この記事は、シスコのグローバル エンタープライズ ビジネス部門で製造業を担当している Chet Namboodri によるブログ「IoT in Manufacturing: Insights and Best Practices 」(2014/6/30)を意訳したものです。
Manufacturing.net の 2 部構成の Webcast シリーズ『The Internet of Things』(IoT)の第 2 部では、その締めくくりとして、IoT を製造業の業務に全面的に適用した場合に得られる、非常に現実的なビジネス上の利点と結果を深く掘り下げています。話し手の 1 人である、デビッド・ガットシャル氏(Harley-Davidson Motor Company のインフラストラクチャ設計マネージャ)は、シスコと Rockwell Automation の集中型のプラント全体に渡るイーサネット ソリューション アーキテクチャの展開で経験した多くの利点を強調しました。デビッド氏は、この Webcast で、「サプライ チェーン全体にわたる、製造上の高い柔軟性 - 工場(および企業)全体でデータを照合できる - ダウンタイムが大幅に短縮された」と語っています。彼は、IP 対応のコネクテッド ファクトリでは、「これまで問題の対処やトラブルシューティングに数時間から数日もかかっていたことが、今では数秒で済みます」と表現しています。デビッド氏は、このトピックについてさらに「新しい機械をオンラインにするとき、基本的にそのままネットワークで使用できる」と述べており、高い柔軟性が得られ、新モデルの NPI(New Product Introduction)サイクルと市場投入までの時間が大幅に短縮されます。
General Motors などの同様の会社は、この産業オートメーション/制御システム(IACS)アーキテクチャを活用してきました。GM はこれを「Plant Floor Control Network(PFCN)」と呼んでおり、ダウンタイムを 75 % も削減し、工場の拡張と近代化に関連するプラント エンジニアリング、運用、メンテナンス コストを数億ドル削減してきました。GM と Harley の両社は、標準化されていながらも柔軟性のある工場オートメーション インフラストラクチャの最も大きな利点の 1 つが、NPI 製品の加速と新市場での発展であると認識しています。過去 10 年にわたり、GM とパートナーは、中国やブラジルなどの新興市場で生産される乗用車の高いシェアを獲得することができました。また、Harley が最近発表した電気オートバイ LiveWire を売り出すにあたり、私は、同社の戦略の不可欠な部分に、将来の動的で、楽しく、柔軟な工場に向けた、米国の製造ルネサンス ビジョンが含まれているのではないかと考えています。既存のヨークの製造設備の近代化と変化について説明している、Harley の興味深いビデオをご覧ください。
デビッド・ガットシャル氏は、Manufacturing.net の第 2 部の Webcast で、製造業における IoT が、「職務にまたがったコンピテンシ、組織の平坦化」をいかに可能にしたかを説明しています。上記のビデオの中で示されているように、デビッド氏は、さらに Harley-Davidson の「視覚的な工場」の実現の例をさらに詳しく説明しています。そこでは、「主要なセンサー …(および)TAC 時間を含む同じビューを表示するダッシュボード」情報が、全従業員が関与し、同じ方向を向き、熱心に取り組むのに役立ちます。メンテナンス、制御エンジニアリング、IT のすべてが、より正確でリアルタイムな情報を可視化するための「ひとつの画面」で強化されると、共通の目標に向かってより適切かつ効果的に働こうという文化的なシフトが起こります。
製造業における IoT の可能性と結果には、市場投入までの時間、資産活用、生産の柔軟性の改善と、総所有コストの削減、業務上のリスクの管理と軽減が含まれます。集中型の工場全体に渡る IACS ネットワーキング ソリューションのようなイネーブリング テクノロジーは、コストを管理し、品質スループットを高め、リスクを適切に管理するための、増大したビジネスの課題に取り組む製造メーカーの状況を真に変えつつあります。Harley によって例証された IoT のインパクトは、単なる運用上のメトリクスや新しい接続性よりもはるかに広いものです。IoT が推進できるものは、製造業の従業員がビジネスにとって真のパートナーとなるための文化的な向上に向けたシフトです。
Manufacturing.net の Webcast シリーズの第 1 部と第 2 部の両方をぜひご覧ください。