IT、およびクラウド間の通信が必要であることが明らかになりました。これらのニーズを満たすためには、サイバーセキュリティ対策が不可欠です。悪意のある活動を迅速に検出するだけでなく、侵入を効果的に防止するためにも必要です。
OT セキュリティを実装する上で最も重要なのが適切なゾーニングです。これは IEC62443 でも定義されております。
シスコは、Cisco Cyber Vision をこれまで以上に改良し、OT 環境に対する比類なき可視性を提供し、数千の資産を識別し、その役割を表示できるようにしました。膨大な量のデータを実用的なセキュリティポリシーに変換するという課題は、これまで以上にエキサイティングなものになりました。
セグメンテーションは、不要な通信を防ぎ、マルウェアの拡散を阻止するために重要ですが、まずこれらの資産をグループ化してセグメンテーションポリシーを推進する必要があります。Cyber Vision には、資産をゾーンに自動的にクラスタリングする AI ベースの資産クラスタリングが含まれるようになり、組織は数ヶ月ではなく数週間でセグメンテーションを実装できます。
Cisco Cyber Vision は資産を自動的にクラスタリングし、OT ネットワークセグメンテーションプロジェクトの効率化を支援します。

Cisco Cyber Vision は資産を自動的にクラスタリングし、OT ネットワークセグメンテーションプロジェクトの効率化を支援
さらに、Cisco Secure Equipment Access (SEA) は、予期しない場所からのリモートアクセスや異常なアクセス時間などの ID 脅威を検出できるようになりました。Cisco AI Assistant のサポートが追加されたことで、管理者はフォレンジックのために何千もの監査証跡をソートする必要がなくなりました。代わりに、AI アシスタントに質問して数秒で回答を得ることができます。
AIで進化するOTサイバーセキュリティ
産業オペレーションの未来を再定義する
私たちは産業 IoT の新時代の始まりに立っており、これから何が起こるかについてこれ以上興奮することはありません。お客様からの意見とイノベーションへの共通のコミットメントにより、高度な AI とユーザー目線の機能を搭載したポートフォリオを構築しました。これは、重要なインフラを接続、保護、最適化し、よりスマートで、より迅速で、より回復力のあるオペレーションを可能にするように設計されています。私たちはお客様と共にOTの未来を形作っています。
Cisco AI 対応の産業ネットワーキングポートフォリオで、AI の可能性を最大限に引き出しましょう。
インダストリアル IoT 新製品:Cisco Catalyst IE9300 Rugged Series、Cisco IE3500 Rugged Series、Cisco IE3500 Heavy Duty Series、Cisco Catalyst IE3100 Heavy Duty
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